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最近増えつつある「ベイクショップ」。焼き菓子を中心に取りそろえており、職人が焼き上げるパンを販売する「ブーランジェリー」と、デニッシュやブリオッシュなどの菓子パンを販売する「ヴィエノワズリー」の要素も兼ね備えた「美味しい場所」。
想像するだけで香ばしい匂いに包まれる、そんな「ベイクショップ」が谷根千エリアに誕生! クラウドファンディングの出会いで完成した「Succession(サクセション)」へ、さっそく買いに出かけませんか?
作る人、食べる人の想いががぎゅっと詰まった「ベイクショップ」誕生
【作る人のモチベーションを高めるため、店内が見渡せるガラス張りの外観に】
ギャラリーや雑貨店が並ぶ谷中のキッテ通りに6月9日、ベイクショップ「Succession(サクセション)」がオープンした。クラウドファンディングを利用して開業しており、オープン前から多くのファンに支えられている注目の店だ。
店主・岩本進さんは大手パンメーカーやフランス菓子店のブーランジェリー立ち上げに携わり、独立。2008年、奥様の地元・茨城県に「ヌクモリパンヤ」をオープンしたが、体調不良により惜しまれながら閉店。順調に回復した頃、同県「森の石窯パン屋さん」のオーナーからパン職人に技術を教えてほしいと依頼があり、2014年に復帰した。
その仕事を通して「小麦粉から作られるパンや焼き菓子を追求し、次の世代に知識や技術を継承したい」との思いが膨らみ、満を持してもう一度自身の店を構えることに。岩本さんの熱い想いに共感した人、地域の活性化を期待する人の想いもぎゅっと詰まっている。
体調不良に悩まされつつも、愛するパンへの想いは変わらず、むしろ深まっていた岩本さんの気持ちを後押ししたクラウドファンディングでの支援。目標金額を大幅に超えたという事実は、いかに岩本さんが愛されるパン職人であるかの証明である。パンを愛して愛し尽くした岩本さんの渾身の結晶、それでは見ていこう。
「ヌクモリパンヤ」時代から人気の焼き菓子やクッキーも!
【左上:ココナッツとメレンゲを合わせた焼き菓子「ココ」は店主のお気に入り】
メレンゲ菓子の「ココ」と、口どけの良いクッキー「ポルボロン」は、ヌクモリパンヤで人気だった商品。他にもサブレやフィナンシェ、ナッツケーキやレモンのパウンドケーキなど、あれもこれもと迷ってしまいそうな焼き菓子がズラリ。
大きめカットで存在感たっぷりのケーキ
【左:フラン 右:ラムレーズン入りチーズケーキ】
バニラビーンズたっぷりのカスタードクリームを焼きこんだフランをはじめ、チーズケーキやガトーショコラなど、人気の定番メニューが並ぶ。大きめのカットに思わず笑みがこぼれそう。
朝が楽しくなるデイリーパン
素材ひとつひとつ安心・安全なものを厳選
食パンは北海道の小麦を100%使用。また、バターを作るときに出る栄養たっぷりの「バターミルク」が入ったバターも。さらに、筑波乳業の練乳と北海道産の生クリームを入れて、やさしい甘みをプラス。
パン作りの要、発酵にもヒミツが!
【発酵で使われる木ホイロ】
発酵機器をあえて店に置かず、日々の気温や環境と向き合いながら、ゆっくりと時間をかけて発酵させるために木箱を使用。たくさん作ることはできないけれど、長時間発酵させた食パンは香り高く、もちもちの食感に。
居心地の良いカフェスペースでブランチはいかが?
【左:ブロッコリーとサーモンのキッシュ 右:シナモンロール(クリームチーズにはレモン果汁などをブレンド)】
具材がごろごろ入ったキッシュや、クリームチーズをたっぷりのせたシナモンロールは食べ応えがあっておすすめ。ドリンクは、アイスコーヒー、アイスティー、自家製ジンジャーエールから。オリジナルのジンジャーシロップは甘すぎず辛すぎず、絶妙。口の中をさわやかに潤せば、次のひと口へ自然と手が伸びてしまう抜群の相性。
※テイクアウトとカフェは別会計なのでご注意を
木のぬくもりが感じられる空間
店内は岩本さんのお気に入りのもので溢れている。ランプは京都にあるインテリアショップから、イスは「ヌクモリパンヤ」のときから愛用しているという茨城県の家具専門店からさまざまなデザインをセレクト。自分にぴったりのイスとお気に入りの場所を見つけてゆっくり過ごして。
旅するパンと焼き菓子を求めて
岩本さんが目指すパンは、もごもごと口の中に残らず、すっと消えていくような口どけの良さ。料理とパンのマリアージュも楽しんでほしいと、今後はランチメニューも展開予定。
「食べきれないほどのパンをセットにしたいなと。もちろん、持ち帰っていただくことを想定しています。家族や友達と分け合ったり、自分が作った料理と合わせたり。パンと焼き菓子が旅をする……それが理想ですね」
日々のちょっとした楽しみにも、大切な人へのギフトにも、ぜひ。