『孤独のグルメ』にも登場した、天然かき氷の草分け的存在のレジェンド店

さて、最後にお店のことについて……こちらのお店は、1937年頃に現在の社長のお父様が町屋で創業。その後、戦争で大宮に疎開。縁あって、1947年より現在の場所で開業。「だるまや餅菓子店」の店名のとおり、餅にあんこをからめた「あんころ餅」が主力商品であったという。

かき氷も開業当時から提供。まだ家にクーラーが普及していない時代、夏場は夜遅くまでかき氷を食べにくる客が絶えず明け方まで営業し、店を閉じようとしたら豆腐屋が店を開け始めたということもしばしばあったという。

全国から厳選した抹茶を使用

天然氷を使用するようになったのは2006年からで、“天然氷を使ったかき氷”の草分け的存在のお店だ。現在の社長の息子さんにあたる3代目が、用いる素材を徹底し、旬のフルーツを使ったかき氷などを考案。特に抹茶については、全国を回り厳選。茶師十段と呼ばれる専門家の扱う抹茶を取り寄せて、かき氷に使用。お店に「抹茶かき氷」のメニューが豊富なのはそのためだ。

こちらのお店は、テレビにも何度も登場している。有名なところでは『孤独のグルメ season2』の第10話。五郎が食べたのは「自家製かき氷(くり)」。すりおろした「くり」に、和三盆を合わせたもので、季節の限定品だ。

風情のある店内

店内は、昔ながらの甘味処といった風情。全部で4人掛けのテーブルが7卓あるが、稼働しているのは、4人掛けテーブルが5卓と2人掛けが1卓。営業時間は、一応11時から18時まで(日により異なる)。夏場は餅菓子、だんご、赤飯などは、お休み。

そして最後に非常に残念なお知らせが……。実は、こちらのお店、来年2025年3月をもって閉店することが決まっている。3代目のご子息が京都でお店を開かれたことに加え、現在の店舗が老朽化したためだという。天然氷のかき氷は、最後まで提供されるそうなので、是非、今のうちに!!

※価格はすべて税込

京都にある、3代目のお店はこちら↓

撮影:外山温子

文:猫井登、食べログマガジン編集部