No Butter、No Eggs、なのにおいしい!

開店の11時にはお菓子が勢ぞろい。ぜんぶ買いたい!

「バナナブレッド」の他には「クッキー」「マフィン」、そしてオリジナルで開発した新食感の「スコッキー」があります。商品はすべて卵と乳製品を使用しておらず、可能な限り国産やオーガニック食材で作っています。バターを使っていないので驚くほどたくさん食べられるし胃もたれしにくい。だから朝からマフィンを2つにクッキーを追加で頬張る人も多いとか。またそれぞれに甘いものと塩気のあるものが用意され、老若男女に喜ばれています。

スコッキー

「スコッキー」は常時4〜5種類を焼いています

「スコッキー」とは何かというと「スコーン」と「クッキー」の“いいとこ取り”したオリジナルのお菓子。(写真右上から時計回りに)ザクザクした食感が舌を楽しませてくれる「グラハム」(380円)、ガーリックがガツンと効いた軽食感覚の「ガーリックペッパー」(400円)、抹茶の風味からのチョコレートの甘みがたまらない「抹茶チョコレートチャンク」(400円)、定番の組み合わせで人気の「メープルウォルナッツ」(380円)など、どれも“しっとり”と“ホロホロ”がミックスされた今までにない食感。これはクセになります。

マフィン

左「コーンブレッド」(500円)、右「ブルーベリー&クリームチーズ」(530円)

マフィンの王道である「ブルーベリー&クリームチーズ」は甘すぎず、中華風蒸しパンのような食感です。ヴィーガンクリームチーズを使っていますが、ヴィーガンだと言われてもとても信じ難いコク。

「コーンブレッド」はコーングリッツのツブツブ感が心地よく、コーンもたっぷり! 塩味の食事系ですが、コーンの甘さが際立っています。アメリカ人がこよなく愛する家庭の味、素朴だけど一口食べた瞬間から“おいしいの世界”が広がります。

クッキー

手前「インポッシブルチョコレートチップ」(290円)と奥「抹茶ラテマーブルクッキー」(290円)、コーヒー(アイスまたはホット 500円)

クッキーはザクザク系とぷっくり分厚い系の2種類。ザクザク系はオートミールクッキーなのでヴィーガンな上にグルテンフリーです。動物性原材料を一切使わないのにコクも甘さもしっかり感じる。まさに”Impossible(不可能な)クッキー”なのです!

ドリンクも徹底的にこだわる!

またドリンクにもこだわりがあり、特にコーヒーは“ovgoの焼菓子にこのコーヒーあり!”というくらいマッチしています。そのスペシャルなコーヒーはアメリカ西海岸「VERVE COFFEE ROASTERS」のオリジナルブレンドと、土日限定で京都「COYOTE」の豆を使っています。紅茶は国産の茶葉を使った「アールグレイ」と「クラフトティー」。そしてぜひトライしてもらいたいのが「1883 メゾンルータン」のシロップを使った「ソーダ」です。

アルプスの天然水が生んだ自然派シロップ「1883 メゾンルータン」を使った「アメリカンチェリーソーダ」(550円)は色も可愛い!

アルプス由来の天然水とサトウキビを使用した保存料ゼロのフランス産「1883 メゾンルータン」はノンコレステロールのヴィーガン認証シロップです。「シロップは東南アジアで作られることが多い中、すべてがメイド・イン・フランス。そのまま飲めるくらいクオリティが高くすっきりとした味わいのシロップをソーダで割るだけなのですが、これが目をみはるおいしさ!

素敵な縁がつながって完成したヴィーガンをフェアに楽しめる空間

おいしいものを食べることが大好きなメンバーが、それぞれの得意分野を活かして立ち上げた「ovgo B.A.K.E.R」。誕生のきっかけはオーナーの溝渕がアメリカを周遊した際に出会ったヴィーガンベイクでした。

「日本ではまだまだ特別感があるヴィーガンですが、アメリカだと普通に生活の中に溶け込んでいます。ヴィーガンショップでなくてもオプションとしてヴィーガンメニューがあって、それが当たり前のこととして受け入れられているのです。しかもおいしくて、可愛くて。そんな誰もが食べることをフェアに楽しめる空間を作りたいねって3人で話してこのお店を作りました」と話すのは、主にPRを担当する松井映梨加さん。

ovgoを立ち上げたメンバーの一人、松井映梨加さん

小麦粉、砂糖、胚芽米油と、豆・大麦・ココナッツなど植物性のミルクが基本のレシピ。オープン時のメニューはアメリカのヴィーガンレシピをベースに立ち上げメンバーで考えたものですが、新しいフレーバーの多くはスタッフからのアイディアだそう。それを試作して商品化していくのが“ovgoスタイル”。スタッフはもともとこの店のファンだった人がほとんど。だから次々とアイディアが生まれ、新商品ができあがります。自分の考えたものがお店に並ぶとそれはそれはうれしくて説明にもつい熱が入ってしまうそうです。どのスタッフも本当に楽しそう!

江戸通りを眺めながら思い思いの時間を過ごすことができるイートインスペース

「スタッフも、お店を設計してくれたデザイナーさんも、ロゴを作ってくれたアーティストさんも食材も、不思議と縁ができ、集まってくれました。このお店は素敵なつながりでできているんです」と松井さん。

ディスプレイにもこだわりを感じます

「Oganic、Vegan、Glutenfree、as Options」の頭文字を取った「ovgo」。松井さんは一つの選択肢としてヴィーガンが存在して欲しいと言います。日本ではヴィーガンというと“制限”ばかりが目立っていますが、アメリカでは例えば「乳製品を摂らない→牛を育てない→酪農や輸送に使うエネルギーを削減できる→環境を守る未来につながる」というように大きな意味で捉えている人が多いと感じたそう。普通のレストランやカフェのメニューの中にヴィーガンもある、そんな気軽さで良いと思うのです、と。

人、商品、空間、何もかもが魅力的!

「専門家じゃないから作れるものってありますよね。私たちは元々はお菓子のプロではありませんでしたが、あまりストイックにならずに、まずはヴィーガンっておいしいんだというところから気軽にスタートしてもらえれば。だから価格もできる限り安く提供して、毎日立ち寄っていただける“街のお菓子屋さん”でありたい」と話す松井さん。

はじめは興味本位で訪れたのに毎日通う常連さんになってしまう人もいるという「ovgo B.A.K.E.R Edo St.店」。なかには、平日には一人で訪れるサラリーマンが、休日に妻と子どもを連れてくることもあるのだとか。行列にも納得の魅力にあふれています。

ovgo B.A.K.E.R Edo St.店(オブゴベーカー エドストリート店)
住所:東京都中央区日本橋小伝馬町10-8 1F
電話:03-6667-0328

※価格はすべて税込です。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

取材・文:高橋綾子
撮影:大谷次郎