【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#70】「ピラミッド」
様々な国のカレーを食べることができ、独創的なカレーもあり、毎日カレーを食べてもまだまだ食べたいカレーがあり、しかもそのレベルが高い街・東京。世界的に見てもここまで多種多様なカレーに恵まれた街はなかなか無いと感じているのですが、その東京の中においても特に個性的なカレーを今週はご紹介しましょう。ドイツビールを使ったカレーを出すお店。築地から今年の春に八丁堀へ移転した「ピラミッド」です。僕はここのカレーを食べるといつも「唯一無二」という言葉が頭に浮かびます。
昼はカレー、夜はカレー以外にもドイツ料理を中心とした様々な料理をいただけます。まずは前菜盛り合わせを。通常1,300円なのですが「おひとりさま用の小さいサイズですと3割引になりますがいかがですか?」と。一人だったので小さめでお願いしました。
しかし出てきた前菜盛り合わせ、決して小さくないのです。ザワークラウトやタコのペペロンチーニ、レバーペーストなど6種類も色々とのって910円はお得すぎます。夜に行ったら確実に楽しみたいメニューですね。
そしてカレー。「国産無塩せきソーセージのカレー」1,250円に「キーマカレーハーフ」50円と「目玉焼」150円をトッピング、ご飯は半分でお願いしました。
キーマカレーハーフと言ってもあいがけというわけでは無く、ベースのオリジナルカレーに激辛キーマが半分混ざるという形も個性的。ベースのカレーはドイツビールを使用し、ほろ苦さがおいしさにつながった独特のカレーであり、生クリームをたっぷりと使っているのも面白いです。これだけでももちろんおいしいのですが、激辛なキーマが混ざることによってオリジナルカレー自体の味の輪郭がはっきりとして、おいしさが跳ね上がります。
キーマはハーフでも激辛の範疇。辛いのが苦手な方は4分の1くらいから始めると良いかもしれません。それでも心配な方は自家製ラッシーもおすすめ。今回は「アップルラッシー」600円にしましたが爽やかで自然な甘味が料理にも合います。
キーマの辛さをやわらげる目玉焼と、その下に隠れているマッシュポテトがまた良い脇役。ソーセージもドイツ料理のお店だけあってクオリティが高く、このカレーとの相性も完璧。ランチタイムは夜よりお得な価格になるので、カレーだけ楽しみたい方はランチでも良いかもしれませんが、それだけではもったいないくらいに色々なものがおいしく、幅広い楽しさがあるお店です。
食べてまた「唯一無二」という言葉が浮かびました。こちらのシェフはドイツ料理やイタリア料理など西洋料理の修業を積んだ方なのですが、シェフにお話を聞いてみると「西洋料理は色々と学んできましたが、カレー作りの修業経験は無いんです。カレーの食べ歩きもしたんですが、参考にするのではなく真似しないよう排除する努力をしていました」と語ってくれて、腑に落ちました。だからこその唯一無二なのだと。他にない味でありながら、これは何かと問われれば「カレー」としか答えられないような絶妙の仕上がり。素晴らしい!
築地の店舗は老朽化した為に八丁堀へ移転したピラミッド。店舗も広く綺麗になり、地下にあった以前よりも入りやすい明るい雰囲気となりました。ドイツにはカリーブルストという料理があるくらいにカレーが食文化と融合している国ですが、ピラミッドのカレーはドイツには無く、八丁堀じゃないと食べることができません。
そもそもドイツ料理なのに何故ピラミッドなのか? それもシェフに聞いてみるとなるほどと納得できる答えだったのですが、それは是非こちらに通ってシェフと仲良くなってから実際に聞いてみてください。謎があったほうが楽しいですし、通い甲斐のあるお店ですから。
※価格はすべて税込