今日から使えるギョーザプランニング

Vol.3 もしも、やり手起業家に「内緒話ができる美味しい餃子屋教えて!」と言われたら?

ギョーザダイエットなるものを試したことをきっかけに、餃子の魅力にとりつかれ、気づいたら463日(3月2日時点)餃子を毎日欠かさず食べています。

餃子の魅力は美味しくて楽しいこと。ひとりで食べても美味しいけれど、誰かと食べるとさらに美味しい。そんなわけで、餃子を一緒に囲みたい人に向けて、日夜“ギョーザプランニング”をしています。

この記事では、そんな私の日常の“ギョーザプランニング”をお届けすることで、「今日このギョーザ食べに行ってみようかな!」と思っていただけたらとの思いで書く、全編妄想の記事です。

 

まずは“ギョーザプランニング”の3ステップを再度確認させてください。大切なのはこの順番通りに1つずつ考えること。まずは深呼吸をして相手がどんな人か、どんな気持ちで相談してきたのか?を考えることから始めることにしましょう。

 

今回は、やり手経営者に「内緒話ができる美味しい餃子を紹介して!」と急に言われたら?です。

仕事をしていると突然Facebookで「久しぶり、元気?」とメッセージが。誰かと思えば前職でお世話になったやり手営業マンだった先輩。今は自分の会社を起業して、やり手振りを遺憾無く発揮しているらしい。今回はヘッドハンティングしようとしている男性を自社に口説き落とすための会食とのこと。同業の先輩というだけで責任重大なのに、そんな大事な場面のご依頼は…。これはギョーザプランニングにも緊張感が走ります。改めてお伝えしますが、この記事は全編妄想記事です。

さあ妄想スタートします!

今回、依頼に当たって具体的なオリエンがありましたのでまずはシートをご覧ください。

さすがは“やり手経営者”目的と指示が明確です。予算が青天井っていうことからも、「手に入れたいものには妥協をしない」というやり手ぶりがうかがえます。

オリエンが明確だから、プランニングは簡単!と油断してはいけません。オリエンを鵜呑みにするのではなく、あくまでもターゲットの気持ちになり考えることから始める。これがギョーザプランニングです。今回は依頼主の“やり手経営者”だけでなく、ヘッドハンティングされる側の気持ちも重要。二人のインサイトを明確にした上で最適な場を提供しなければ。

2人に共通しているインサイトは「1対1で本音を話したい」ということ。

ただ、だからと言って個室となると採用される側が気負ってしまい本音で語れない可能性がある。

今回、“やり手経営者”はそれを察して、料亭でもなくお寿司屋でもなく、“餃子”という肩肘張らないメニューを選び依頼してきてくれたに違いない。そのオリエンには見えない意図を読み取り、さらにその期待を超えなくては今回のプレゼンに成功はない。「1対1」「リラックス」「同じ方向を向く」、全てを満たした提案に。

この日を境に2人は共に働くかもしれない。当日はお互いに譲れない想いを全て、余すところなく語り合って欲しい。だからこそ同じ方向を向き、様々な餃子を食べながら、包み隠さずにお互いの全部をぶつけ合う時間にして欲しい。結果として、お互いが人として魅力を感じてくれたら素敵なことだなと。

 

 

そこで今回プレゼンに自信を持って選んだのが、中野の“手延べ餃子BAR Wing Village”さん。

中野駅から徒歩5分程度、外観内観共にBARそのもの。個室ではないですが、落ち着いた雰囲気の空間と同じ方向を向きながら語らい合う、“オトナの男”の喋り場としてのBARの役割をこのお店は果たしてくれます。中でも左側の席がより2人の距離を近づけてくれるので、席指定で予約して欲しい。

料理専門学校時代、そしてTVや雑誌などあらゆるメディアの裏側で、多種多様な料理を作り続けてきた実績を持つ加藤達也料理長がもてなしてくれます。

肩肘張らないための餃子ではありますが、人生の大きな決断になるかもしれないこの会合。砕け過ぎて真剣な話ができなかったりしては本末転倒。餃子だけでなく、豊富なメニューを余すところなく1品ずつ堪能してもらうため、今回は餃子フルコースを選択。(※コースは前日までの予約で¥3,500から。内容要相談)

 

バリエーション豊富な餃子もベースは共通。自称“日本一作るのがめんどくさい餃子”というだけあって、手間がかかっている。まずは皮。ツルッとしたなめらかさを出すために加水率をml単位で調整し、季節によって分量を変化させる。さらには小麦の風味をより引き立たせるためにと打ち粉を一切使わないのもポイント。1日寝かせることでさらに弾力がついて皮が完成。

続いては餡。BARスタイルなのでお酒に合う「サッパリとジューシーな餃子」を目指し、ニンニクやラードを使わず昆布と鰹節の出汁を練りこんでいます。かつジューシーさを感じてもらうためにお肉も野菜も包丁で全て大きめにカット、さらには豚トロを加えることで食感を楽しむことができます。モチモチの皮にたっぷり餡を詰め込んだら、ぷっくりまんまるの餃子が完成。

 

餃子をいただく前にまるで本格中華のコースのように、前菜盛り合わせやピータン豆腐のムース、鴨のロゼ仕上げ、よだれ鶏と、世界各国のあらゆる調理法が駆使されたメニューが次から次へと運ばれてきます。丁寧に作り込まれた料理たちはどれも絶品で、加藤料理長の溢れる料理への愛が伝わってきます。

「なんで採用の話をする日に餃子なの?」と思っていたかもしれないスカウトされる側の彼も、フルコースを味わっていく中で、「もしかしてこのお店って本当に心を許した人にしか教えない“やり手の起業家”さんの隠れ家的スポットなのでは?」と自分との時間を丁寧に感じていることに気がついてくれることでしょう。そうそう、よだれ鶏のタレは食べ終わってもとっておいてください。

さてお待ちかねの餃子です。裏メニューを含めて常時5種以上があるので、全種類制覇は一度ではなかなか困難です。しかし! コースを注文すれば全種類の餃子が1包ずつ食べることができるのです! これは嬉しい!(お腹の都合に合わせて餃子の種類は相談可能)

定番の“焼餃子”はもちろん、「皮を一番味わうことができる」とオススメの“水餃子”。

トマトソースとチーズが入ったまるでイタリアンな“マルゲリータ餃子”、さらには“エビアボ餃子””“コンポタ餃子”、冬季限定の”“ラザーニャ餃子”とどれも餃子として、そして料理として完成されたメニューばかり。一つ一つのメニューに明確なコンセプトを感じます。

 

最後に先ほど残しておいた“よだれ鶏のタレ”を焼餃子か水餃子にかけて食べてみてください。完成された味同士のぶつかり合いが、新たな価値観を生み出してくれます。

加藤料理長に、なんで色んな料理を経験されて“餃子”なんですか?と質問すると、「人として好きだった先輩が中華の料理人だったことと、何より自分も点心が好きだったことですね」と照れ笑いしながら教えてくれました。

餃子フルコースを堪能して、今回の二人もこんな風にお互いの魅力に惹かれ合ってくれたら素敵だなと思います。

ヘッドハンティングなどでなく、気軽に「誰かと餃子コースを食べながら、語り合いたいな」などと思ってくれたら今回のプレゼンは成功です。

僕も餃子が食べたくなったので、今日も誰かを誘って餃子を囲みたいと思います。