【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#107】「ザ ケンタローネ」
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三軒茶屋のビストロ「ドイーニョケンタローネ」が「ザ ケンタローネ」と名前を変えてリニューアル。2月からランチのカレー営業もスタートしました。
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こちらのカレー、スープドポワソンをカレーに仕立てたというビストロらしい珍しいカレーなのです。スープドポワソンとは南フランスの郷土料理で、魚介や香味野菜を使ったスープ。それをスパイスでカレーに進化させたというもの。
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ランチメニューは「本格スープドポワソンのカレー」1,320円がメイン。鶏肉入りか野菜入りか選べます。今回は野菜入りにして「いのししカレー」660円も追加。さらにトッピングで「パテドカンパーニュ」550円と「濃厚ウフマヨ」220円も加えて豪華なランチとなりました。色々と頼んだのでご飯は少なめでオーダー。
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まずスープドポワソンカレー。魚介や香味野菜の風味がしっかりと溶け出して融合したスープに、シンプルかつ的確なスパイス使いでギリギリカレーになっています。これが実に面白い。スープカレー的でもあり、出汁カレー的でもあるのですが、そのどちらとも違い、何かと言われればやはりスープドポワソンカレーと説明するのがベストであるような。それをあえてわかりやすく説明するなら、新感覚の出汁カレーとも言えるような、そんな料理です。
野菜入りということで大きくカットされたズッキーニやビーツ、じゃがいも等の野菜がたっぷりと入り、スープカレー的なサラサラ感と出汁カレー的なシャバシャバ感のどちらも感じられるサラシャバな舌触り。魚介のクセの部分がコリアンダーなどのスパイスで爽やかに隠されており、しみじみとおいしいです。
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いのししキーマも猪肉ならではの味わいが感じられ、やはりそのクセの部分がスパイスで程よくマスキング。どちらもちゃんと素材の味を残しつつ、それを活かしたスパイス使いなのです。
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トッピングしたパテドカンパーニュもウフマヨもビストロ料理らしいクオリティの高いもの。副菜も手抜きなく、満足度の高い一皿となりました。
ランチのカレーとしては決して安くは無い価格ですが、フレンチと考えれば激安であり、フレンチのミニコースに負けない満足感とおいしさで、むしろお得だと言えます。
ディナーにはこのカレーは無く、ワインに合う料理を色々と用意しているとのこと。お昼はカレーのみならずお酒とおつまみで楽しみ、〆にカレーという形でリーズナブルにビストロの昼飲みを楽しめるメニュー構成となっており、しっかりカレーを食べるのも、昼飲みに行くのも良いお店です。
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「スープドポワソンの魅力を一人でも多くの方に伝えたくて、カレーという形にして広まれば良いなと思って作ったんです」とシェフは語ってくれました。
スープドポワソンをカレーに仕立てたお店、他にもいくつかあるのですが、その中でもこちらは丁寧な仕事とあえてワイルドな部分も残した個性が感じられる味です。シェフに聞いたところカレーは独学とのことですが、だからこその自由さと、元々持っているセンスが感じられるスープドポワソンカレー。
気になった方は是非お昼に行ってみてください。
※価格はすべて税込