【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#23】「グラブロ」
大阪でスパイスカレーが流行したのは、東京の飲食店と比べて横のつながりが強く、レシピの共有でさえもしてしまうようなノリがあったということがその理由のひとつといえるでしょう。かつての東京の飲食店ではなかなかこうはいかなかったのですが、ここ数年でSNSの普及もあり、カレーのお店同士がつながったり、あるいはSNSを通してカレーを知り、カレーに興味を持つ飲食店が増えたりと、東京のカレー業界の流れも変わってきたように体感しています。
グラブロの外観
そんな中、今回ご紹介するのは月島の路地裏にあるバー「グラブロ」。こちらのマスターはアメリカの日本料理店で何年も働いていたそうで、和食系を中心としながらも様々な料理をいただけるお店。スパイスカレーもあるんです。平日ランチタイムはカレー専門店「グラブロ」として営業、夜は様々なおつまみとカレーもあるバー「蔵武浪」として営業しています。
マスターがカレーと出会ったきっかけは、代々木公園の人気店「スパイスポスト」。こちらの御主人と同級生で、お互いに今のお店を始める前からの仲だったそうですが、スパイスポストのカレーを食べて衝撃を受けたとのこと。出汁や旨味という概念がほとんどなく、スパイスの合わせ方と具材の相性などで味が決まるカレーは、今までの料理経験からすると有りえないことで、だからこそ面白くて興味を持ち、まずはスパイスポストでカレーを習ったんだとか。
「チキンとキーマのあいがけ」1,250円
ランチタイムはスパイスポスト系の「チキンカレー」850円と「キーマカレー」950円がいただけて美味しいのですが、こちらの真骨頂は夜のスペシャル。
「鰆と夏野菜のカレー」
お任せで今日あるおすすめの具材をカレーにしてくださいと頼むと、色々とやってくれるんです。例えば今週いただいたのは、「鰆と夏野菜のカレー」(時価)。鰆の味わいがこちらのカレーと相性も良く、野菜もバランス良くてカラフルで目にも舌にも美味しいです。基本的には優しい味なのですが、スパイスビネガーを軽くかけると味の輪郭が際立って美味しさと深みが増します。
「れんこんはさみ揚げ」700円
このように、別ジャンルの料理人がカレーの面白さに気づいて始めるという流れは、カレーのさらなる進化を感じられてカレー好きとしては楽しくてなりません。特に、スパイスカレーといえば東京でも主に西側に多く存在する中、月島という東京の東側の下町でこれが味わえるのは最高です。
もんじゃも良いでしょう。焼肉も良いでしょう。しかし、カレーだって最高に良いんですよ\(^o^)/
※平日ランチタイムはカレー専門店「グラブロ」として営業、夜はカレーもあるバー「蔵武浪」として営業しています。
※価格は税抜き。
取材・文:カレーおじさん \(^o^)/