再開発にともない、有名ITベンチャー企業によるオフィス移転の動きも活発に見られ、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区観光大使を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新旧グルメスポットを教えてもらおう! というこの連載。

 

[旧]編3回目となる今回は、「食べログ 百名店 ラーメン TOKYO」に3年連続選出の渋谷の老舗「中華麺店 喜楽」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・[旧]編】第3回「中華麺店 喜楽」

今も昔も、渋谷に通う者なら知らない者はいないといっても過言ではない、創業昭和27年の渋谷の老舗「喜楽」。創業当時の味を守りながらも、時代に合わせて少しずつ変えているそう。

「中華麺」

色々なメニューに迷う中、僕が結局頼んでしまうのはベーシックの「中華麺」700円。揚げネギが浮いた香ばしい醤油スープに若干平たい麺、もやし・焼豚・味付き卵の不動のラインアップが、シンプルながらいつ食べてもほっとする味なのです。

中でもシャキシャキのもやしとスープの相性が抜群で、もやし好きには堪らないのです。だったら、中華麺ではなくもやし麺を頼めばいいんじゃないか? と思うでしょうが、中華麺のもやしがシンプルな茹でもやしなのに対して、もやし麺のもやしは、にんじんやニラなどともやしを炒めた、言うならば野菜炒めなのです。

 

なので味や脂のこってり具合が若干違ってくる。どちらの麺を頼むかが、もやし好きとして毎回悩みどころなのです(どっちもそれぞれ旨い!)。

「もやし麺」800円

僕は長年、中華麺のシンプルもやしが食べたいけれど、もやしの量の多いもやし麺の方も惹かれる、というジレンマを感じてましたが、最近ある技を知ってその悩みから解消されました。実は中華麺のもやしはプラス50円で大盛りにできるのです! これだったらシンプルな中華麺の特徴はそのまま、もやしの量だけ増やせるというわけ。やったー!

ちなみに、もやし麺も実はプラス100円で野菜を大盛りにできるというから、喜楽愛好家、そしてもやし愛好家の皆さん、これからはどちらを頼む場合でも、野菜大盛りでがっつり味わってください。なんて言いながら、ワンタン麺や炒飯などどれもおいしいから、結局はお店でいつも通り悩むことになるんだけどね。

 

※価格はすべて税込

 

 

文:小宮山雄飛

撮影:佐藤潮