ほっこり優しい余韻で魅了する、実力派シェフのナチュラルフレンチ
昨年のオープン直後からその優しく繊細な料理でファンを増やしつづけている「ラ ポルテ・セカンド」。名ホテルで活躍したシェフが作る“幸せを共有するフレンチ”とは一体どんなものなのか取材しました。
恵比寿に誕生した“第二の我が家”
昨年冬に恵比寿にオープンした「LA PORTE・SECOND」。店名は“第二の扉”を意味する言葉。「自分自身にとっては第二のスタートであり、ゲストにとっては第二の我が家になれば」と語るのは、シェフの佐藤 剛さん。ウェスティンホテル東京のシェフとして10年、パーク ハイアット 東京「ジランドール」の料理長として12年間に渡り腕を振るい、満を持し独立。ホテル時代に培ってきた技とセンスを駆使し、渾身のフレンチを披露します。
白を基調にした店内は明るく開放的な雰囲気。ホテル時代からのファンもたびたび訪れるそう。
キッチンの脇に用意されたシェフズテーブル。ノリタケの絵皿で華やぎを演出。厨房から届く音と香りの活気も楽しい。
フルコースに日本の四季をぎゅっと凝縮
料理はランチ、ディナー共におまかせのフルコースを用意。前菜に魚料理、肉料理、デザートまで、日本の四季をふんだんに取り入れた料理はどれも繊細で色鮮やか。ゲストの性別や年齢、アルコールとの相性まで踏まえつつ、ひと皿ひと皿丁寧に卓上へ届けます。
素材は熊本の食材を中心に使用。実際に現地へ赴き、その味を確かめたというシェフ。ほとんどの料理に使っているという天草の塩は、甘みが強くミネラルたっぷり。素材の力を信じ、わずかな塩で滋味を最大限に引き出し提供。その味はどこまでもナチュラルで、優しい余韻を運びます。
カナダ産ロブスターのロースト 春の彩りと軽いレモンソース
グリンピース、スナップエンドウ、芽キャベツ、おかひじきなど、春のはしりを取り入れて。フランス伝統のグリンピースの煮込みをベースにした色鮮やかな一品。ロブスターのぷりっとした食感が美味。
マグレ鴨胸肉のキャラメリゼ
胸肉の皮面を照り焼きにして薫り豊かに。フォアグラの上には天草の塩をぱらぱらと。鴨肉の骨からとったソースをあしらい、ストレートに肉の旨みを堪能できます。
サバランと苺のシャーベット
パティシエお手製のシャーベットはジューシーで苺をそのまま食べているかのよう。プティフールは2種のチョコレートを用意。このほか焼き立てのマドレーヌが登場することも。料理は全て14,256円~のディナーコースより。
「コースを通していかに幸せになっていただくか。幸せを共有するレストランでありたい」とシェフ。正当派フレンチでありながら、肩肘張らないアットホームなもてなしもうれしいところ。恵比寿に誕生した注目の新店、その魅力のほどをぜひ確かめて。
取材・文:小野寺悦子
撮影:石渡 朋