〈これが推し麺!〉

ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。

今回訪れたのは、食べロググルメ著名人・門上武司さんが教えてくれた大阪・堺筋本町の「峰のうどん」。関西でも今年になって福岡うどんチェーンの開店が続く中、昨秋にオープンした福岡うどん専門店の「和牛肉ごぼう天うどん」を紹介する。

教えてくれる人

門上武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

大阪ではレアな福岡うどん専門店

ビジネスビルが多く立ち並ぶ大阪・堺筋本町。そこに2023年9月にオープンしたのは、福岡うどん専門店「峰のうどん」だ。店内は壁に沿ったカウンター席と、中央には温もりある木を使った大テーブルが。花も生けられており、うどん屋らしからぬモダンな雰囲気だ。

ビジネス街のビルの1階
木を多用したモダンな店内

オーナーは奥尾峰英さん。福岡・小倉の出身で、「福岡の食を大阪にも広めたい」と、大阪市内で、牛タンやもつ鍋、野菜巻き串などの店を3店舗展開する。「福岡では、実はうどんのほうが食べられているのにラーメンのイメージが強く、特に大阪に来て20年、ごぼう天ののった福岡うどんに出会えることはほぼなかったです」と話す。なんとか大阪で福岡うどんの店をオープンさせたいという思いが募り、念願の開店の運びとなった。

店名の峰はオーナーの名前から

うどんは「ふわふわの食感で、出汁を吸って丼の中でどんどんおいしくなっていく」麺を福岡の製麺所にオーダーし、毎朝届けてもらっている。おいしさの肝、“すめ”と呼ばれるかけつゆの出汁は、北海道産の昆布と、5種類の節を使用し、醤油で調味。福岡でもなじみの「朝うどん」を提供しているので、開店時間7時に合わせて、「朝5時半から出汁をとっています!」と店長の山口努さんは笑う。

店を取り仕切る店長の山口さん
 

門上さん

まずはネットで発見し、うどんのビジュアルが気になっていたところ、知り合いが働き始めたので、店を訪れました。インパクトのある麺だという印象で、これはウケるなと思いました。