僕のスペシャリテ!!! お店のアイコンにもなる独創的なモンブラン

「モンブラン」778円

常時20種類ある洋菓子の中で一番におすすめするのは「モンブラン」778円! クルミのスポンジにクレームシャンティーとブラックベリーとカシスのムース、そして洋栗を使った濃厚なマロンクリームを絞った、他に類を見ない独創的なモンブランです。トップには秋の枯れ木をイメージしたスティック状のメレンゲをのせています。

なかなか珍しい構成のモンブラン

なんと木村シェフ、芋・栗・かぼちゃのもそもそした食感が大の苦手といいます。そんな栗嫌いのシェフが突き詰めて作ったモンブランって面白いのでは?という発想から誕生したのだそう。
ひとくち食べてみると、栗の濃厚な甘さとカシスの爽やかな風味が口いっぱいに広がります。しかもマロンクリームは洋栗をしっかり濾しているため、とってもなめらか。クルミやカシスを入れることで栗のもそもそ感が紛れ、従来のモンブランよりも食べやすくなっています。

コーヒー風味のメレンゲ

いわゆる「モンブラン」よりも、これでもか!というくらい栗を濾しているということもあり栗感は強くはないのですが、これが栗嫌いのシェフが作るモンブランであり、強めの栗感が苦手な人にもおすすめしたいモンブランなのです! さらに上に飾り付けられたスティック状のメレンゲがコーヒー風味でまた魅力的。味も見た目も独創的な、いつもと違うモンブランをぜひ味わってみてください。

サクサク感がクセになる! シェフのおすすめ「ミルフォイユ」

「ミルフォイユ」778円

自家製のムースリーヌをサクサクのパイ生地でサンドした、シェフのおすすめケーキ。パイ生地の表面を砂糖でキャラメリゼし、ほろ苦さと香ばしさをプラスしています。

パイ生地の間にはムースリーヌがたっぷり

通常パイは生地でバターを包みますが、同店ではバターで生地を包んでいく「逆折り込みパイ生地(フィユタージュ・アンヴェルセ)」という製法で作っています。密度がギュッと詰まったパイ生地は、フォークを入れてもなかなか切れないしっかりとした硬さ。対照的にサンドしたムースリーヌは、濃厚でまったりとした口当たりです。焼き込まれたパイ生地のサクサク感とムースリーヌのコクがともに絶品で、完成度の高さに驚きます。味と食感の複雑な多重奏は、一度食べたらクセになること間違いなしです。

お店で焼き上げるパンや種類豊富な焼き菓子にも注目

窓際には焼きたてのパンが並ぶ

同店では自家製のパンも販売しています。バターたっぷりの「クロワッサン」346円やチョコレートを使った「パン・オ・ショコラ」410円など、どれもおいしそうなものばかり。中でも秋冬限定、甘さがクセになる「クイニー・アマン」605円は、早い時間に売り切れる大人気商品。電話での取り置きが可能なので、確実に食べたい人は事前予約がおすすめです。

焼き菓子は1個216円~。詰め合わせも用意

アンティーク調の棚には、個包装された焼き菓子が横一列にズラリ。上部には詰め合わせBOXもあるので手土産やギフトに最適です。どれを選んだらいいか迷ったら、近くのスタッフに相談するのがおすすめですよ。

商店街と一緒に長く歩めるお店に

店名と同じく穏やかな人柄の木村シェフ

「パティスリーは労働環境などの問題もあり、働き方がすごく難しいのが現状です。なので、決められた時間内でできるだけいろんなことを伝えていきたいと考えています。うちは少数精鋭でやっているので、他のお店よりは時間をやりくりしやすいと思うんです。その中で独立したい子たちの力にもなれればいいですね。そして地域に愛されるお店をこれからもスタッフと一緒に作っていきたいです」。最後にそう話してくれた木村シェフ。

自分の感覚を信じてオンリーワンのお菓子を作る「パティスリー トレカルム」。今後も注目していきたいお店です。

※価格はすべて税込

文:はなとも、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