フランス各地を巡って学んだ本場のクレープを日本風にアレンジ
元々はサラリーマンだった店主の逸夫さん。クレープ専門店を開くためにまずしたことは、幸子さんと小さかった息子さんを連れて本場のクレープを学びに行くことだった。約2か月ほど集中して修業。ブルターニュ地方のブレストやレンヌなどの名店、モンパルナスやニース、リオンそしてスイス、イタリア、スペインなどの色々なクレープを食べ歩き学んだそう。
しかし、クレープを知らない日本人に向けてのメニューとしてフランス同様でいいのか悩んだ末に、本場のパリパリした生地にはせず、もっちりと食べ応えのあるクレープに。本場仕込みの独自メニューが完成したという。
素材選びや焼き方にもこだわるクレープ
生地がおいしいと評判のクレープ。素材は、成分無調整の濃い牛乳、新鮮な地卵など、素材自体がおいしいものを選んでいる。ガレットに使用するのも、北海道産そば粉だったり、スイスのグリエールチーズだったり、上質なものをきちんと味わったうえで吟味。
クレープ生地が完成したら、5時間から6時間寝かせることもおいしさに繋がるという。焼き方は、厚さ1.2cm、直径70cmの四角い専用の鉄板をガス火で、クレープの種類により温度を変えて焼き上げる。
一番人気はバタークレープ
低温で焼き上げるMOCK特製お菓子風クレープから、高温でパリッと仕上げる食事スタイルのそば粉クレープ・ガレットまで揃うクレープメニュー。一番人気はお菓子風のバタークレープで、低温でじっくり焼き上げたクレープ生地に、コアントローやブランデーといった洋酒とバターたっぷりの自家製ソースをかけたシンプル系。ガレットは、スイスのグリエールチーズを使うメニューが好評だ。
笹岡隆甫さん
バタークレープは、妻と長女が大好きなクレープ。特製ドレッシングがおいしい10種以上の野菜サラダに、旬の上賀茂の野菜を使うこともある日替わりのそば粉ガレット、お菓子風クレープ、飲み物がセットになった「トロワセット」もおすすめです。すごくお得ですよね。時間のある時を狙ってオーダーします。
どのメニューも手作りのおいしさがある「MOCK」。秋から初夏までの限定メニューであるリンゴジュースもそのひとつ。季節になると、ふじリンゴを皮ごと切って使い、沸騰寸前の火加減で10時間以上煮込み、一晩冷まして出来上がるという。ホットで飲むとカラダが芯から温まるので、冬になるとオーダーする人が多い。
笹岡隆甫さん
長時間じっくり煮込み、手間ひまのかかった自家製のリンゴジュースは、ほっと心が和みますし、身も心も温まって幸せな気持ちになれます。食事した後に、このリンゴジュースとバタークレープを味わうのが定番です。
サラダやスパゲッティにサンドイッチも用意
家族で来店されたお客様からの要望がきっかけで、クレープ以外のメニューも用意するように。10種以上の季節の野菜を特製のドレッシングで味わえる野菜サラダから、フロマージュスパゲッティ、モック特製ムッシュバーガーなど、ランチ使いも十分できるのがうれしい。
一度訪れると、また行きたくなる店。フランスの家庭の味を思わせる本格派ながら、食べやすいクレープの虜になる人が多いとか。アットホームな雰囲気ゆえ、心許せる人と肩の力を抜いて会話のある時間を過ごしたい日に訪れると良さそう。店主夫婦のペースで料理が出されるので、ゆったりと待ちながらおしゃべりを楽しみたい。