TOKYO HIP BAR vol.48

令和最初の“銀ぶら”はクレープとお酒を片手に

“銀ぶら”という言葉が最初に記録されているのは、1918年の文献といわれています。銀座が商業都市として著しく発展したことを背景に、銀座の人気を象徴するものとして生まれた言葉で、その語源は「銀座の街をぶらつくこと」、または「銀座の某コーヒー店でブラジルコーヒーを飲むこと」など諸説あるものの、この言葉が受け継がれてきたのは銀座の街が愛されてきた証といえます。

この銀座を楽しむスタイルとしていま流行しているのが、銀座の裏通りの路面にあるクレープ店からの“銀ぶら”です。そのお店、コーヒーとお酒のスタンド「パーラ銀座」が提案するのは“ショット&クレープ”のスタイル。ウイスキーやリキュールが多く揃い、お酒と合わせるクレープという新しい提案が魅力の同店は、連日観光客や若者が列をなす銀座の新名所となっています。こちらで提供するのは、ラム酒が練り込まれたクレープ。ほのかな甘さと中に入ったフルーツの酸味が合わさり、そのコンセプト通り、お酒との相性が抜群です。

東急プラザの裏側にひっそり佇むパーラ銀座は、銀座ならではのレトロモダンなスタイルです。行灯のような照明に、日本伝統柄である麻の葉の壁紙、作家物のグラスが並ぶ店内で、カウンターに腰をかけると、まさに“ハイカラ”という言葉が頭に浮かびます。

 

夜間にはバーとして多くのお客様が立ち寄るというパーラ銀座では、とりあえずの一杯はスコッチウイスキーのハイボールです。

「こちらでハイボールを提供するなら、海外のウイスキーが似合うと思い、スコッチウイスキーのデュワーズにしています」と語るのは、マスターの上杉俊佑さん。それに合わせるなら、「ビータチョコレイトバナナ」のクレープがオススメとのこと。デュワーズの穏やかな甘みはチョコレートによく合い、クレープとのベストなマリアージュが楽しめます。

「お酒自体に常連さんが付いているんです」と上杉さんが語るように、スタンドタイプのこちらの店舗で楽しめるお酒のラインアップには、ジャパニーズウイスキーの数々も。なかでも近年、海外からの人気も高まっているのが、秩父のウイスキー「イチローズモルト」です。値段が高騰しているイチローズモルトですが、こちらだとモルト&グレーンなら1,100円で、その他のラインアップも1,500円からと市場の半分程度の価格で楽しめます。

クレープは季節のクレープをはじめ、常時11種類以上がラインアップされています。好みのクレープを手に銀座の街を歩くことは、新しい時代の銀ぶらスタイルとしてこれからの歴史に刻まれそうです。

 

※価格は税別