〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!
さかなのさけ(東京・根津)
2024年2月、根津駅から徒歩6分ほどの場所に、お酒好きにはたまらない優しい味わいの料理とこだわりの日本酒が楽しめる「さかなのさけ」がオープンしました。1987年に大阪・南船場で開業した同店。店主の田中 秀嗣氏がうまい純米酒・吟醸酒と出会い、こういう日本酒をきちんとした料理と合わせたら自分でもいい店ができると思ったのがきっかけだそう。
当時ほとんどの店は大手ブランドの特級一級二級酒の区分けでしか提供しておらず、日本酒のステータスはワインよりはるかに下。その後1990年前後に吟醸酒ブーム、さらに純米酒ブームがあって日本酒への認識は大きく変わりました。
2004年、東京・六本木に移転。さまざまな飲食店が軒を連ねる六本木で、カウンター割烹のように気軽においしい酒の肴が楽しめると、多くの人から愛されてきました。2021年末、立退きで移転を余儀なくされ、惜しまれつつ閉店。落ち着いた住環境を求めて、自宅を六本木から古い建物やお寺がたくさんあり穏やかで心地よい空気を感じる谷中に移しました。
縁あって自宅近くに物件が見つかり、2年の休業期間を経て再オープンとなりました。奥様の「えっちゃん」が料理を担当し、田中氏が料理に合わせた日本酒をチョイスしてくれます。「二人とも飲食店の経験ないまま開業し、師匠もいませんが、自分たちが納得できることしかやらないよう心がけています」と田中氏。
店内は木の温かさを生かしつつ、いかにも和風な造りにならないよう設計士さんにお願いしたそう。看板は六本木の時のものをそのまま使用し、ずっと愛用している水屋も健在。掃除をしっかりするよう心がけているとのことで、清潔感があり落ち着いた空間です。客席は無垢の木のカウンターに10席ですが、予約状況により11席まで使用可能。初めて出会ったお客さん同士が、昔からの知り合いのように会話がはずむこともある、アットホームな雰囲気です。
看板メニューの「自家製ひろうす」700円は、木綿豆腐と練り込んだ銀杏などの野菜、そして昆布をきかせた関西テイストのだしのハーモニーが楽しい一品。だしをたっぷり吸ったひろうすの身体に染み渡るようなおいしさは格別と、ほとんどの客が注文し、汁までしっかり飲み干します。
ベースになる中華スープを丁寧に作れば誰でもおいしく作れるという「エビと豆腐の辛味炒め」1,700円は、同じようなものを自宅で作ったという人が「似てあらざるものしかできない」と、やっぱりここで注文する人気メニュー。エビのうまみたっぷりで、ピリッとした辛さが食欲をかきたてます。
他にも信頼する産地から取り寄せた鮮魚を使ったお造りや「干貝柱の春巻」1,400円、「河内合鴨ロース塩焼き」1,800円など、お酒のすすむメニューが豊富に並びます。お酒は大阪の酒屋から仕入れているそうで、他ではあまりお目にかかれない珍しい日本酒との出会いも同店の魅力。季節に合わせた飲み頃の銘柄を常時8種類前後用意しています。「2月に再オープンした際、『おめでとう』はもちろん、多くの方から『またやってくれてありがとう』の言葉をいただき、店主冥利に尽きます!」と話す田中氏。ご夫婦の醸し出す温かな空気感も心地よく、一度訪れればまた来たくなる素敵な居酒屋です。
食べログレビュアーのコメント
『六本木時代からのファンです。
ご夫婦お二人で、美味しいお酒と出汁香るお料理で迎えてくださいます。
旬の野菜やお魚を、美味しさを引き出すえっちゃんと、接客担当のおいちゃん。
カウンターでゆっくりされたい方にオススメします』(assaggioさん)
『◆えび•豆腐辛味炒め
魚の和食メインのお店で目を惹く中華メニュー。
賄いから産まれたそうでこれが大当たりでした。
マグロ炙りと鯵の薬味和えも最高です』(ドラゴンAMさん)
※価格はすべて税込。