直火焼きのハンバーグだけでなくデミグラスソースまで一から手作り!

〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログでは、口コミ数が少なかったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり、点数が上がると予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、まだまだ知られていないとっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、ほぼ毎日ハンバーグを食べ続けて10年以上の測量士、五島鉄平さんが「とにかく手が込んでいる」と絶賛するアットホームなお店にレッツゴー!

教えてくれる人

五島鉄平さん
測量会社での仕事の合間をぬって日々ハンバーグを楽しむハンバーグ測量士。10年間で約1000のお店に足を運び3000バーグ以上は食べているという。洋食店やファミレスをはじめスーパー、コンビニで販売されているハンバーグにも精通。メディアに多数出演しているほか、フルカラーの写真集「おいしいハンバーグの写真集」も発行する。

家庭的かつハイクオリティな「ハンバーグ&グリル YUKI MI (ゆきみ)」

看板や店内メニューなどの写真はご主人が撮影したもの

2005年まで円谷プロダクションの本社があり、ウルトラマンが誕生した街としても知られる祖師ヶ谷大蔵エリア。全長約2km、歩けば片道で30分ほどかかる祖師谷商店街は「ウルトラマン商店街」としても親しまれている。その祖師ヶ谷大蔵駅の南側に伸びる通称「ウルトラ・サウス・ストリート」を7分ほど歩いた先にあるのが、ハンバーグ測量士の五島さんがオススメする「ハンバーグ&グリル YUKI MI 」だ。

2019年11月オープンと、ちょうどコロナ禍直前からの営業開始ということもあって食べログの点数は3.17、口コミは9件。現在は地元のファンがほとんどだが、商店街に観光客が戻ればさらに点数は伸びるだろう。

※点数は2022年8月時点のものです。

元々は小料理屋だった店をテーブル席中心の親しみやすい雰囲気に改装したという
 

五島さん

商店街から少しだけ外れたところに入り口があり、以前から車で通りがかり気になっていたお店でした。小さな店内で年配の御夫婦が営業されているのでゆったりとできます。先日は帰りにドリンク券をいただきました。最近はお店独自の手作り券も少なくなってきたのでうれしいポイントかと。

店主の新保正行シェフ。長きに渡り大手洋食チェーンで働いていたため調理以外の知識も豊富

「おいしいものを提供するために25歳から一生懸命勉強してきました」と話すのは、御年69歳の新保正行シェフ。出身地である新潟から上京し、このエリアの洋食屋で修業をはじめ、やがて大手洋食チェーンの商品開発を担うようになった。

「今まで培ったスキルを活かして、自分がどれくらいやれるのか試してみたかったんです」と66歳で再出発。介護福祉士と栄養士の資格を持つ奥様と二人三脚で現在の店をオープンした。店名もご夫婦それぞれの名前から1文字ずつ取ったという。

化学調味料を一切使用していない「和風りんごドレッシング」500円

「体に良い料理を作ってほしい」という奥様のリクエストに合わせ、原材料には添加物などを一切加えず、すべてのメニューを手作り。もともと商品開発をされていた新保シェフだけあって、テイクアウト用の冷凍メニュー、ドレッシング、オリジナルバターなども作り込まれたものばかりだ。

本日のスープを離乳食代わりにする生後半年の赤ちゃんから、ハンバーグを楽しみに訪れる100歳のお婆ちゃんまで客層も実に幅広い。客足が途絶えないのも、味はもとより安心安全な料理を提供しているからこそだろう。創業直後からコロナ禍に見舞われたが「ご近所の皆様に助けていただいてます」と新保さんご夫婦。すでにウルトラマン商店街には欠かせない存在となっている。

セラミック炭の高火力ステーキグリラーで香ばしく焼き上げるハンバーグ
 

五島さん

肉の香りがしっかりして良いパテに、作りこまれているデミグラスソースがオススメ。当日朝に挽肉を仕込んでいるのが、パテをおいしく作り上げているポイントなんだと思います。新鮮な肉の味をしっかり味わえるのが好きです。