餃子のイメージが激変! 塚田さんの推しメニューはこの4品

フレンチの技を活かした定番メニュー「丸虎餃子

「丸虎餃子」(1人前5個)451円

洋食シェフ出身の吉田さんが作る餃子は、創作餃子だけでなく、ベースとなる餃子にも洋食の技術を活かしている。
定番商品「丸虎餃子」の餡は、洋食のテリーヌに倣い、豚ひき肉と塩をあわせてしっかり練り上げることで肉のうまみと食感を引き出し、さらに野菜の甘みも感じられる仕上がりとなっている。

また、脂肪が甘く肉質がやわらかな群馬の銘柄豚「上州せせらぎポーク」など、素材も厳選。皮は製麺所にレシピを渡してオーダーした“中厚”の皮を使用することで、カリカリともっちり、両方の食感を実現させている。

 

塚田さん

創作餃子のすごさを支えているのがベースとなっている「丸虎餃子」です。一見普通の羽根付き餃子に見えますが、フレンチのテリーヌ作りの技術を応用した餡には肉汁とうまみがギュッと詰まっています。

特徴的なレース状の羽根も、フランスの焼き菓子「チュイル・ダンテル」のテクニックを応用。小麦粉などを溶いて薄く焼き、適量の米油を加えることで美しいレース状に。カリッと軽い食感がシンプルな餃子の味わいを引き立てる。

洋食のソースの味を活かせるよう、基本的にニンニクは不使用

口にしてみると、肉や野菜のうまみはしっかり感じられつつも、重さが残らないさらりとした味わいに気づく。そこは計算して仕上げていると吉田さん。
「よく“肉汁”と言われますが、その正体は後から加えている脂。多いとその分カロリーも高くなります。何より、食べる時にこぼれてしまうのがもったいない。ですからうちの餃子は、加える油脂の量を一般的な餃子の半分程度に。さらに野菜の水気をしっかり絞っておくことで、野菜が汁を吸うようにしています。うちのは “肉汁らない”餃子なんです(笑)」
油脂が少なくシンプルな味わいだからこそ、老若男女問わず食べやすく、冷めてもおいしく食べられる。

 

塚田さん

リンゴ酢やはちみつ、トマトなどを使った丸虎オリジナルの甘酢ソースをつけて食べるのがおすすめ。

つけだれとしてついてくる甘酢ソースも、同店ならではの特徴。
リンゴ酢の爽やかな香りと酸味、はちみつの優しい甘み、さらにトマトだしのさっぱりとしたうまみが、餃子の味わいを軽やかにランクアップ。想像以上の相性の良さに、自然と箸が進む。

イタリアンとのフュージョン「ボロネーゼと餃子オーブン焼き」

チーズまみれのボロネーゼソースの下から、餃子がお目見え

基本の「丸虎餃子」に、お肉たっぷりで赤ワインを利かせた本格ボロネーゼソースをかけた「ボロネーゼと餃子オーブン焼き」(1人前4個)825円は、見た目と味わい両方で楽しめる一品。

 

塚田さん

自家製のボロネーゼソースと山盛りのパルメザンチーズがかけられたインパクトのある見た目。イタリアンな感じですが、パスタとは異なりしっかりと餃子として楽しめる、イタリアンと餃子がフュージョンした逸品です。

怒涛のチーズ削りにカメラを向ける人も多い。完成形はまるで雪山!

テーブルに届くと、スタッフがパルメザンチーズを削り、ゲストが満足するまでたっぷりとかけてくれる。餃子の山にチーズの雪が降り積もっていくかのような様子は、食べる前から盛り上がること間違いなし。
そして味わいは、肉が多めで風味豊かなボロネーゼソースとチーズのまろやかさとコクにより、あっさりした丸虎餃子が一気にイタリアンなテイストに。ワインのつまみにもおすすめだ。

フワフワ×もちもちの新食感「水戸藁納豆のフォームともちもち水餃子」

タピオカの原料であるキャッサバ粉を加えた自家製の皮でエビ、ひき肉、長ネギ、白菜などの餡を手包みしている水餃子は、その名のとおりもちもちの食感が特徴。

中でもコースメニューとして提供される「水戸藁納豆ともちもち水餃子」は、餃子好きにも納豆好きにも新鮮な驚きがあるメニュー。

「水戸藁納豆のフォームともちもち水餃子」(1人前2個)※基本はコースメニュー。事前に予約すれば単品でも提供可
 

塚田さん

モチモチ食感の水餃子の上からふわふわの納豆ソースがたっぷりかかっています。納豆好きにはたまらない餃子です。

風味豊かな藁納豆を、あごだしを煮詰めて作った塩や卵とともにブレンダーにかけたフワフワのフォームは、臭みやクセのない優しい味わい。水餃子にのせたわさびの茎漬けが絶妙なアクセントに。

泡ソース「エスプーマ」を思わせるなめらかな舌触り、繊細に広がる納豆やだしの風味、水餃子のプリプリもちもち食感と、さまざまな魅力が凝縮された一皿だ。

前菜としても楽しめる「冷製ジェノベーゼ餃子」

盛り付けの美しさも魅力。「冷製ジェノベーゼ餃子」(1人前5個)715円
 

塚田さん

氷水で冷やした水餃子の上から自家製のバジルソースとバルサミコソースがかかっています。冷たくても硬くならないタピオカ粉入りの皮がポイントです。前菜的にも楽しめる餃子です。

冷やしてよりもちもち感を高めた水餃子を、バジル、イタリアンパセリ、冬は春菊、春はアブラナなど季節の野菜と、生クリームをミックスしたなめらかなソースで和え、仕上げにバルサミコソースをかけた「冷製ジェノベーゼ餃子」。
香草の香りが強すぎずクリーミーでフレッシュな味わいのソースが、水餃子によく合う。前菜としてはもちろん、焼き餃子の合間のリフレッシュにもうってつけだ。

当初は夏季限定だったが、秋以降も問い合わせが多かったことから通年メニューに。水餃子は温かいものでもオーダー可能だが、冷やして生地を締める冷製の方が、よりもちもち感を楽しめておすすめだ。

店で餃子三昧のほか、家庭の食卓やお弁当用にも

「どの国の何料理かにこだわりはありません。共通しているのは、おいしい餃子であることだけ」と吉田さんが語るように、ボーダーレスに餃子を味わえる「餃子専門丸虎」。
餃子の新たな扉を開いてみたい方はぜひ訪れてみてほしい。
コースは料理6品2時間飲み放題付き3,850円〜を目安に、予算に合わせたメニューを相談できるほか、店舗の向かいに立つ工房ではテイクアウト商品も販売。家庭の食卓やお弁当用にも要チェックだ。

※価格はすべて税込

文:當間優子、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