【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#88】「スパイスパレット」
カレー食べ歩きをしていると、自分でもおいしいカレーを作りたいという思いが少なからず出てくるのではないでしょうか。実際カレーの名店のシェフや間借りカレー店のマスターには、元々カレーマニアだったという方が数多くいらっしゃいますし、お店を構えた今も変わらず各地で食べ歩いている方も時々いるくらいです。
僕もカレー作りに凝った時期がありました。しかし作ってみてその大変さと、己の才能の無さを痛感し、作るのを諦めてからはさらに食べ歩くようになり、今に至るわけです。だからこそおいしいカレーを作れる方を心底尊敬しています。
今回ご紹介するお店は10月末にオープンしたばかりの新店、秋葉原の「スパイスパレット」。こちらのマスターも元々はカレーを食べ歩いていた方で、特に神田界隈のカレー食べ歩きでは知る人ぞ知る、神田カレー界の顔役の一人とも言える存在です。昼はカレーライス、夜はスパイス料理とカレーでお酒が飲めるバルといったスタイル。開店当初はランチ営業のみでしたが、慣れてきて夜営業も始まったということで夜に行ってきました。
まずは「砂肝のアチャール」300円、「サバマサラ」400円をつまみに、「シナボン」550円で乾杯。アチャールとは、インドのスパイス漬物と言える料理ですが、砂肝のコリっとした食感とスパイスオイルの旨味と刺激がたまりません。
サバマサラは鯖のスパイス炒め。鯖とスパイスの相性の良さは抜群なので、こちらも間違いのないおいしさであり、どちらもおつまみとして最高です。
シナボンというのは、シナモンとバーボンを合わせたお酒。これも飲みやすくてスパイス料理とのマリアージュを楽しむにはもってこいです。マスターは元バーテンダーということもあり、お酒に関しても詳しいので他のお酒も色々と楽しめそうですし、料理に合うお酒を聞けば教えてくれますし、そういう意味でも楽しいだけじゃなく勉強になります。
続いて「キーマ&バゲット」400円と「ビリヤニ風壺ご飯」750円で締めくくり。キーマはランチタイムにも食べられる挽肉カレー。パンと一緒に食べると、ご飯と合わせるのとは違う表情が出てきて面白いです。壺ご飯は具材が日替わりとのことですが、この日はイワシの蒲焼を具にしたという独創的なもの。
ビリヤニというのはインド地方のスパイス炊き込みご飯。マスター曰く「ビリヤニと言えるほどのものではないのであくまでビリヤニ風の壺ご飯なんです」とのことでしたが、十分立派においしいビリヤニでした。蒲焼の旨味をスパイスがブーストさせています。こういう発想もやはり様々なお店で食べ歩いてきたからこそでしょう。
どれもおいしくて、そして値段を見て分かるとおりお安いのが素晴らしいです。さらには接客も丁寧でお店にも清潔感があります。マスターご本人も1,000店舗を軽く超えるお店を食べ歩いてきただけあって、客側から見る理想的なお店像というのが見えているのでしょう。そして研究熱心な方ですから、これからさらに進化していきそうな気配も感じました。期待大の新店です!
※価格はすべて税抜