【噂の新店】「桜坂 活惚れ」

東京で人気を集める居酒屋「活惚れ」が、この夏、福岡・桜坂にオープンした。それが「桜坂 活惚れ」。場所は、飲食店が立ち並ぶ繁華街ではなく、落ち着いた住宅街の一角だ。

東京の店舗には一部紹介制の店もあるが、「桜坂 活惚れ」は誰でも予約可能。「好きなものを少しずつ愉しむ大人の居酒屋」をコンセプトに、旬の食材を使った料理から、長く愛される定番まで、その日の気分に合わせた食事を楽しめる。

好きなものを、好きなだけ。大人のための居酒屋

入り口にかかったチェーンを外して、2階へ。closeの札をめくると現れるインターフォンを押すとスタッフが迎えてくれる

「桜坂 活惚れ」はアラカルトが基本。希望すればコース(13,200円〜)も用意してもらえるが、この店の楽しみ方は、ずらりと並ぶメニューからその日の気分に合わせて好きなものを選ぶことにある。

メニューは、季節の食材を反映。松茸やアラ(クエ)、カニ、スッポンといった食材が並ぶ一方、ハンバーグやコロッケ、さらには赤ウインナーまで、高級食材と馴染みのあるメニュー名が並ぶラインアップもおもしろい。

料理は1人1皿ずつ、小さめのポーションで提供するのも大切なこだわり。これまでさまざまなコース料理を食べ歩いてきた人たちの、「今日はコースほどの量が食べられない」「本当に好きなものだけを味わいたい」という声に応える形だ。メニュー表に価格の記載はなく、客単価は15,000〜20,000円ほど。30代後半〜50代を中心に、繰り返し足を運ぶ客も多いそう。

落ち着いた照明の店内は、調理の様子を間近に見ることができるカウンターキッチンのほか、会食にぴったりな個室も完備

また、料理に合わせた器選びはもちろん、おしぼりを交換するタイミングや、客の利き手に合わせたカトラリーの配置など、心配りは細部にまで行き届く。一度来店した客の好みや苦手な食材も記録し、次回来店時の接客に生かしているという。

「桜坂 活惚れ」の店長・浅田 理久さん

松茸からハンバーグまで。初秋の「活惚れ」を味わう

取材では、初秋の食材を取り入れたものから定番まで、おすすめの5品をいただくことに。

「刺身の盛り合わせ」。日によって内容が変わり、この日はカツオ、シマアジ、ノドグロ、クエ(アラ)、アオリイカ、アジ

スタートは「刺身の盛り合わせ」。長崎のカツオや対馬のノドグロなど、九州近海で取れた旬の魚が6種登場。その日の仕入れによって内容が変わるのも楽しみのひとつだ。

秋のお楽しみは「クエ(アラ)と松茸の土瓶蒸し」

秋らしい一品として登場したのが、「クエと松茸の土瓶蒸し」。蓋を開けると、松茸の香りがふわり。カツオ出汁にクエのうまみが重なり、じんわりと体に染み渡る。季節が進み、冬にはスッポンの小鍋も登場する予定なのだとか。

「白エビとキャビアの冷製ミニパスタ」

続いては、ぐっと趣を変えて「白エビとキャビアの冷製ミニパスタ」。ハマグリの出汁を使ったパスタに、ねっとりと甘い白エビをたっぷり。キャビアの塩気がアクセントとなり、小さな一皿ながら満足感がある。

「デミ煮込みハンバーグ」

そして、ここで登場するのが、東京の店舗でも人気だという定番の「デミ煮込みハンバーグ」。丁寧に仕込んだデミグラスソースの中で、大ぶりのハンバーグがぐつぐつと音を立てながら運ばれてくる。とろりと濃厚なソースをまとったハンバーグは、洋食店を思わせる王道の味わい。松茸やキャビアを使った料理と並んで、こんな馴染みある一皿を選べるのも「活惚れ」の楽しさだ。

「毛ガニチャーハンとアサリ出汁ラーメン」

最後の締めにとすすめられたのは、なんと「毛ガニチャーハンとアサリ出汁ラーメン」! いわば、“活惚れ流の半チャーセット”だ。毛ガニのほぐし身をたっぷり使ったチャーハンは、しつこさがなく軽やか。アサリの出汁をしっかり利かせたラーメンも、うまみがありながら後味はすっきりとしている。

また、料理に合わせるお酒の中でも、特に充実しているのがボトルワイン。産地にとらわれず、その時々のおすすめをそろえており、迷ったときにはソムリエと相談しながら選ぶこともできる。

「今日は何を食べよう」を愉しむ夜に

旬の高級食材から、馴染みある定番メニューまで。その日の気分で食べたいものを選べるのが「桜坂 活惚れ」の楽しさだ。しっかり食事を楽しみたい夜も、「今日はおいしいものを少しずつ」という夜も。気心の知れた誰かと、好きな料理をあれこれ選びながら過ごしたい。

※価格は税込。

文:戸田千文
撮影:濱田陽守