〈新連載〉観光局の人が通う、“お国ごはん”

vol.1 カリフォルニア編

世界のおいしい!が高いレベルで集う東京は、ワールドグルメのプラットホーム。訪日・在日外国人が足繁く通う、本場さながらの味わいを誇る“お国ごはん”を味わえるレストランとは。現地の味を知り尽くした観光局の食通が、とっておきのお気に入り店を紹介してくれた。

教えてくれた人


カリフォルニア観光局 トラベルトレード・スペシャリスト、アーロン・P・コーエンさん。日本で一番好きな料理は神戸牛だという、ミートラバーなアーロンさんが太鼓判を押す、ステーキレストランが登場。

接待から記念日まで大活躍!カリフォルニアらしさを感じられるステーキハウス

今回、アーロンさんが紹介してくれたのは、東京・汐留にある「ALEXANDER`S STEAKHOUSE (アレクサンダーズ ステーキハウス)」。2016年10月にオープンした、“肉通”も注目する、ステーキハウスだ。

 

「ここの素晴らしさは、なんと言っても眺望と料理。眼下に東京を見晴らす42階からの眺望。エイジングビーフステーキ、バラエティに富むカリフォルニアワインのラインナップ、アイデア光るサイドメニューと、カリフォルニアのエッセンスが散りばめられた料理を、東京ならではのシチュエーションで楽しめる場所。東京のグルメシーンが誇る洗練されたサービスもあいまって、大事なビジネスミーティングのときはもちろん、両親が日本にきたときのディナーと、オンオフともにスペシャルな日は迷わずこちらを選びます。本当はもっとデートで使いたいのですが、なかなか忙しくて(笑)」
アクセスのよさも、重宝している理由だとか。
「駅直結、カリフォルニア観光局のあるオフィスからも近いという利便性のよさも魅力ですね。東京になれていないゲストにも案内しやすいのも助かっています」

 

そんなアーロンさんのお気に入りメニューにフォーカス。

地上200mで味わう、プレミアムグレードの熟成牛ステーキ

 

まず紹介してくれたのは、この店にこのメニューありき、看板メニューのTボーンステーキ。使うお肉は、ネブラスカ州のグレーターオマハから仕入れたブランド牛。アレクサンダー指定の牧場より日本に直接空輸、オリジナルの熟成技術により、28日〜100日までエイジングされた、プレミアムグレードの肉を備長炭のグリルでていねいに焼いたステーキが提供される。

グレーターオマハ T-ボーンステーキ、ブランデーグリーンペッパーソース ポワロ ハーブサラダ 15,000円

 

「日本でも注目の熟成肉。本場ならではの、味わい深さの妙を楽しめるのが、こちらのステーキです。肉質、エイジング技術ともに、パーフェクト! 肉好きなら、ぜひ、ご賞味いただきたい一皿ですね。お肉は赤身肉なのでヘルシーなのもうれしい」

 

最上級のステーキを盛り立てるのは、サンフランシスコのエグゼクティブシェフが考えたというシグネチャーソース。デミグラス、ブランデー、生クリームなどを用いて2日間かけて煮込まれるそう。

 

「リッチなソースでステーキを味わうのが、アメリカのステーキハウスならでは。ボディのしっかりしたカベルネソーヴィニヨンとよくあいます」

アイデアが光る、充実のサイドメニュー

サイドメニューが充実しているのも、こちらのステーキハウスのお気に入りポイントだとアーロンさんは続ける。
「アメリカのステーキハウスといえば、お肉、付け合わせ、サラダとスープ、といった比較的シンプルなメニュー構成のお店が多いなか、こちらは、サラダひとつとってもいろんなスタイルがあって飽きずに楽しめます。パンの添えられたバター、コースを頼むと最後にサービスで提供される綿菓子など、オリジナリティあふれるセレクションが、カリフォルニアらしいですね」

 

ウニの産地、サンタバーバラから空輸されたウニを使ったアペタイザー。まろやかなウニと、軽やかな歯ごたえのブリオッシュが絡み合う。ウニの新しい食べ方に開眼する一品。「雲丹トースト」 1,400円

コースに含まれる自家製ブレッド。牛脂とハチミツ入りのオリジナルバターは、アーロンさんも大好物だとか。コクがあってクリーミーな食感がくせになる。塩は6種用意。好みの味をみつけて。

本店でもサービスで提供される綿菓子。スイーツは単品のほか、コースを頼むとアソートで2種より選べる。

都内随一のラインナップを誇る、カリフォルニアワイン

ワイン好きのアーロンさん。カリフォルニアワインの品揃えが豊富なのも、こちらのお店を選ぶ理由のひとつだとか。1,000種類を誇るワインリストのうち、カリフォルニアワインがなんと、7〜8割をしめる。

 

「北から南まで。カリフォルニアのワインリストが充実しているので、ときにはワイン目的で訪れることもあります。ステーキによく合う、カヴェルネソーヴィニヨンの品揃えはもちろんですが、サンタバーバラ、ローダイといった、日本ではなじみの薄い場所のワインも豊富。個人的にひいきにしている、北カリフォルニア、ロシアンリバーのピノ・ノワールかな」

この日、アーロンさんがワインリストから選んだ銘柄はこちら。

左)
アーロンさんのお父さんのお気に入りワイン「フロッグス・リープ 2014」

 

中)ピノ・ノワール好きのアーロンさん一押しの1本。ロバート・モンダヴィ・ワイナリーでワイン・メーカーとしてのキャリアを積んだポール・ホブスによるワイナリーの「ポール ホーブス 2013」

 

 

右)
昨年のオープン時に、100ケース限定で仕入れた、本店のエグゼクティブソムリエの監修のもと作られたオリジナルワイン。カベルネソーヴィニヨンのジューシーな果実味、ソースに負けない“どっしりした赤”は、しっかりとした食感の熟成ステーキともよく合う。残り数本だとか。急いで!

最後に、カリフォルニアと東京、ふたつの食文化を通して感じたこと

カリフォルニアといえば、サンフランシスコのバークレーに代表されるように、食育文化の草分け的エリア。アメリカで「スローフードの母」と呼ばれるアリス・ウォータースの活躍、今では当たり前になったファーマーズマーケットも40年前から発足するなど、そのライフスタイルに注目が集まる場所。アーロンさんの言う、カリフォルニアらしい食文化とはいったいどのようなものなのか。

 

「地産のもの、旬のものを食べるといったシンプルな考えに基づいているような気がします。それは、日本における、食への向き合い方と似ていると感じましたね」

取材協力:カリフォルニア観光局
http://www.visitcalifornia.com/jp

 

取材・文:吉村セイラ
撮影:小野広幸