6時間煮込んだフカヒレ姿煮は極上の味わい

「宮城県気仙沼産“毛鹿鮫(モウカザメ)”ふかひれ特大姿煮込み(1~3名様)」 13,500円。中里シェフ自ら生産地である宮城県気仙沼市に赴き、品質を確かめてきた

中国料理に欠かせない高級食材、フカヒレ。同店では、収穫量が限られる希少なモウカザメのヒレを使用。旨みを凝縮させるために、わざわざ寒い時期に干すなど加工の仕方にまでこだわった逸品だ。

「宮城県気仙沼産“毛鹿鮫(モウカザメ)”ふかひれ特大姿煮込み」では、このフカヒレを丁寧に下ごしらえした後、中国の宮廷に伝わる、鴨や金華ハム、干し貝柱などから旨みをとった秘伝の「宮廷コラーゲンブラウンソース」で6時間じっくり煮込み、芯まで味を染み込ませていく。

テーブルには熱した土鍋に入って運ばれてくる。目の前で宮廷コラーゲンソースを掛けるとジュワッという音と共に芳ばしい香りが立ちのぼり食欲をそそる。

モウカザメのヒレの特徴はゼラチン質を豊富に含み、繊維質が太いこと。濃厚なスープによく似合う

フツフツと白濁したスープから箸でホロリとほぐれるほど柔らかいフカヒレをすくって、口に運べばプルンとした食感が弾ける。濃厚で旨みたっぷりのスープを含んだプルプルのフカヒレは得も言われぬおいしさ。まさに伝統的な広東料理の華とも言うべき料理だ。

SNS映え間違いなし! 香港発のかわいいスイーツ

「名物 香港エッグワッフル」 1,850円。ハチミツシロップと小倉あんが別添えになっている

同店では最後まで食事を楽しんでもらおうとデザートメニューも充実。中でもSNSでバズりそうなのが、丸い形が愛らしい香港発祥のスイーツ、エッグワッフルだ。

エッグワッフルの特徴は外側がカリカリとして、中がフンワリ、モッチリしていること。この食感を再現するために粉などの配合を工夫したのだそう。焼きたてのワッフルはカリッモチッの食感がたまらない。トッピングは季節のフルーツ。添えてあるハチミツシロップや小倉あんをつければ、お腹いっぱいでもペロリと食べてしまいそうだ。

左「香港式ミルクティー」。香港では人気のエバミルクのメーカー「BLACK & WHITE」。ロゴが入ったティーカップも香港のカフェでよく使われている

合わせるドリンクは香港式ミルクティー。イギリス文化が色濃く残る香港ではミルクティーがよく飲まれている。香港ならではの特徴は、濃く淹れた紅茶にエバミルクを使うこと。しっかり茶葉の味が出た濃厚な味わいがやみつきになるおいしさだ。

シェフがわざわざ香港から取り寄せたカップでミルクティーを楽しみ、ワッフルを頬張れば、まるで香港の街角のカフェにいる気分になる。

五味五感に真心を添えて

左から時計回りに「ふかひれととびっこのせ海老蒸し餃子」(2個)1,100円、「鹿児島県産霧島黒豚と帆立のキャビアのせ焼売」(2個)950円、「揚げ湯葉と海老の腸粉」1,800円。飲茶とデザートで女子会をしても楽しそうだ

このほか、専門の点心師が作る点心などバリエーション豊富なメニューが用意されている。

「素材と向き合って、対話し、その素材が持つポテンシャルを引き出して生かすことを大切にしています」と語る中里シェフ。すべての料理で旨みを天然素材から抽出している同店の料理は、品の良い味わいが特徴。子どもから年配者まで心ゆくまで楽しめるメニューがそろっている。

店名の「66」は中国料理の基本、五味(甘味、酸味、苦味、塩味、うま味)と五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)にプラスワン、作り手と訪れる人の“心”が加わることで、どこにもない「彬龍華66」のおいしさを作りたいという思いが込められている。

ハレの日にふさわしい贅を尽くした料理からお手頃なランチセットまで用意されており、コースでもアラカルトでも好きなスタイルで料理を注文できる。今までにない新しい中国料理の楽しさを味わいに出かけてみてはいかがだろう。

※価格はすべて税込です。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:小田中雅子

撮影:溝口智彦