「いろいろな種類のお肉を食べたい」に応えてくれる!

恵比寿駅西口の路地にオープンした「T’s STEAK HOUSE」は、焼肉「トラジ」が手がける、NYスタイルの本格ステーキハウス。超高温のブロイラーオーブンで塊肉を焼く“NYスタイル”と、大きなステーキを最後まで飽きずに楽しませるための独自の工夫を、魅力の二本柱とするお店です。

 

店内はラグジュアリーホテルの内装などを手がけた橋本夕紀夫氏がデザイン。2月21日オープン

 

スワロフスキー風のシャンデリアがきらめくバーカウンター奥のメインダイニングは、広々と開放的で、華やかさもあるNYスタイル。シグネチャーメニューの「カルテット」は、「いろいろな種類を食べてみたい」という日本人のニーズに合わせて考えられた4種類のステーキの盛り合わせです。4種類の内訳は、USDAプライムグレード(※)のハラミとサーロイン(またはヒレ)、黒毛和牛A4ランクのサーロイン、そしてラムチョップ。お肉は高温に耐えられる特殊なお皿に盛り、北海道産バターをかけてお皿ごとブロイラーオーブンに入れて焼き上げるため、テーブルに運ばれる頃には肉汁とバターの絶妙なソースができ上がっています。

※米国農務省の格付けで最高ランク

バターをかけ、超高温のブロイラーオーブンで焼き上げる

 

超高温の上火で一気に焼かれたお肉は、表面はパリッとクリスピーで、ミディアムレアの中心部はジューシー。まず和牛とUSDAプライムビーフのサーロインを食べ比べると、同じ部位でも和牛はふっくらと柔らかく甘みがあるのに対し、USDAプライムビーフは旨味が濃く、噛みごたえもあります。ハラミは比較的さっぱりしていて、ラムチョップは特有の風味が魅力的。USDAプライムグレードのサーロインはドライエイジングさせていますが、それ以外のお肉は敢えて熟成させずに焼いているそうです。理由を店長に尋ねると、「牛肉は熟成させると酵素の働きで肉質が柔らかくなり、アミノ酸が増して水分が抜けるので、旨味と香りが凝縮されます。海外のお肉は熟成させて柔らかくする方がおいしいものも多いですが、和牛はもともと柔らかいですし、脂をおいしく熟成させることができないんですよ。ハラミやラムチョップも、熟成させずにおいしく食べられます」と教えてくれました。

 

「カルテット」は、4種のお肉の味がそれぞれ異なる上に、肉汁とバターソースも絶妙。それだけでも飽きることなく食べ続けることができますが、「トマトソース」や「ペッパーコーンソース」、そして焼肉のタレを隠し味に使用した「赤ワインソース」なども用意されており、さまざまな味の変化を楽しめます。

「カルテット」一皿分のステーキは約700g

 

コースは7品1万円の「EBISU COURSE」から、10品15,000円の「NEW YORK COURSE」まで、3種類。コースで供される前菜の「シーフードプラッター」や、サイドディッシュの「マッシュポテト」「クリームスピナッチ」は、いずれも本場NYのステーキハウスを彷彿させる味わいです。メインとしてコースに組み込まれている「USDA PRIME Tボーンステーキ」は、「カルテット」に変更することも可能。少人数でいろいろな種類を楽しみたい場合は、予約時に「カルテットを希望」と相談してみてはいかがでしょうか。

シーフードプラッター

ワインとデザートにも抜かりなし

ステーキと共に楽しみたいお酒といえば赤ワインですが、「T’s STEAK HOUSE」のワインの品揃えはカリフォルニアワインを中心に約80種以上と大充実。店長はソムリエでもあるため、お肉の部位に合わせたきめ細かなワインペアリング(6,500円〜)を提案してもらえるのも魅力です。たとえばハラミと和牛には「ブエナ・ヴィスタ ピノ・ノワール」、USDAサーロインとラムチョップには「ジョエル・ゴット カヴェルネ・ソーヴィニョン」など、厳選されたワインと共に楽しむステーキは格別です。

ワインとのペアリングで、ステーキをよりおいしく

 

食後に見逃せないのは、デザートの「T’s チーズケーキ」。一見レアチーズケーキのように見えるほどしっとりとしているのは、オーブンで焼く際に、周りにお湯を張っているため。北海道産のクリームチーズに、固まるギリギリの量までたっぷりと高脂肪生クリームを加えて焼いているそうです。

T’s チーズケーキ

 

「少しずつ色々楽しみたい」「味の変化を楽しみたい」という日本人のツボを押さえた「T’s STEAK HOUSE」のコースは、NYと東京のハイブリッドスタイル。デートや家族の記念日はもちろん、接待にも重宝する、恵比寿の貴重な一軒です。

 

※記事内の価格は税・サービス料別

※平日のみ、小学生以下のお子様の入店不可

写真/松園多聞

取材・文/小松めぐみ