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〈短期集中連載〉紅葉シーズン到来!行楽列車で食べるべき駅弁リスト
Vol.1 北海道・東北編
本格的な紅葉シーズンが到来。今年の紅葉狩りの予定は決まりましたか? のんびり列車に揺られて、美味しい駅弁を食べながら、色づく木々を車窓から眺める贅沢なひと時を過ごしてみたいもの。今回は紅葉が楽しめるエリアを走る列車とともに、食べるべき駅弁を駅弁ライターの望月さんに解説していただきます。
1. 新函館北斗駅「鰊みがき弁当」:函館ならではの大きな数の子と甘露煮の“ニシンの親子丼”!
今からでも間に合う(かもしれない?)北海道の紅葉は、主に道南方面。東京から東北・北海道新幹線で4時間あまり、新函館北斗駅に降り立てば、紅葉の名所・大沼、小沼、駒ヶ岳周辺は、スグそこです。新幹線から特急「スーパー北斗」に乗り換える際に買い求めるのは、「鰊みがき弁当」(980円)。昭和41年発売で半世紀以上の歴史を誇る、函館駅弁「函館みかど」随一のロングセラーです。伝統の「掛け紙」を外せば、太~い数の子と「身欠きにしん」の甘露煮。特に鰊は骨が柔らかくなるまでじっくり煮込んで、一晩寝かせているといいます。
さあ駅弁を食べようと思った頃、車窓には小沼が広がり、運がいいと美しい駒ヶ岳の姿が! 見頃なら、赤・黄・橙に色づいた木々が水面に映えて、駅弁をより美味しくしてくれることでしょう。そのまま「スーパー北斗」で、噴火湾を眺めながら北上して行けば、洞爺湖・登別方面へ。北海道の応援を兼ねて、美しい車窓を楽しみながら、のんびり鉄道旅を楽しんでみては?
2. 弘前駅「津軽めんこい懐石弁当 ひとくちだらけ」:ローカル列車でプチ贅沢な懐石弁当
北東北ではそろそろ市街地が紅葉の見頃を迎える時期。青森・弘前公園は、およそ1,000本の楓、2,600本の桜の木々が色づきます。紅葉の余韻に浸りながら乗りこむ列車は、「リゾートしらかみ」。一度は乗りたいローカル線として高い人気を誇る「五能線」の看板列車です。
「リゾートしらかみ」は津軽富士・岩木山を望みながら、リンゴ畑の中を走り抜けていきます。タイミングがいいと、車内で津軽弁の語り部のお話や津軽三味線の生演奏を聴くこともできます。美しい車窓と津軽らしい音を楽しみながら食べるべきは、五所川原の「つがる惣菜」が製造し、弘前駅で販売されている「津軽めんこい懐石弁当 ひとくちだらけ」(1,350円)。ふたを開けると、青森の24もの食材が「ひとくち」ずつ小分けに。イカメンチ・生姜味噌おでんといった定番から、黒石焼きそば・牛バラ焼きなどのご当地グルメまで、一つの折で「青森の食」をほぼカバー。弘前駅の駅弁でもトップクラスの人気を誇っているそうです。五感で青森を満喫した頃、「リゾートしらかみ」の車窓には日本海。天気のいい日、午後の列車であれば、日本海に沈む夕日が楽しめるかもしれません。紅葉の赤と夕日の赤、ダブルで「赤」を満喫できる、秋の五能線です。
3. 郡山駅「ふくしま路 松茸おべんとう」:見た目も香りも味も秋がたっぷり!
鉄道旅は「季節を楽しむ旅」でもあります。駅弁もまた、その季節しか食べられないものを選べたら、なおよし。会津への玄関口・郡山駅には、「海苔のりべん」や「小原庄助べんとう」など、数々の有名駅弁がありますが、毎年秋の定番といえば、「ふくしま路 松茸おべんとう」(1,050円)。鮮やかな紅葉をイメージした掛け紙を外すと、フワッと松茸の香りが漂います。しめじご飯をメインに、松茸や銀杏、飾り人参が載って、弁当のまわりが秋色に染まります。
秋ならではの駅弁を片手に、郡山から磐越西線へ。列車に揺られて磐梯山や遠くに猪苗代湖を望みながら会津若松を目指します。会津若松からは、第三セクター・会津鉄道直通の列車に乗換えるのがおすすめ。特に週末を中心に会津若松~会津田島間で運行される「お座トロ展望列車」は人気列車。窓のないトロッコ車両は、紅葉を間近に感じることができるかも!?(※乗車には乗車整理券310円が運賃のほかに必要)
いずれにしても、北海道・東北の紅葉は待ったなし! 思い立ったが吉日、まさに盛りを迎えている紅葉を見に、列車で出かけてみてはいかがでしょうか?
※価格は税込
教えてくれたのは
駅弁ライター 望月崇史さん
1975年静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年、およそ4,500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 「1日1駅弁」を基本に、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の執筆を行う。