美食の国、ペルー 豊富な食材と多様な食文化によって生まれた料理とは?

ペルーを代表する料理のひとつが、インカ帝国時代以前から作られてきたという歴史がある「セビーチェ」。ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、ペルー料理を語る上で外せない伝統料理だ。

セビーチェ ミクスト 3,300円

お店のイチオシは「セビーチェ ミクスト」。海老、真鯛、イカ、タコ、帆立など種類豊富なシーフードをミックスした、味も見た目も豪華で食べ応えあり。テーブルがぐっと華やぎ、デートなどにもおすすめの逸品だ。

セビーチェ デ  ペスカド 2,400円

そして、川井さんおすすめ「セビーチェ デ  ペスカド」は、真鯛をライム、パクチー、アヒリモ(ペルーの唐辛子)でマリネ。ペルーで“虎のミルク”と呼ばれている「レチェ・デ・ティグレ」の酸味が、さっぱりとした味わいにまとめている。ちなみに「レチェ・デ・ティグレ」は、魚の出汁やニンニク、生姜などがベースのソースで滋養強壮に良いとされ、現地では二日酔いのときに飲むペルー人も多いのだとか。

 

川井さん

鯛、現地のとうもろこし、揚げたとうもろこし(カンチータ)とレモン汁を加えた酸味爽やかなマリネ。食感も絶妙なコンビネーション。

イカのフリットに“虎のミルク”を合わせてさっぱりと。現地人にもおなじみの、ぜひ真似したい通な食べ方
 

川井さん

このセビーチェの汁に別メニューの「チチャロン デ カラマル(キャッサバ粉をまぶしたイカのフリット)」をつけて食べると、まるで現地の人のような食べ方。おいしくておすすめ。

チチャロン デ カラマル 1,500円

「チチャロン デ カラマル」はいわゆるイカのフリットなのだが、ペルー人の手に掛かるとひと味変わる。衣にはキャッサバ粉(タピオカの原料であるキャッサバの粉)を使用し、ザクッと軽い食感に。イカにはアヒアマリージョ(黄色い唐辛子)とマスタードなどで下味をつけて、味わいにアクセントを添えている。トマトの角切りとペルーの黄色い唐辛子アヒリモとライムを混ぜたチャラキタソース、はたまた自家製タルタルソースにディップしながら、ペルー独特の風味を堪能したい。

ユカス フリタス 1,000円

ペルーのローカル気分を味わえるのが、「ユカス フリタス」(キャッサバのフリット)。先ほど衣の粉として登場したタピオカの原料「キャッサバ」は栄養価が高く、ペルーでは健康芋としてよく食べられているそう。

実際食してみると、さつまいもとジャガイモの中間のようなホクホク感と繊維っぽい食感が特徴的。アンデスのハーブ「ワカタイ」とアヒアマリージョを合わせたピリ辛ソースと抜群の相性で、このひと皿でビールがグビグビと進んでしまう。

じゃがいもとさつまいもを掛け合わせたような食感と味わいで、日本人の口によく合う!
 

川井さん

タピオカの原料でもあるキャッサバのフリットは、外側カリッと中は軟らかに揚げられておつまみに最適。

ロモ サルタード 3,300円

メインの肉料理にもペルーらしさが満載。現地の食堂や家庭でも親しまれている「ロモ サルタード」は、ロモ=牛のヒレ肉、サルタード=炒める、という意味でごろりと入った野菜と肉をソテーした料理。ペルーに移住した中国人から伝わった料理で、味付けに醤油やビネガーを使用しているため舌なじみがよくとても日本人好み。一辺倒の味付けに終始しない、多様な食文化が混在するペルー料理の奥深さをしみじみと体感できる。

酸味のある醤油ソースが染み入ったトマト、赤玉ねぎ、ポテトも美味
 

川井さん

肉は軟らか、ソースは醤油とバルサミコ的な味で甘酸っぱく美味。中に入っている赤玉ねぎが絶妙なアクセントになっています。

ピスコサワー 1,600円
 

川井さん

せひ飲んでいただきたいのが「ピスコサワー」。ペルー料理には欠かせずピッタリ料理と合うアルコールドリンクです。「ピスコ」の度数は42度と高めですが、このカクテルは爽やかで飲みやすい。

爽やかなぶどうの香りとクセのないピスコに、ライム、シュガーシロップ、卵白を合わせたカクテル。唐辛子やハーブを多用するペルー料理に寄り添う