濃厚な味わいがたまらない宇和島直送の「だてまぐろ」を堪能できる

〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、回転寿司評論家としてテレビや雑誌などで活躍する米川伸生さんが太鼓判を押してくれた店、埼玉・吉川の「沖寿司 吉川店」をレポート。食べログの点数は3.32ながら、その人気の秘密は?

※点数は2022年3月時点のものです。

教えてくれる人

米川伸生
2000年から回転寿司評論家として活動を始め、TV、雑誌などメディアに多数出演。2007年「TVチャンピオン2 回転寿司通選手権」(テレビ東京系)で優勝。回転寿司ファンが集うオンラインサロン「回転寿司を愛してる!」を主宰。著書「回転寿司の経営学」(東洋経済新報社)他。

店主が沖縄出身だから「沖寿司」

大型駐車場があり、店はファミリー客などでいつも賑わう
回転レーンを囲むカウンター席のほか、4人掛けのテーブル席も完備

回転寿司評論家としてメディアに度々登場する米川伸生さんが「大将の真摯な仕事ぶりと、細部にこだわり抜いているのが伝わってくる店」と、感心しまくりの回転寿司店「沖寿司」。千葉と埼玉に3店舗を展開しているが、今回は米川さんおすすめの吉川店を訪問。県内屈指の大きさを誇る商業施設「イオンレイクタウン」から車で8分ほどの場所にある。

代表の吉田大作さん

「カウンター越しにお客様と会話しながら料理を作る世界に憧れ、寿司職人になろうと思って上京したんです」と語る代表の吉田大作さん。沖縄県に生まれ育ち、高校時代は地元のステーキハウスでアルバイト。客の前でステーキを焼くうち、対面式の飲食店で働くことの面白みに気づき、卒業後は埼玉県にあった回転寿司店に弟子入り。

「そこの大将が同郷だったので面倒を見てもらうことになったんです。想像していた以上に厳しい世界でしたが、仕事は楽しくてしょうがなかったですね」。その後、都内にあったカウンター形式の寿司店での修業を経て2008年に「沖寿司」を創業した。

修業先の教えを守り、丁寧に仕事する

仕込みから握り、仕上げに至るまで、どの工程も丁寧に行っている

「よその回転寿司店から転職した人がうちの仕込みを見ると、まぁ大概驚きますね」と笑いながら話す吉田さん。いくつもの修業先で培った技術やネタに対する考え方を貫き、質の良い寿司をリーズナブルな価格で提供することが店のコンセプトだ。

 

米川さん

「ここ回転寿司店ですよね。なぜそこまで丁寧に仕込んでいるんですか?」と思わず聞きたくなるくらいの仕事量を実感できます。江戸前寿司の基本を当たり前のようにやる。「沖寿司」さんにはそんな凄みを感じますね。

日本酒は常時8種類を用意

おいしい江戸前寿司に酒は欠かせない。ということで、季節の日本酒やクラフトビールなど、アルコールの品揃えもかなりの充実ぶり。だてまぐろはもちろんのこと、その日の限定ネタを刺身で用意してもらうこともできる。