「沖寿司 吉川店」の魅力が詰まった4品

鮮度の違いは色で分かる「だてまぐろ8貫」

人気のだてまぐろのおいしさを贅沢に詰め込んだ8貫セットはマスト!

「沖寿司」でまず食べてほしいのが、愛媛県宇和島から一本買いするだてまぐろ。大トロ、中トロ、赤身といった定番の握りから、頭肉、かまとろなどレアな部位まで揃った「だてまぐろ8貫」1,800円が断トツの人気だ。

吉田さんが最もこだわるのは鮮度。水揚げから48時間以内で店に到着しただてまぐろをすぐにさばき、いったん寝かせて旨味を高めてから店頭に出している。

 

米川さん

こちらの店では以前から、今評価が鰻上りのだてまぐろを使用しています。吉田大将が愛してしまったというまぐろだけに扱いも実に丁寧。まぐろの力強さを感じる濃厚な味わいがとにかく素晴らしい!

宇和島から直送されただてまぐろは一気にさばいて熟成用の冷蔵庫へ

だてまぐろは水揚げ後に電気ショックで気絶させ、わずか2分のうちにエラと内臓を取り除き、血抜きを済ませる。そのため天然物に近い鮮やかな赤身肉が特徴なのだとか。

「鮮度を落とさないために時間との闘いです。色もおいしさもベストのタイミングでお客様に提供できるように気を遣っています」

手前からかまとろ、頭肉、頬肉。「希少部位3貫」750円としても提供されている

「まぐろの頭はどこもおいしいですよ」と吉田さん。頭肉は柚子胡椒、頬肉はサッと火を入れてニンニクを利かせた特製ダレが添えられる。脂の入り方で味わいも食感も異なるが、共通しているのは濃厚な旨味と思いのほかあっさりとした脂切れの良さ。

ふっくら食感がたまらない「自家製穴子

柔らかな食感の活締め穴子をタレと塩2つの味で堪能できる

活け締めの穴子を塩とタレで味わえる「自家製穴子」580円。創業から継ぎ足してきた特製ダレで炊いた穴子はふっくらとした柔らかな食感が魅力だ。「穴子の旨味が凝縮されたタレで煮込んでいますからそのままでも十分おいしいんです。岩塩の方がより穴子の味を感じられますよ」

 

米川さん

とにかく身がふんわりとしている自家製穴子。活けの穴子を素早くさばいて提供するスタイルを回転寿司で実践している店は、私の知る限りごくわずか。この妥協のなさこそが「沖寿司」の真骨頂です。

肉厚で旨味がじんわり広がる「小肌」

しっとりとした歯応えがたまらない「小肌」(290円)には吉田さんのこだわり満載

江戸前寿司では昔から光りものの代表格と言われるコハダ。こちらも穴子同様に、活けで仕入れたコハダに振り塩をしてから酢で締めていく。「穴子やコハダって職人の仕事振りが出やすいネタなんです。身のサイズに合わせてお酢に漬け込む時間を変え、締めの塩梅を一定にしています」と吉田さん。

 

米川さん

江戸前の丁寧な仕事を感じさせてくれる握り。ひとつずつ小骨を抜くなど手間隙をかけているだけに、一般的な回転寿司店の加工コハダとは似て非なる食べ物だと実感できます。

注文に迷ったら「満腹ランチ」

コスパもボリュームも申し分なく、ランチメニュー目当ての常連も多い

月曜~土曜の15時まで提供されるランチメニュー。「満腹ランチ」1,180円はマグロの赤身や鯛、アジ、サーモンといった人気ネタ12貫が並び、さらに味噌汁1杯のサービス付き。生海苔入りの玉子焼きは、磯の香りを楽しめると子供から大人までファンが多い同店の名物。

 

米川さん

ランチメニューも充実しており、なかでも12貫入った「満腹ランチ」はかなりお得です。

愛情を持って魚を扱い、仕込みは妥協せず

埼玉県内では扱いの少ないだてまぐろを存分に楽しめる

回転寿司の相場を考えれば、いくら良い品だとしても闇雲に価格を上げることはできない。だからといって安物を使ったり、仕込みを簡素化したりという発想にはならないと吉田さんは語る。

「職人の仕事ひとつで寿司の味は左右されますから、従業員には愛情を持って魚と向き合うよう教えています。それが仕込みの丁寧さに繋がり、結果的として味に表れるんです」。寿司職人としての矜持を忘れずに、これからもおいしい寿司を提供し続けてくれるだろう。

※価格はすべて税込です。

※本記事は取材日(2022年2月22日)時点の情報をもとに作成しました。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時短営業要請が出ています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

撮影:吉岡啓雄
文:吉岡啓雄、食べログマガジン編集部