3. 寿司店だけど回転寿司？「廻転寿司 海鮮」
「回転寿司」という肩書はつくづく偉大だな、と思う。回転寿司と看板にあるだけで途端に訪れるハードルが低くなる。普通の寿司店にはファミリーでは行きづらいが、回転寿司店ならいつでもどこでも気楽に行けるのは回転寿司という言葉の魔力と言えるだろう。そんなことをあらためて感じさせてくれるのが、三浦海岸にある「廻転寿司 海鮮」である。
「食べログ 寿司 EAST 百名店」にも選ばれている数少ない回転寿司店のひとつであり（「あじわい回転寿司 禅」も選出されている）、有名店には違いないのだが、普通の回転寿司店だと思って行くと、少々面食らうことになるかもしれない。というのも、レーンこそあるものの、すべてが寿司屋然としているのだ。
おすすめは「地魚セット」。こちらおすすめの地魚が10貫入って1,150円（税込）とお値打ちなのだが、寿司桶で提供されるところからして寿司屋である。小ぶりな寿司はしっかりと仕事がしてありとても美味。遠方からわざわざ食べに来る方が多いというのも頷ける。
三崎港の近くだけあってマグロの寿司も是非、味わってみたい。「まぐろ砂ずりの手巻き」は脂がのっているトロ感の強い希少部位。その他「まぐろのワタ握り」「血合ステーキ」などマグロの寿司は豊富に揃っている。マグロ尽くしの「まぐろ満開セット」目当ての方も多いと聞く。
これほどのレベルの寿司が回転寿司で食べられるのなら人気になって当然と思うが、職人さんに直接口頭注文するのが苦手な方にはハードルが高いかもしれない。回転寿司は気楽なところがなんといっても良いのだが、ある意味、緊張する店ではある。
高級回転寿司とは全く違った本格寿司店の回転寿司。この店をクリアできれば、普通の寿司店デビューはなんの問題もないはずだ。
4. 海辺の気分満開の活気とレア海鮮料理の数々！「海鮮問屋 ふじ丸」
「海鮮問屋 ふじ丸」 は、個室が多数完備されている珍しいタイプの回転寿司店。大漁旗も多く配置され、さながら「ふじ丸」という船に乗っているかのような気分で食事ができる雰囲気が良い。寿司は小田原、網代、下田からの地魚が人気。この日の「地魚3種盛り」には「赤さば（ハチビキ）」「かつお」に相模湾では珍しい「うめいろ」も入っていた。
大磯港でしらす漁を行っている漁船「ふじ丸」から直送される「湘南生しらす軍艦」は透き通った生しらすに鮮度の良さを感じる。生しらすは時間が経つと苦味がキツくなってしまうが、生姜など薬味がなくてもこれは旨い。
店内中央にある巨大水槽から取り出される「ふじ丸名物！ 活あじ」は、小ぶりなアジながら429円（税込）はかなりのお値打ち。100円、200円台の寿司も多く、ちょっと奮発して、という時に行きやすい店でもある。
昼時はボリューム満点のランチメニューが大人気。無料の味噌汁はおかわり自由で、時間帯で味も変わるため運が良ければ2種類の味が楽しめる。一人でも家族とでも大人数でもと、いろいろな使い方ができるというのも魅力のひとつだろう。
5. 市場にある水産会社経営の本格寿司「回転寿司 豊魚」
三崎の水産会社が経営する回転寿司店、で大船駅前に展開している「大船ジャンボ市場」内にある。1階が同じグループの鮮魚店、2階が「豊魚」というロケーションなので、まず1階で今日はどんな魚があるのかじっくりと見学してから、寿司店に向かいたい。
旬のおすすめは300円、400円台が並ぶ。寿司ダネは大きめに切り付けられており、これも人気の要因のひとつ。水産会社経営の回転寿司店は神奈川にも数店あるが、市場や鮮魚店と連動しているあたりなどこちらの演出は面白い。寿司ダネが大きめなのも魚を味わって欲しいからなのかもしれない。
もともとマグロ問屋だけあり、マグロも自慢の一皿。いい値段はするが、三崎マグロにこだわる同店の看板商品でもある。
市場で買い物をした後に回転寿司で腹ごなしというレアなコースを満喫できる店である。
