幼い頃からモンブランを愛し食べ続けてきた、元『エル・ア・ターブル』編集部のフリーエディター河合知子さん。今まで食べてきたなかから、河合さんの心に残るモンブラン、栗スイーツを紹介した短期集中連載、「モンブランの履歴書」に登場したアイテムをプレイバック。

 


河合知子(かわい・ともこ)
フリーランスエディター/ライター。早稲田大学卒業後、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社。料理雑誌『エル・ア・ターブル』編集部にて、料理、スイーツ、ワイン等の記事を手がける。在職中に「ル・コルドン・ブルー東京校」でフランス料理と菓子を学び、ディプロム取得。2012年に独立し、食に関する記事と書籍の編集・執筆のほか、フードイベントの企画・運営も行っている。編著に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『細山田デザインのまかない帖』(セブン&アイ出版)、『ストックデリで簡単! パン弁』(パルコ)など。

1.洗練された味と見た目に心が弾む

リベルターブル「ドール」|赤坂


販売期間は9月〜3月くらいまで。ドール734円 

 

河合さんが「今の気分」で選んだのは、赤坂にあるリベルターブルの「ドール」。愛知県産の和栗にイチジクと赤スグリのジュレを組み合わせた、すっきりとした甘味が特徴のモンブランだ。

「中には和栗とアーモンドのクリームがねっちりと濃密な味を醸し出して、底部分にはよく焼いてあるサクサクのサブレが。中心に入れられたイチジクと赤スグリのジュレの酸味は、きれいなアクセントになっていて、飽きさせないんです!」と河合さん。

 

さらに、「なだらかな形も、やわらかな印象を受けます」と河合さん。ドール(d’or/フランス語でゴールドの意味)という名の如くハイセンスでゴージャスな見た目は、フォークを入れる瞬間のワクワク感も高めてくれる。売り切れの場合もあるので予約していくのがおすすめ。

 

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〈モンブランの履歴書〉エディター河合知子さん編【Vol.1】

 

 

2. モンブランの新境地を切り開いた愛すべき一品

パティスリィ アサコ イワヤナギ「峠モンブラン」|等々力


通年販売。峠モンブラン550円

 

河合さんが「もっといろいろな素材のモンブランを食べたい!」という気持ちに駆り立てられた30代の矢先に出会ったのが、等々力のパティスリィ アサコ イワヤナギ。通常フランスのモンブランは中心にカシスのコンポートを入れることが多いのに対し、ここの「峠モンブラン」にはなんと黒糖くるみゆべしが! しかもゆべしの中には、アーモンドをキャラメリゼしたものを入れモチっとしたなかに、カリッとした食感も楽しめる工夫がされている。

「全体の調和を崩さず、だけど食感と味のポイントとなっていて、感動します」「ひとつひとつの素材が厳選されていて、バランスよく調和しているんです。強さではなくて優しさやたおやかさを感じさせるモンブランです」と河合さんも絶賛。

 

和栗にフランスの栗ペーストを10%弱混ぜてコクを足し、口当たりが良いのも特徴。和と洋の絶妙なバランス、ペロっと食べられる軽さのあるモンブランをぜひ味わってみて!

 

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〈モンブランの履歴書〉エディター河合知子さん編/Vol.2

 

 

3. 次、次と思わず食べ続けてしまう誘惑の和栗ケーキ

NOAKE「和栗のテリーヌ」|浅草


ハーフサイズ4,320円。フルサイズ8,640円。1cut/617円。10月頭〜3月中旬頃までの販売。

 

河合さんが、「モンブラン」だけにとらわれず「栗スイーツ」という大きい枠から選んだおすすめの一品が、浅草にあるNOAKEの「和栗のテリーヌ」。毎年秋になると必ず食べている栗スイーツだ。パティシエールの田中さんが、九州で虜になった和栗の味が引き立つケーキを、と8年間試行錯誤してでき上がった渾身のケーキ。さらに、栗はその年によって味に変化があるため、毎年、小麦粉、卵、和三盆などを、再検討しているのだそう。河合さんが初めてこのケーキを口にしたとき「あれは私にとって『大事件』でした。和栗なのに、めちゃくちゃ濃厚。口に入れると甘やかな香りが漂い、和栗のおいしさがしっかり広がる、鮮烈な味」と大きな衝撃を受けたという。

 

とても濃厚なのに、次、次と思わずカットして食べ続けてしまう魅惑のケーキ。栗好きのためのこのケーキは3月までしか味わえないので食べ忘れにご注意を!

 

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〈モンブランの履歴書〉エディター河合知子さん編/Vol.3 番外編

 

 

写真:山下みどり