〈2024 食通が惚れた店〉

みんなが再び日常的に外食を楽しめるようになった2024年。インバウンドの盛り上がりもあり、飲食業界も新しいチャレンジに目を向けた一年だったのではないでしょうか。

そんな2024年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」をうかがいました。

今回は、大阪在住のフードライター・船井香緒里さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

食通たちが、2023年に惚れ込んだ名店や極上の一皿をご紹介。フードライターはなともさんをうならせたスイーツとは?

船井香緒里
福井県小浜市出身、大阪在住。塗箸製造メーカー2代目の父と、老舗鯖専門店が実家の母を両親に持つ、酒と酒場をこよなく愛するヘベレケ・ライター。「あまから手帖」「dancyu」「BRUTUS」などでの食にまつわる執筆をはじめ、「dancyu.jp」で連載「大阪呑める食堂」を担当。食の取り寄せサイトや、飲食店舗などのキュレーションもおこなう。「Kaorin@フードライターのヘベレケ日記」で日々の食ネタ発信中。

2024年のベストレストラン

Q. 2024年、最も印象に残った店を教えてください

A. 「薪火 全」の「熟成肉の薪火焼き」です

船井香緒里(フードライターKaorin)
「シェフおまかせコース」21,600円より(価格は季節・食材により変動します)   出典:船井香緒里(フードライターKaorin)さん


大阪で「肉料理とワイン YUZAN 南船場」を営む安田宰英さんが、淡路島・由良の高台に開いた一軒家レストランです。まず、大海原を望む大パノラマに感動!

そして、薪火を自在に操るおまかせコースは、島の食材はもちろん、安田さんが人生をかけて信頼と技を築き上げてきた熟成肉の薪火焼きが主役。その日、最も良い熟成肉を何種類か焼き上げるのですが、ナッツのような独特の熟成香と、薪の甘やかな燻香がクロスオーバー。しかも赤身肉ならではの咀嚼の快感が堪らない! 

薪の炎を見ながら食事を楽しめる
薪の炎を見ながら食事を楽しめる   写真:お店から

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2024年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「QUOI」の「パンドミ」950円です

写真:船井香緒里さん

世界中のフーディーたちから熱烈な支持を集めるフレンチ「ラシーム」が開いたベーカリーです。パン部門責任者の池田由美子さんは「シニフィアン シニフィエ」出身。艶やかなカウンターに並ぶのはベーグルほか、たった7種のパン。

なかでもパンドミは、2種の国産小麦を軸に、ホップや米麹などからおこしたホップ種を使用。湯種製法と低温15時間発酵の合わせ技で、小麦と酵母の甘みをじっくり引き出しています。焼き込んだ皮は香ばしく、余分な水分が抜け切った内層はしっとり。バターも砂糖も使わない潔さと、清らかで深い味わいに確かな技を感じるのです!

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:船井香緒里、食べログマガジン編集部