TOKYO HIP BAR vol.50
空飛ぶサーカス団と楽しむ、世界のジントニック
「ザ フライング サーカス(空飛ぶサーカス)」というなんとも楽しげな名前のバー。このお店があるのは、JR埼京線渋谷駅の線路沿い、大きなテントとキャンピングトレイラーが置かれた、まさしくサーカス小屋のような雰囲気の中です。
大規模な開発で再開発が進む渋谷のぽっかりとした空き地で、近い未来には道路になってしまうその前に、短期間でも面白いことができないか? そんな経緯から、この移動式のサーカス小屋のような形態のお店ができたと言います。
オーナーは、日本におけるジンの第一人者のひとりである三浦武明さん。「完璧じゃなくても何か一芸を持った、そんな個性溢れる仲間達と一緒に、沢山の方をドキドキワクワクさせるようなことをしていきたい。“空飛ぶサーカス一座”のような会社になったらいい」という思いから、フライングサーカスを会社名とし、その象徴であるようなこの場所を会社と同じ店名にしました。
カクテルのサーブをするのは、キャンピングトレイラーの中から。トレイラーには世界各地から集められたクラフトジン50種類が揃います。50種類のジンと7種類のトニックにはそれぞれ値札がついており、好きな組み合わせでジントニックが作れるという明快な仕組み。どのジンがよいかわからない場合はバーテンダーの小沢祐介さんがアドバイスしてくれます。
「ジンが初めての方には、テヌ、モンキー47、季の美など、ジュニパーの香りが柔らかく、香りのよいものをおすすめしています。また緑の香る5月には、もみの木で香りづけられたアメリカのセントジョージ テロワール ジンなど、季節でジンを選ぶのもおすすめですね」と小沢さん。
おすすめのテヌ(TENU)は、北欧最後の原生の森の恵みと湧水を使用して、修道士たちの手により作られているフィンランドのジン。野薔薇、コケモモなどの香りを基調としており、一口飲むとストロベリーのような甘さがふわりと広がります。相性がよいのはフィーバーツリーのトニックウォーターです。
「幅が広くて、いい意味でファジーなジンにはいま可能性しかない」と小沢バーテンダーが語るように、メーカーによって様々な香りのあるジンは、探求しがいのあるお酒といえます。
ザ フライング サーカスでジンの面白さと出会ったら、三浦さんの主催するジン イベントにもぜひご来場を。ワールド・ジン・デイの6月第2土曜に合わせ、6月8日、9日の2日間、200種を超えるジンが集まる「ジンフェスティバル東京」が天王洲キャナルサイドで開催されます。
お酒の世界ならではのドキドキワクワクを、まずは渋谷のサーカス空間から見つけてみてください。