パンシェルジュ検定2級の腕前を生かし、「パン芸人」とも呼ばれる吉田結衣さん。お手製パンを芸人仲間に配り、メディアでの露出が増えた現在も、パン屋でのバイトを続けるほどパンに魅了されているという、芸人界屈指のパンマニアである彼女が通うパン屋なら、必ずや美味しいパンに出合えるはず!ということで、注目すべきパン屋10店を厳選していただきました。

大阪には実は、日本で初めて明太フランスを作った職人さんの店もあるんです。

吉田結衣(よしだ ゆい) お笑い芸人。パンシェルジュ検定2級保有。日本テレビ「あのニュースで得する人損する人」で“通称・バタコやん”として出演し、家庭で簡単に作れるパンのレシピを紹介するなど、パンの知識・調理の特技を活かしてTV・ラジオ等で活躍中。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。

 

 

―― パンを好きになったきっかけは何ですか?

 

吉田 高校生の時にパン屋でバイトをしたのがきっかけですね。販売以外にも手伝わせてもらうことが多かったんで「パンって奥深いんやぁ。」ってことを知って、食べるのはもちろん、作ることにも興味を持つようになりました。

例えばフランスパンの切り目って「クープ」って名前なんですけど、クープの入れ方とか数だけでも味が変わるくらい繊細なんです。そんな色々な種類のパンを作れる職人さんはすごいなぁって。

 

―― パン屋を開きたいという願望は?

 

吉田 将来的にパン屋を開きたいっていうのは、しょっちゅう言ってますね。ショーレースがあるごとに賞金取ったら「絶対パン屋を開きたい!」って言うてるんですけど、なかなか優勝しないんです(笑)。夢はありますね。

 

―― 粉もんの街・大阪のパン屋の特徴は?

 

吉田 個人的にもっちりした食感が好みなのでそういったパン屋を選びがちというのもありますが、生地にこだわって作っているお店が多いかもしれないですね。実は日本で初めて明太フランスを作っためっちゃ有名な職人さんがやってはるお店もあるんです

 

やはり粉もんの街・大阪はパンの宝庫の予感……。高まる期待を胸に、注目の10選をご覧ください。

パン芸人・吉田さんの関西で注目のパン屋10(※五十音順)

平日朝7時からイートイン可&食パンの種類が豊富!

1.アールベイカー インスパイアード バイ コート ロザリアン

吉田 食パンの種類がすごく多いんです。種類もチーズ、メープル、紫芋とか珍しい物が何回来てもあるので、楽しいなぁっていうのが魅力ですね。食パンの生地も個人的にすごい好みで、むっちりしたかみ応えもありつつ、溶けていくような甘さがあって。あとはオープンが早いので、仕事の前にも寄れるし、イートインもあるので便利です。

 

食材~気配りまで京都らしさを堪能できる駅チカ店

2.オレノ パン オクムラ 祇園店

吉田 「祇園おくむら」という京都で有名なレストランが出したパン屋さんです。抹茶、柚子など京都らしい食材を使ったパンもありつつ、クロワッサンなど定番のパンもあります。一つ一つが優しい味わいで、ゆっくりお茶しながら食べたくなるメニューが多いです。食パンも1枚から買えたり、ひとり暮らしの方でも気軽に買って帰れるような良心的な接客や配慮も京都らしいですよね。

                            出典:kinako-ankoさん

 素材の良さを大事にした繊細なハード系パンが集結

3. ハツタツ

吉田 ハード系に特化したパンがそろっています。玉ネギ、ジャガイモとか、パンの具材として使うには珍しい物があるので選ぶのが楽しいのと、生地のことを考えて組み合わせを作っているので、生地のうま味を優先しつつ具材の甘みや食感を足されているような、職人の味って感じがしますね。ハード系は繊細でパンの中でも一番難しいといわれているので、あんなに色々な種類を作るのはすごいなぁって思います。

