〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。
虫二(東京・高田馬場)
2024年5月24日、東京メトロ東西線・高田馬場駅6番出口から徒歩約1分のところにオープンした「虫二」は、完全予約制の茶房。西早稲田にある人気の中国茶カフェ「甘露」が手がけるお店です。
店内の入り口側にテイクアウト専門のショップコーナー、奥にイートインスペースを設置。「甘露」は単品メニューのみの取り扱いですが、「虫二」では中国茶を頼むとコース仕立てのお茶菓子が並びます。中国・杭州の茶館から、コーススタイルの提供方法を取り入れました。
全面ガラス張りの茶席は、1日2回13:00〜、16:00〜(土曜日のみ11:00〜、13:30〜、16:00〜)各2組限定の予約制。定員6名(写真奥)と4名(写真手前)までのエクスクルーシブな空間です。
お店は、早稲田通りから裏路地を進み、袋小路の奥にある2階建ての建物。さまざまな植物と、季節の花々が出迎えてくれます。
店主の向井直也氏は、デザイン会社を経営する傍ら、2018年10月に「甘露」をオープン。5年半が経ち、お店で提供している焼き菓子を製造販売するための場所を探していたところ、理想的な物件との出合いがあり、工房兼茶席を供えたお店を発案します。決め手は、駅からの利便性、裏通りにある隠れ家感、そして素晴らしい庭があることでした。
店内のメニューやレシピ開発は、西早稲田で鍼灸治療院「甘露治療院」を営む向井舞子氏が担当しています。
メニューリストから中国茶(4,950〜6,930円)を選ぶと、果籃(からん)という専用の箱に入った果物やナッツ類の盛り合わせ、季節のお菓子やお椀が順々にサーブされます。
お茶は5月以降から夏にかけては甘みのある新茶を、9月以降であればしっかりとした味わいの秋茶を提供するなど、無農薬栽培のものを中心に季節や産地にもこだわって常時10種類前後をそろえています。
茶葉の種類にもよりますが、多いもので7、8煎を楽しめるものもあるので、仲間と味比べをするのも楽しそうですね。
ショップコーナーでは、中国の宮廷焼き菓子を再現した商品を販売しています。国内ではここでしか手に入らないお菓子も多数。こちらは予約なしでいつでも利用できるので、ちょっとした手土産にもおすすめです。
内装は「新中式」を採用。落ち着いた雰囲気でありながら、テーブルの脚や照明など店内の随所に茶葉を埋めこむなど、デザインにもこだわりが感じられます。靴を脱いで上がる茶席は、知人の家に招かれたときのようにリラックスできる空間です。
店名の「虫二」は、中国で美しい自然の風景を表す「風月無辺(ふうげつむへん)」という言葉から。現地の美しい自然や茶文化に思いを馳せながら、ゆったりと心落ち着くひとときを過ごしてみては。
※価格は税込