【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#69】「スパイスゲート」
京都・烏丸に、以前の連載で紹介したビリヤニ専門店「インディアゲート」というお店があります。東京の催事で出店した際にはその催事の売上記録を更新し、連日大行列で話題となった人気店です。そのインディアゲートが、2022年5月、京都河原町駅近くに「スパイスゲート」という姉妹店をスタートさせました。
こちらはビリヤニではなくカレーのお店であり、スパイスやハーブも購入できるスパイスショップでもあります。何故こういうお店を開いたのかマスターに聞いてみると「インディアゲートでお客さんからスパイスについて質問されることも増えてきまして、これは何のスパイスなのか聞かれて答えることはできても手に入りにくいものだったりすることが多かったんです。まだ京都はスパイスが東京や大阪に比べると手に入りにくい。なら自分でスパイスのお店をやってみようかなと思ったのが一つ。それと、朝にカレーを食べられるお店があったら良いなと思っていたので、ならばそれも一緒にやってみようということでこのような形になりました」と語ってくれました。
こちらのお店は2022年7月現在、朝と昼の営業なのです。そして朝カレーにこだわっているだけあって、朝と昼でメニューが変わります。昼は通常のカレー。と言ってもご飯がお茶と一緒に炊いたプラオ的なものだったりするあたりがビリヤニ専門店の姉妹店ということを感じさせて楽しいです。
いくつかあるカレーメニューの中から「京都京北産の鹿モモカツカレー」1,800円をいただきました。鹿のカツはみずみずしく力強いおいしさ。鹿はクセも少なく食べやすいのですが、程よい火入れで肉自体の味を堪能できる仕上がり。ラズベリーソースもかかっていてフルーティです。
カレーもシンプルにカツを楽しむための引き算的スパイスカレー。副菜も彩りよく、合わせて食べると食感に変化が出て楽しいです。鹿肉は京北産、お茶は祇園のお店の煎茶を使用しているということで地元を少しでも盛り上げようという意志も感じられて素晴らしいですね。
食後に「チャイチーズケーキ」600円と「コールドブリューコーヒー」300円もいただきました。ランチとのセットだとドリンクとケーキのセットで700円となってお得です。スイーツはこちらのお店のスタッフにパティシエがいるということで、その方のお手製。濃厚なチャイの風味に、土台に隠し味的に使われたブラックペッパーがとても良いです。
大満足だったのですが、マスターが「本当は朝のカレーを食べてほしかったのでまた是非いらしてください」と。ならば行きましょう! 翌日の朝に早速行ってきました。
朝は京風スパイス朝定食と銘打った2種類のメニュー。「鶏キーマと魚介出汁のカレー」1,200円は、ドライな鶏ひき肉のキーマに様々な副菜が薬味のよう。あおさのりも添えられ、魚介出汁のスープ状のカレーをかけて食べればまるでお茶漬けのような感覚です。ご飯にお茶も入っているのでお茶漬け感がさらに強まります。
もう一つの朝メニューである「サバとみょうがの冷やし出汁カレー」1,300円は非常にさっぱりとしつつも鯖のうま味がしっかりと出た冷やしカレー。これも実においしくてスルスルと胃の中に入ってきます。
どちらも食べている時の感覚としては和食なんです。しかし食べ終わった後の満足感は完全にカレー。スパイスの力によって身体が活性化するような気持ちにもなり、最高の朝食です。これは京都のみならず、朝カレーとしては全国的に見ても非常に理想的なものなのではないでしょうか。
お土産にスパイスとハーブも購入。スパイス、ハーブ、豆などを合わせると全部で100種類くらいあるという品揃え。なかなか手に入りにくいスパイスもしっかりと置いてあり、自分でスパイス料理をする方にもうれしいです。
おいしくカレーを食べて、スパイスを購入して自分でも作っていく。京都のスパイス文化を引っ張っていくお店となりそうですよ!