おしゃれフードトレンドを追え! Vol.31

雑煮、きな粉餅にお汁粉!年始は餅でスタート

あっという間に年の瀬。洋風のおしゃれなホムパを何度も楽しんだおしゃれ業界の面々も、年末年始は一気に和風気分になるようで、正月飾りやおせちの準備に余念がない。年に2回のコレクションや展示会があるように、毎年恒例のイベントごとを重要視するのがファッション業界の人々。食材にも季節感を取り入れて、その時だけしか味わえない美味しさを追い求める。そこで、年末年始にこそ盛り上がるのが餅だ。

 

「出身地どこ? あ、九州なんだ。じゃあお雑煮は丸もちでしょ?」「え、北海道? じゃあいくら入ってるの?」など年末の撮影時に毎年繰り返される会話、それが雑煮の具トーク。ほんと、イベントごとが大好きなのである。

玉子ふわふわのお雑煮:紀の善

出典:miffhさん

 

東京でも絶品のお雑煮が食べたくなった時には、1948年創業の神楽坂にある老舗甘味処「紀の善」に行くのが寒い季節のお楽しみだ。甘味処なのであんみつ、お汁粉、抹茶ババロアなどのほか、春には苺あんみつ、夏はかき氷や白玉ぜんざい、冷やしじるこ、秋冬は粟ぜんざい、くずもちなど、四季折々のメニューを食べられる。秋冬限定の玉子雑炊は年始に食べたいメニューとしておしゃれ業界人も夢中の様子。品の良いお出汁にふわふわの玉子が乗っていて、汁の中には小さめなで焦げ目の付いたお餅が二つ・黄色っぽい素麺・かまぼこ・三つ葉で出汁つゆに柚子が入っている。出汁つゆは鶏塩仕立ての上品な味わいで、ふわふわな玉子や素麺ともよく合う。よく伸びる柔らかい餅、鶏塩のつゆがジーンと身に沁みる。

都会のグリーンを眺めながら老舗のお汁粉を:虎屋菓寮 赤坂店

この秋リニューアルオープンした新赤坂店は、外観を全てガラス張りにし、自然光をとり入れた明るい店内が特徴。半個室席や外を眺められるカウンター席、テラス席なども用意されている。いつも混雑の菓寮では、和菓子が売り切れることが多いが、お汁粉(1,200円・税別)は比較的いつでも食べられるので安心だ。上品な餡の甘み、小さめのお餅の焼き加減、ふっくらとした小豆の粒、そして添えられた塩昆布の奥深さ。全てが完璧なバランスだ。温かく甘いものがあれば午後の仕事も乗り切れる。

老舗韓国料理店の隠れた人気デザート:焼肉・薬膳 雑草家

絶品お餅 600円(税抜)(写真:お店から)

 

本格的な焼肉と薬膳鍋が有名な韓国料理店だが、隠れた人気メニューが最後に食べる餅。小さな丸く柔らかい白餅をちぎり、ハチミツをつけて、黒胡麻やきな粉餅、抹茶をつけて食べる。これが本当に絶品! 日本の餅の食べ方とは一味違う美味しさで、「絶品お餅」とメニューにうたっているのも納得できるはずだ。

 

柔らかで真っ白なお餅は、食べる人を幸せな気分にしてくれる。普段の磯辺焼きや、きな粉餅も十分魅力的だが、たまには変化のある食べ方を探してみるのもいいもの。新しモノ好きのおしゃれ業界人たちが好むのは、古風な店の通な食べ方。コンサバなのにどこかひねりがある食べ方、が通好みするらしい。