TOKYO HIP BAR

Vol.9 飲んで応援!メキシコ人にパワーを与えるテキーラカクテル

 

メキシコ人はなぜ、

いつも陽気に見えるのか?

 

「うれしいときもテキーラ、悲しいときもテキーラ」ということわざがメキシコにあります。先日のメキシコ地震では多くの犠牲者が出てしまいましたが、そんなときでもきっとメキシコの方は、テキーラを飲んで力を得ているのではと心から願っています。

 

メキシコの復興を応援する意味でもいま飲みたいのはテキーラ。それは、辛いときでも乗り越えられる力があるお酒だからです。人は食べたもので腸内フローラを整えられ、それによって性格までも変わるという説がありますが、メキシコ人のパワフルさはやはりテキーラの効果であるかもしれません。テキーラの原材料はアガベというリュウゼツラン科の植物。メキシコの温暖な気候のなか、8~10年かけて大きく成長するアガベを収穫し、蒸し、発酵・蒸留させてつくるテキーラは、太陽の恵みをたっぷりと受けており、そのパワーを凝縮したような蒸留酒のため、それは人を自然と陽気に向かわせるはずと思えます。アガベを楽しむ場所はメキシコでは“アガベリア”と呼ばれ、現地ではテキーラエリアの産地呼称であるテキーラを初め、メスカルやバカノラなどアガベを原材料とするお酒を、ロックやカクテルで楽しみます。

 

 

テキーラ好きの女性公認会計士が

その聖地“アガベリア”を代々木にオープン

 

そんな“アガベリア”が東京・代々木にオープンしました。由来通りの店名である「アガベリア」では100種類以上のアガベスピリッツが揃います。オーナーの中村友香さんは公認会計士でありながら、好きが高じて、テキーラマエストロの資格を取得。メキシコのテキーラやメスカルの蒸留所へ毎年訪ねるほどになったことから、テキーラバーをオープンさせました。

 

置いてあるテキーラはご本人の思い入れのあるものばかり。プレミアムテキーラの代表格のパトロンなど、ご自身が訪れた蒸留所についての話も聞くことができます。アガベ100%のプレミアムテキーラはロックやソーダ割りでも楽しめるものですが、こちらのお店ではカクテルも充実。シグネチャーカクテルは、テキーラをフレッシュのグレープフルーツジュースとライム、ソーダで割り、ミントをたっぷりのせた「パローマ」です。

 

 

パローマはメキシコ人が最もよく飲むカクテルのひとつと言われるものですが、アガベリアではメキシコの民芸品であるひょうたんから作られた“ヒカラ”という器でパローマを楽しみます。かつて山火事の焼け跡によい匂いを発し、甘い樹液を出す焦げた竜舌蘭があったことからテキーラが発祥したという起源がありますが、テキーラが生まれたてのころ、人々はきっとこんな器でテキーラを酌み交わしていたはず。そんな郷愁を思いながら、杯を重ねれば悲しみやストレスもどこかへ飛びそうです。

 

大地のエネルギーが欲しくなったら、アガベリアへ。うれしいときも悲しいときも、テキーラが待っています。