- 【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2021年10月を振り返る
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目次
【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2021年10月を振り返る
緊急事態宣言も解除され、感染者数も劇的に減ってきました。まだまだ油断はなりませんが、ようやくやってきた外出のチャンスとも言えます。というわけで今月は東京の店舗以外にも、近隣の千葉、神奈川、埼玉のお店もご紹介しました。感染対策に留意しつつ、ちょっと足を延ばしてみるのも良いかもしれません。
【第1週のカレーとスパイス】毎日食べたくなるオンリーワンのおいしさ。常連が後を絶たない千葉のカレーの名店「カレーレストラン シバ」
千葉県はインドカレーのレベルが高いエリアなのですが、その中でも昔から“千葉でカレーと言えばここ”と、確実に名前が挙がってくるお店のひとつに「カレーレストラン シバ」があります。1985年の創業ですから、カレー関係のレストランとしては老舗と言っても良いでしょう。
シバのカレーはインドカレーと言ってもオーセンティックなインド料理とは少し違います。インド料理をベースとしながらも、ネパールなど周辺諸国のエッセンスを加え、それを日本人の感覚というフィルターを通して出来上がったオンリーワンのおいしさになっています。誤解を恐れずに表現するなら「古き良きニッポンのインドカレー」といった佇まいを感じるのです。もちろんこれはリスペクトを込めての表現です。
ランチタイムを外して行ったのですが店内は満席状態。流石の人気店です。満席と言っても部分的に席をはぶき、換気も十分。パーテーションでしっかりと対策をとっているので安心感があります。
シバと言えば豆のスープの付くセットが昔から続く看板メニューと言えるでしょう。「ラムセット」1,880円はラムスパイスカレーにダール(豆)スープ、ベジタブルカレーにご飯と付け合わせ、さらには冷製のローストラムまでつく豪華版。カトゥリ(インドの小皿)ではなくソースポットにカレーが盛り付けられているのがまた懐かしさを感じさせ、だからこその豪華さも感じます。
こちらを半ライスでオーダーしたのですが、半ライスだと30円引きになるというのもうれしいですね。半ライスでも十分な量です。
スパイシーなラムカレーにトマトの爽やかな酸味が印象的なベジタブルカレー、そして優しい豆の滋味あふれるダールスープをご飯にかけながら食べていく幸せ。冷製のラムはそのまま食べてもおいしいですが、それぞれのカレーやダールに入れて具としても楽しめます。満足度の高いセットです。
変わり種もあります。「ひじきドライカレー」1,380円はひじきとご飯をスパイスで炒め合わせたドライカレーなのですが、この黒さを見てください。通常このタイプのドライカレーはご飯がメインでそれに合わせる具というイメージなのですが、このひじきドライカレーはむしろひじきがメインと言える程にひじきたっぷり! ひじきとご飯がほぼ同量くらいあり、ほかに豆や玉子が具として入っているという状態。
これだけひじきが多いと磯の香りがしすぎないか不安になるかもしれませんが、食べてみるとこれが不思議とちょうど良い塩梅なのです。上にふりかけられたカスリメティの甘苦い香りが合わさって、軽やかなおいしさ。これにベジタブルカレーも付いてくるのですが、カレーをかけて食べればさらに満足度も上がる、ダイエッターにもうれしいカレーです。
インド人は海藻が苦手な人が多いという話も聞くのですが、だったらプラオ(インド料理のピラフ的なもの)のようにして作ったら食べられるんじゃないかというアイディアから生まれたそうです。糖質制限という観点からも時代に合っているということで人気のメニュー。このアイディアは日本人ならではですよね。
カレーだけではありません。季節のおすすめ小皿メニューもあるので見逃せません。今回は「ナスのピクルス」280円を追加。ビネガーの程良い酸味とスパイスの香りを吸い込んだ茄子。そのまま食べて良し、付け合わせにして良しの逸品でした。
テイクアウトも充実していてこのご時世にもうれしいのですが、店内で仕込んだカレーを自社製造のレトルトカレーにして販売しているのがすごいところ。通常レトルトは工場と提携して作るものなのですが、こちらは最初から最後までこだわりの製法でレトルトカレーを作っているということです。食べてみればこれがまた実においしい! こだわりが味に活きています。店内もしくはお店のネットショップで通販可能とのことなので、気になる方はチェックしてみてください。
店主の柴崎さんに色々とお話をうかがっている中で特に印象的だったのは「最近は本当に才能溢れる若いシェフが私の頭上を凄い勢いで飛んで行っているように感じます。本当に素晴らしいシェフが出てきていて私が食べても感動的です。私には作れないカレーだなと思います。私にできるのは長年やってきたことを丁寧に続けることくらい。前の時代から続く魂を引き継いで後につないでいければと思っています」という言葉。
なんとカッコイイ! 若き才能を素直に認め、かつ、自分にしかできないことを着実にやり続けているカッコ良さ。一朝一夕では得られない説得力があります。だからこそ長年人気店であり続けているのでしょう。
シバのカレーも考えてみると確かに実直なカレーと言えるかもしれません。優しいおいしさで食べると身体が温まり、飽きずに日常的に食べることができるようなカレーです。だからこそ多くの常連さんが通い、新たな常連さんを増やし続けているのでしょうね。今も変わらず、本当に素敵なお店です。
※本記事は取材日(2021年9月28日)時点の情報をもとに作成しています。