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ガツンと肉汁あふれるグルメバーガーの台頭、あふれんばかりの具だくさんサンドイッチにわいた2017年。今年最後に攻めておきたいのが、お魚を使ったサンドイッチやハンバーガー。魚のおいしい日本ならではの個性あふれるラインナップは、世界にむけてアピールしたくなるほど。新店、専門店、ベーカリーカフェの3軒から、看板メニューご紹介。ぜひ、全メニュー制覇をめざして。
1. 寿司職人の粋が宿る、フィッシュバーガー
飲食店経験のある岡田茂さんと、元寿司職人の工藤慎也さんらが、インバウンドはもとより先々は海外にも通じる専門店を立ち上げたいと一念発起、日本初のフィッシュバーガー専門店としてオープンしたのが、中目黒にある「デリファシャス」。
店の内装も日本らしいものをとイメージしたのは、なんと銭湯! 岡田さんらスタッフ、内装を担当したデザイナーもお風呂好きということで一致。キッチンまわりの壁にはポップなカラータイルを配した。
オープンキッチンを横目に、一段上がったところにカウンタースペースが10席。
キッチンを仕切る工藤さんは、「銀座 青空(はるたか)」出身。寿司職人が作るフィッシュバーガーということでそのめずらしさが先行しがちだが、試行錯誤を経て生まれたメニューの数々は、アイデア、味わいともに完成度の高いオンリーワンの仕上がりだ。
バーガーとなることで、さらにおいしくなる魚
今回紹介するのは、「昆布〆フィッシュバーガー」、「西京焼きの最強バーガー」の2品。カラリと揚がったジューシーなフィッシュフライも、ふっくら焼き上がった西京焼きも、そのままでも十分においしいもの。しかしそれを具材としバーガーとして、さらにおいしいものに仕上げるために試行錯誤の上辿り着いたのは「ソースの大切さ」だったそう。
程よいボリュームがありながら、高さのある美しい立ち姿。「昆布〆フィッシュバーガー」950円
言わずもがな、バーガーは、バンズと具材を一緒に口に入れ食べるもの。魚の具材を引き立てながら、サンドされてこその一体感のある味を演出することが大切。バンズ、魚の具材、野菜の持ち味をいかしつつ、それらをさらにまとめ上げるソースの役割に気がつき、とことん追求した。アクセントとしてバンズに和辛子を塗って挟む。
「昆布〆フィッシュバーガー」には、かつお出汁をベースとした豆腐ソース。フィッシュフライの軽妙な食感を壊すことなく、昆布〆された白身魚の旨さを引き立てる。
「西京焼きの最強バーガー」1,050円
一方、西京焼きにはチーズソースを。味噌とチーズの相性のよさにヒントを得たとか。淡路島産の玉ねぎの甘みと、爽やかなトマトの酸味があいまって、西京焼きの魚を盛り立てる。
バンズも野菜も、魚具材をひきたてるために一工夫
ふかふかのバンズは、高田馬場の「馬場FLAT」に特注。食パンに近いやわらかい噛み応えが、魚の具材となじむ。
下に敷くのは、“たくわんキャベツ”。築地にあるお気に入りの漬け物屋のたくわんを細かく細かく刻み、炒めたキャベツと和える。たくわん特有のコリコリした食感と、ほんのりした甘みがメインの具材と好相性。1日寝かせほどよくキャベツの水分が抜け、旨みがしみこんでいる。
また、どのバーガーでも何かしらフレッシュな野菜を挟むなど、ぬかりがない。日本初、本格的なフィッシュサンドをめがけて駆け込みたい。
2. 自家製酵母のパンを使った、サバサンド&ツナカレーサンド
4年前となる2013年、グルメが集う町・荻窪にオープン以来、地元の人々はもとよりパン好きの間で話題のベーカリーカフェ、「えだおね」で人気の魚パンを紹介。
銀行員時代、ロンドンに赴任していたときにベーカリーカフェで過ごしたという、オーナーの竹内仁さん。いつか、おいしいパンと過ごせる“サードプレイス”のようなカフェをつくりたいという思いから「えだおね」をオープン。
