【食を制す者、ビジネスを制す】
第5回 政財界御用達の「パーコー麺」
成功者の共通点、
「逆張り」のススメ
成功者と言われる人の一番の特徴をあなたはご存知だろうか。私はこれまで300人以上の経営者やベンチャー起業家に取材する機会を得てきたが、実は、そうした成功者に共通していることがある。それは、「皆と違うことをする」ということだ。実際、取材で「なぜ、この分野を選んだのですか」と問うと、ほとんどの人が判で押したように、次のような答えを返してくるのである。「皆がこちらなら、私はあちらと常に皆と違うほうを選んだから成功できたんです」
つまり、周囲の人と違うことをしようと考え、その分野で努力してきたからこそ、成功したというのである。なるほど投資の世界でも大きく儲ける秘訣は、大勢の人と反対のことをすることだ。大きな利益を得るのは、たいてい“逆張り”の投資家だ。事実、この世界には昔から「人の行く裏に道あり花の山」という格言がある。
株価が上昇し、これまで投資に興味のなかった人が世の中の雰囲気に乗せられて株を買い始めたときが相場のピークだと言われる。大勢が動き始めて株価が上昇していくころ、逆張りの投資家たちはすでに売り抜けている。皆と同じことはしない。そうでなければ勝てないのがビジネスの世界だ。
ランチで“逆張り”するなら
ホテルを選べ
その意味で言えば、食事に関しても、ときには“逆張り”を試してみてはいかがだろうか。ビジネスパーソンがランチを食べにいく場合、たいていが会社近くのレストランを定期的に巡回するか、社食、または弁当を買うかのいずれかになるだろう。営業職の方なら、午後イチからのアポのために訪問先の近くでランチをとることも多いのかもしれない。そうしたランチ事情の中で、特にお薦めしたいのがホテルでのランチだ。ランチなら、それほど大枚を使わずに楽しめ、コストパフォーマンスもいい。そんなこと言われても平日は無理という方は、休日のランチで利用してみてはどうだろう。昼ビール(!)でも注文して、ノドを潤しながら、料理がやってくるのを待つのは、なんとも心地がよい。なかでも、一流ホテルは、そこに流れている空気感が一味違い、サービスも抜群だ。むろん、こちらもそれなりの服装をして出向く必要があるが、よそゆきの格好をすれば、その分、気分は盛り上がり、ちょっとした贅沢な時間を過ごすこともできる。
数々の政財界の大物たちが愛した「パーコー麺」を
キャピトル東急「オールデイダイニング オリガミ」で
ホテルでのランチで、特にこの暑い時期にもってこいなのが、食欲があまりなくてもスルスルと食べることができる麺類だろう。しかも麺類ならいくら高くても、数千円以内で済む。例えば、恵比寿ガーデンプレイスの一角にある「ウェスティンホテル東京」の「龍天門」。多くの著名人が通う名店の一つだが、ここの「冷やし担々麺」がいい。暑い時期なら冷やし中華、汁なし担々麺もいいだろうが、ここの「冷やし」は通常の暖かい汁あり担々麺をそのまま冷やしたようなかたちで出てくる。冷やしと言っても、汁のおいしさはそのままで、麺は細麺。麺と汁を交互に口に運ぶたびにノドが鳴る。そのひんやりさがたまららない。食べ終わると幸福感で一杯になるはずだ。
また、千代田区永田町にある「ザ・キャピトルホテル東急」は永田町が近いだけに、政治家や財界人、その周辺で働く多くの人たちが利用している。そんな政財界関係者がランチでよく食しているのが「オールデイダイニング オリガミ」の「パーコー麺」だ。ラーメンの上に揚げた豚肉(排骨)をのせたもので、価格は2500円強とランチとして少し値は張るが、それでも一流ホテルでの食事となれば、我慢もできる。ボリュームもあり、これで午後からひと仕事できるというエネルギーをもらえる。
実は、この「パーコー麺」はORIGAMIの名物料理で、多くの政財界人に人気がある。というか、彼らが好んで食べたからこそ、名物になったと言ったほうがいい。小泉純一郎元首相から現在の安倍晋三首相といった歴代首相や大臣ほか、著名な経営者たちもお気に入りだった。政治家に成り立ての人も、ここでパーコー麺を食べると、自分も政界の一員になれた気がするという。また、山崎豊子の小説でドラマ化された『不毛地帯』の主人公、壱岐正のモデルになった伊藤忠商事元会長で、政財界のフィクサーと言われた瀬島龍三も、当時のキャピトル東急に事務所を構え、ランチ時には、よくパーコー麺を注文したそうだ。
政財界人御用達だけに、いろんな人がやってくる。話のタネを得るつもりで一度行ってみてはどうだろう。まさに「人の行く裏に道あり花の山」で、食べるだけでなく、いろんな発見も得られるはずだ。
成功したいなら食べるべし!有名ホテルダイニングの極上麺
龍天門
オールデイダイニング オリガミ