【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#99】「バングラッシー 」
特に地方には、食べログの点数はそれほど高くなくとも実はとんでもない名店が隠れているものです。これはそもそも地方の食べログレビュアーの数が少ないということなど様々な理由があるのですが、今週ご紹介する岐阜・柳ケ瀬にお店を構える「バングラッシー」も、この記事を書いている時点では3.29と、そこまで高くはない評価。しかし、個人的には4点を優に超える素晴らしいお店だと思っています。今回岐阜に行ったのも、こちらのカレーが食べたかったからというのが大きな理由のひとつです。
元々は「文化屋食堂」という洋食店だったお店が、いつしか「カレーの文化屋食堂」というカレー専門店となり、地域再開発のタイミングでお店が入っていた建物が立ち退きとなり、近くに移転したのを機に店名も「バングラッシー」となって生まれ変わりました。この店名、わかる人はニヤリとしてしまう店名ですが、それはここでは意図的に触れないでおくとしましょう。
こちらのお店、まず入り口が非常に分かりにくいです。看板は無し。お店は2階にあるのですが、その階段の手前にものすごく小さく、クリップで留められた紙に店名が書いてあるのが目印。いや、目印にならない程。とにかく目を凝らして行かないといけません。
そして目印を見つけたら、その周りにある貼り紙もしっかりと読んでおきましょう。ルールがあるお店なのです。それを読まずに、理解せずに入ってはいけません。SNSもやっているのでそちらを見ておくとより良いかもしれません。
そして店内に入ると、非常に暗いんです。知らない人からしたら営業しているかどうか不安になり、ちょっと逃げ出したくなる程に。このように食べるまでにいくつものハードルがあるお店なのですが、そのハードルを越えて行ってこそ味わえるとんでもない個性が待っているので頑張ってください!
カレーのメニューは「覚醒カシミール」1,300円一択。ほかに飲み物や「ムルギアチャール(チキンのピクルス)」400円などもあります。今回は、覚醒カシミールにムルギアチャールを付けてオーダーしました。覚醒カシミールにはご飯とピクルス、そしてもう一種類週替わりのカレーが付きます。
この日のカレーは、白菜のカレーにカシミリチリのタルカ。カシミリチリというインドの香り高い唐辛子をタルカという料理法(スパイスなどを油で香り出しし、その油をカレーにかける)で仕上げたものです。
覚醒カシミールは食べれば毛穴も開けばチャクラも開くような気持ちになります。カシミールカレーというと老舗「デリー」の名物激辛カレーの名前で、それに倣ったカレーはだいたい辛いのですが、こちらの覚醒カシミールは辛さはそこまで強くないものの、スパイスバランスが絶妙なので汗がドバドバと出てきます。心身共にデトックスできるような感覚になり、お店のキメ言葉を使うなら食べるとまさに「脳みそスッキリ!」なカレーなのです。
このおいしさを軸に、優しい味わいの白菜カレー、そしてシャキシャキのピクルス、さらには程良い酸味とカレーとはまた違ったスパイス感のムルギアチャールを一緒に食べてみると、その覚醒感がさらに増しておいしいのみならず気持ち良いとまで思えるようなカレーで、全国探してもほかにない超個性派です。
カレーもとんでもなくおいしいのですが、食後には是非「チャイ」500円を飲んでください。優しい甘味と華やかな香りに包まれて、瞑想したかのような脱力感を味わえます。
やっぱりとんでもないお店です。色々とルールがあるということで行きにくいと思うかもしれませんが、マスターは非常に気さくでルールさえ守っていればとても優しい方。このように個性の立ちすぎているお店は地方ではなかなか評価に繋がりにくいのですが、その状態でずっと続けられているのはおいしさあってこそ。遠路はるばる行く価値のある超個性派の名店です。
東京にも大阪にも福岡にもこんなカレーはありません。気になった方はどうぞ岐阜の柳ケ瀬の片隅へ、脳みそスッキリしに行ってください!
※価格はすべて税込