口にいれて安心して食べられるものをモットーに、サンドイッチを含むパン生地は一部をのぞいて自家製酵母で作られる。カフェメニューのサンドイッチは、一番おいしい状態で食べて欲しいということと、新鮮なものを使っていることもありイートインオンリー。店頭に並ぶパンやケーキももちろんイートインOK。オーブンでリベイクしたり、好みのサイズにカットしてくれたりもする。
店内のほか、外にはテラス席が。犬同伴もOK。
パンの持つおいしさの可能性を広げてくれる、魚パン
パンのおいしい食べ方を提案したいという思いから、世界のさまざまなサンドイッチをメニューに加えることに。その第一弾として登場したのが、土日祝日限定で登場するサバサンド。
トルコのサバサンドを意識して、シミットというパンを使用。本来ドーナツ型だが、食べやすくサンド用に形をアレンジした。具材は、オリーブオイルでフランベしバルサミコ酢で味を調えたサバ、ルッコラとスライス玉ねぎ。そして、総菜としても人気のキャロットラペ。新鮮なサバは臭みがなく、しなりのあるフランスパンの生地が、サバとフレッシュな野菜をとりまとめる。パンの上の白ごまもほどよいアクセント。
一方、元祖・魚サンドともいえるツナサンドも「えだおね」の手にかかると、より本格仕様に。パンは、雑穀の入った食パン。具材は、カレー粉とマヨネーズであえたツナと歯切れのよいレタス。もちもちとしたシリアルパンの食感と、ツナのフィリングが好相性。添えてあるピクルスももちろん自家製。ヘルシーなのにしっかりした味わいで食べ応えもあると、ベジタリアンにも人気だそう。
サバサンド、ツナカレーサンドともに、600円。ドリンクセット(コーヒーまたは紅茶)にしても850円とカジュアルなプライスも魅力的。年内は12月31日まで。年明けは1月6日から営業開始。
3. サンドイッチ専門店が作る、具材が自慢の本格派
最後に紹介するのは、日替わりで40種類以上のサンドイッチを提供する専門店「虎の門3206」。ショップのコンセプトを“プロのためにプロが作るお菓子とパンの工場”と掲げるように、見た目も美しく本格的な味わいのサンドイッチがずらりと並ぶ。
今回、多彩なラインナップから選んだのは、ボリュームたっぷりのサーモンサンドと、魚パンの定番ツナサンド2種がエントリー。
築地で仕入れた鮮度抜群のサーモンを大胆に挟んだサンドイッチ。絶妙な火入れ加減で、ほんのりピンクに色づいたサーモンの断面が食欲をそそる。薄い衣のサクサクとした食感と、軽やかなタルタルソースが奏でるおいしい三重奏は、サーモンサンドの新しいスタイルとして、目で舌で楽しませてくれる。「サーモンフライタルタルサンド」580円。
栄養価の高さから人気の高いアボカドと、ツナのサンドイッチ。厚めにスライスされた濃厚なアボカドと、油切りされたたっぷりのツナがほどよく口のなかで調和し味のバランスは良好。シンプルながらしっかりおいしい、ヘルシー派におすすめしたいとっておきだ。「ツナアボカドサンド」480円。
ニューヨークで人気のアボカドサンド。こちらは、アボカドに加え、ゆで卵とツナを挟んだオリジナルメニュー。卵が入ることでコクとまろやかさが加わり、味わいに広がりが。アボカド×ゆで卵×ツナのおいしさに開眼する、スペシャリテ。ボリュームたっぷりなのもうれしい。「アボカドトースト」480円。
パンはすべて、サンドイッチ用に作られた自家製の食パン。絶妙な厚みと柔らかさで、具材を存分に引き立てている。具材によっては、生パンとトーストパンを使い分けているのも、専門店ならでは。豊富なラインナップのなかから、あなた好みのお気に入りを見つけてみては。
3206 本店
東京都港区虎ノ門3-20-4 クレジデンス神谷町1F
電話03-6435-7933
営業時間:8時~20時、土日9時~18時
休:お盆、年末年始