おしゃれフードトレンドを追え! Vol.33

洒落た見た目でほっこりする美味しさ!も注目度アップの中東料理「フムス」

食べログマガジンのプロフィール文でも「好きな食べ物は豆類」と記載しており、とにかく豆好きの私としては、昨今の穀物&豆ブームは大変喜ばしいものがある。おしゃれ雑穀の代表がキヌアだとしたら、“おしゃれ豆”の代表は何と言っても「ひよこ豆」だろう。なかでも、ひよこ豆を使った料理「フムス(ハムス)」の人気がおしゃれ業界人の間でじわじわと広がってきている。

 

フムスとは茹でたひよこ豆にニンニク、オリーブオイル、練りゴマ、レモン汁、塩などを加えてペースト状にしたもの。こってり&しっとり美味で、ピタパンや野菜につけて食べられる軽食として、中東の人々の毎日の食事を支えている。エスニックな名前を聞くとたちまち興味を持ってしまうのがファッション系の人たちだが、ヘルシーで見た目もおしゃれとあって、持ち寄りのホームパーティでは今や定番メニューになりつつある。ペーストの上に好みでオリーブオイル、パプリカパウダー、クミンパウダー、パクチーを振れば、見た目も鮮やかなおしゃれフードができ上がる。

 

良質なナッツのようなフレーバーとなめらかな食感は、バゲットにリエットを塗るような感覚でヘルシーに楽しめる。ベジタリアンやビーガンが多い欧米ではより認知度が高いメニューだが、最近は日本でもカフェやデリでもポピュラーになってきた。

IVY PLACEの「えんどう豆のハムス、クリスピーガルバンゾーとザータースパイス」900円(税別)(出典:ケコちゃんさん

CICADAの「ひよこ豆のディップ “ハムス”」 950円(税別)(写真:お店から)

 

また、最近ではイスラエルワインにも注目度が高まっていることもあり、おしゃれホムパでは「これイスラエルのワインなの」というフレーズをよく聞くようになった。ちょっと珍しい国のワインはそれだけで素敵なのだ。イスラエルでは紀元前2000年頃にはワイン造りが発達していたと言われているように、背景にある古代のストーリーに想いを馳せるのもいい。そんなイスラエルワインと本格的なイスラエル料理を求めてイスラエル料理店を訪れる人も増えているようだ。今や東京でフムスを食べられる店は多彩で、専門店でないカフェやレストランでもメニューに取り入れられ、一般的にも知られるようになってきた。代官山のIVY PLACEや、青山のCICADAでもフムスは定番メニューだ。

イスラエルワインとともに本格的なフムスを堪能するなら:タイーム(恵比寿)

カジュアルな雰囲気のイスラエル料理を探しているのなら、断然おすすめしたいのが恵比寿のタイームだ。広尾と恵比寿の中間に位置する場所、小さめな店内にはキッチンを取り囲むカウンター席と窓に面した席はランチタイムからいつも満席だ。“タイーム”とは、ヘブライ語で「おいしい!」の意味なのだとか。

壁やテーブルの上にはヘブライ語がびっしり書かれていて、陶器や燭台、イスラエルの地図や案内などエスニックな雰囲気。イスラエル人のオーナーシェフは笑顔で客と話し、店全体が明るくて楽しい空気に包まれている。アートディレクターのアメリカ人客がスタッフと話していたり、私の隣の女性客は世界旅行好きで先週インドから帰ったばかりだとお茶のお土産を渡していたりと、国際的で平和なムードが漂っていた。

ランチセットの「ファラフェルプレート」1,580円 

ランチセットの自家製スープもスパイスが効いてやさしい味わいだ。

 

こちらでは保存料を使わないフレッシュな食材をイスラエルの調理方法で提供しており、ここのフムスは都内でもイチだと評判で、サクサク歯ごたえのファラフェルや野菜たっぷりのスープもクセになるおいしさだ。

 

広尾の多国籍食材スーパー「ナショナル麻布」にも惣菜棚にタイーム本店の作りたてフムスが並んでいるが、人気商品で店頭に並ぶとすぐ売れてしまう。こちらもぜひ一度ご賞味いただきたい。フムスは中東の人々の心の料理。ビーガンやスーパーフード熱の高まりとともに、豆料理が脚光を浴びている今こそ日常に取り入れたいメニューだ。