                             出典:アルボスさん

ベーグル職人による正真正銘のベーグル専門店

4. ハッピーキャンパーベーグル

吉田 元々、大阪の有名なパン屋さんでベーグル専門でやってはった職人さんが独立して作ったベーグル専門店なんです。ベーグルを知り尽くしてるからこその味やなって感じで、外はパリッと中はもっちり。中に入れる具もすごいたっぷり入ってるんですけど、生地とのバランスも考えられてるし、ベリーだったり黒豆とか黒ごまとか和風の食材を使った物もあったり、生地自体は同じはずなのに色々違う顔があって、2個も3個も食べちゃいますね。


友達に教えたくなる明太フランスの日本聖地

5.パトリエ フクモリ

吉田 店主の福盛さんは日本で初めて明太フランスを作った方で、Wikipediaでフランスパンを調べると名前が出てくるほどめっちゃ有名な方。焼いたはずなのに明太子がみずみずしいんです。餅粉じゃなくて、炊き上げた餅を練り込んだ食パンもあったり。湯種パンを考えられたのもこの方らしいのですが、ご本人は「もう古い。」って言って止めたらしいです(笑)。他県から遊びに来た友達に「パン屋さん連れてって。」って言われたら連れて行くところですね。日本一の明太フランス食べなさいって(笑)。

                              出典:デセールさん

お洒落な店内と絵画のようなパンの名前に思わずワクワク

6.パリアッシュ

吉田 女の人がお店に入ったときにパッと見てテンションが上がるようなキラキラした感じで、「空へ」っていう絵画に付けるような名前のパンがあったりしてお洒落なんです。かと思えば、お塩と海苔と鰹とみたいな和の食材を使った面白いパンもあったり、カシスを練り込んだ生地にオレンジとナッツを入れた変わった組み合わせのパンもあったり、素材にもこだわってはるんです。

                             出典:もぉにゃんさん

とにかく、蒸し栗バターを食べるべし!

7.パンタイム

吉田 先輩のハイヒール・モモコさんに「蒸し栗バターがとにかく美味しいから食べてみて!」って言われて食べてみたら、蒸した栗がブワッとたっぷり入っていてめっちゃ美味しくて。厚切りのバターが挟んであるんですけど、家に持って帰ってバターをいったん取り出して、パンを温めてから中にバターを戻して食べるっていうのが美味しいんです! この蒸し栗バターでファンになりましたね。

                              出典:かんみ♪さん

原価度外視!? ひと口食べれば納得の熟練の味

8.ブルンネン

吉田 “地元のパン屋さん”ていう店構えで、中にチョコとか入れるときも量らずに目分量でバーンて入れてて、原価度外視みたいな作り方なんですけど、生地がとにかく美味しくて、初めて食べたときはびっくりしました。甘みもあるけど塩気もあって、食感がもちもちで、テキトーに作ってるように見えて鍛錬された職人の勘なのかなぁていう。気取ってない良さもあります。ずっと続けてほしいです。

                            出典:デセールさん

新作パンが豊富&リーズナブル=通いたくなる

9.ペサ

吉田 全体的にリーズナブルなお値段なので通いやすいし、パンの種類も多いです。新作パンがコンスタントに出るから、また行かなアカンて感じでしょっちゅう行きますね。1階がパン屋さんなんですけど、2階では洋服とかも売っていて、パッと見雑貨店にしか見えない感じで店構えもかわいいんです。

                              出典:かなっぽさん

10.ラ・フルネ

季節素材&デザートパンはお土産にも◎

吉田 季節の旬素材を使ったパンが多くて、種類も豊富です。タルトやケーキもあってそれも人気なんですけど、「ピスタチオとチェリーのくるくる」とか、カラフルなフルーツやナッツを使ったデザート風のパンもたくさんあって、迷ってしまいます。フルーツを使ったパンが多いから色も鮮やかで見た目も可愛らしいし、お土産にもおすすめです。

女性の心をくすぐるデザート系から大口を開けてかぶり付きたいハード系まで網羅したさすがの10選に、すっかりおなかはパンモードの読者さんも多いのでは? そんな熱きパンへの思いを胸に、関西在住の方はもちろん、近日関西に行く予定のある方は是非立ち寄ってその味を確かめてみてください。

そして、将来お笑いコンテストの賞金で開かれるであろう吉田さんのパン屋さんも楽しみに待ちたいですね。

 

撮影:荻島 稔

撮影協力:R Baker Inspired by court rosarian