【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#80】「極哩(ゴクリ)」
夕方以降営業開始のバーなどの飲食店の空き時間を利用してカレー店を営業する「間借りカレー」もすっかり定着してきました。開業資金が少なくて済むという利点もあり、今までよりもお店を始めるチャンスが増えたのは喜ばしいこと。
しかし同時に曖昧な部分もあり、そのあたりは間借り営業をする方たちにはくれぐれも気を付けてほしい部分だったりもするのですが、大手企業もこの間借り業態に参戦することによって、そのあたりの問題もしっかりと解決したお店も出てきています。
軒先株式会社と吉野家ホールディングスが共同で手掛ける「軒先レストラン」というサービスを利用し、飯田橋のイタリアンのお店で間借りカレーをスタートさせた「極哩」は、大手企業の協力のもと、正々堂々と9月より営業開始したお店なので、ホスピタリティの面でも安心です。
お店はなかなかの広さ。間借りカレーとなると狭いお店で一人で切り盛りというイメージが強いのですが、こちらは従業員も3名。気合のほどがうかがえます。
ビーフカレーを中心として日替わりカレーもあるメニュー構成。全部のせ的な「極 the WORLD」1,800円も一日5食限定であるということで、こちらをいただくことにしました。
ビーフと、この日の日替わりのスパイシートマトクリームカレー、ご飯の上にはキーマ。まわりに色とりどりの副菜。見た目はスパイスカレーに見える華やかなルックスですが、食べてみると違うことに気づきます。甘味や旨味が味の中心となっている個性的なカレー。
欧風カレーの進化系とも言えますし、欧風カレーとはまったく違ったカレーとも言えます。何かにつけてジャンル分けしたがる日本人ですが、ここのカレーはジャンル関係なく「とにかくおいしいカレー」ということで良いのではないでしょうか。それぞれのカレーが重なり合い、おいしさの体積を増していくような感覚。カレーの世界が広がっていき、まさにTHE WORLD! 食べた瞬間においしくて時が止まる。そしてそのおいしさを理解すると、止まった時がまた動き出すッ!
マスターは、カレー作りにハマり、スパイスの使用量を1gずつ変えていったり、投入するタイミングを変えたり、寝かせる時間を変えたりと、とにかくほんの少しずつの変化で味がどう変わっていくのかを科学実験のように繰り返していき、カレーの研究に没頭すること3年。ようやく多くの人が「おいしい」と言ってくれるカレーができたということで、こちらのお店を始めたのだそうです。
確かにその情熱を感じられる味。流行にとらわれることなく、おいしいものを追求した結果が味に表れています。そしてその成果が既に見えはじめており、ランチタイムど真ん中となると、なかなか広い店内が満席となる人気ぶりです。これからさらに成長していきそうなお店。行列店となる可能性も大いに秘めています。今のうちから行っておくべき、注目の新店ですよ!
※価格は税込