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昼から“おいしい”はしご酒! vol.8 新宿三丁目編
酒場にも精通し、音楽界の食通としても知られる“グルメ番長”小宮山雄飛さんが教える、昼からお酒を楽しめる店を紹介する連載。まだ明るい時間から飲みはじめ、ランチやおいしいアテを食するのは至福のひととき。一軒だけにとどまらず、また一軒とついはしご酒をしたくなる名店を、編集部おすすめの店、食べログでの人気店とともに3軒教えます。連載第8回は、朝から夜まで楽しめる新宿三丁目周辺で昼から酔いしれます。
【小宮山さんおすすめの店】モモタイ

今回、小宮山さんが紹介する店は、新宿二丁目のややディープな歓楽街にある、店主モモさんが営むカジュアルな本格タイ料理「モモタイ」だ。月曜以外24時間営業という便利さと、本場タイで学んだ本格的な味わいの豊富な料理で、一日中人気を博する。小宮山さんが推す名店で、昼飲みがスタート!
お酒がすすむ本格タイ料理を24時間楽しめる名店へ潜入

約10年前、新宿二丁目のガールズバーの横にあったカウンターのみのお店が原点。「せんべろ」が流行り、その初代のお店時代から小宮山さんは度々、麺ランチをお目当てに訪れていたという。その後ラープムーのオリジナル麺“からーぷ麺”が“モモタイラーメン”として進化し、現在の場所に「モモタイ」として復活を遂げた。ここが入り口?というような小路にある店構えや、本当にタイに来たのでは?というようなラフな空気感が流れ、新宿らしい客層もユニークだ。

味わい深いクラマト(はまぐりエキスのトマトジュース割り)が、昼飲みの爽やかなスタートに最適。
飲みながら豊富なメニューから料理をセレクト

まず頼みたいお酒に合う前菜といえば、揚げ物! 破格な値段もうれしい限り。

きくらげ、春雨、ニンジン、たけのこと、たっぷりぎっしりと具沢山!

小さくカットされたサクサクの揚げ春巻きをつまみながら、すぐに1杯目のグラスが開くはずだ。
コスパが良くカジュアルだけど味は本格派!

お店の看板的シグニチャーメニューでもある「ラープムー」430円は、スパイシーな豚ひき肉をサラダ仕立てにしたタイ北部の郷土料理。「色々な地方にあるタイ料理ではありますが、南部に比べて北部のランナー地方チェンマイなどがおいしい!」と、店主モモさんが北部のタイ料理を研究して学んだ味だそう。

「お酒にぴったりなんです。僕はピッポンを投入して辛さも堪能します」と、小宮山さんが必ず頼む一品は、病みつきになるスパイシーさが魅力だ。「ラープムー」に麺を合わせた「モモタイラーメン」も人気。

タイの唐辛子の粉「ピッポン」は、なんとタバスコの40倍の激辛! 50g 500円、500g 3,000円の販売も。どの料理にも合うとのこと。
ちゃんとおいしい料理があるからまた来たくなる
海老の濃厚で豊潤な香りが堪らない、頭つき海老の春雨蒸し「クンオップウンセン」。しょうが、にんにく、セロリ、玉ねぎなどのほか、アサリやカピ(オキアミや海老を塩漬けにし発酵させたタイの独特なペースト)を少々使用した出汁が、春雨に染み込んでいて豊かな風味を楽しめる。

「料理の量が少なめだから、お昼に飲みたい気分の時に最高なんです。本格タイ料理を食べながら飲めるお店って本当に貴重で……。屋台っぽくもあるラフな雰囲気も気に入っているし、居酒屋っぽくも使えるって少ないから、唯一無二な存在なのかも」と、小宮山さんはウーロンハイのジョッキを片手に、このお店への愛を語る。

飲んでいてもやっぱり食べたくなる〆のガパオ
がっつりと飲んでいても、〆にはちょっとお米を欲してしまう小宮山さん。人気の「ガパオライス」は、ひとり飲みの際はミニサイズ(390円)おすすめだそう。ミニガパオライスは卵がトッピングされていないので、お好みでプラス100円で目玉焼きがトッピングできる。とろーり黄身があふれ出す卵をトッピングしてアレンジするのが、小宮山流だ。

「歴の長いこちらは、昼はサラリーマンで賑わいテイクアウトのお弁当なども人気で、深夜から朝にかけては新宿界隈ならではのさまざまな人の交差があり、不思議な外国に来た感が味わえるダイバーシティなムードで、昼飲みにもぴったりな面白いお店。長年通ってしまうのは、やっぱり本当においしいタイ料理があるから」と語る小宮山さん。

飲みながらでもちょうどいいミニサイズがあったり、生春巻きが1本から注文可能だったり、おひとりさまにも優しいのだ。「1人でもしっかり食べられて1、2品サクッともいい。それでいて2人で来るのにも時間を選ばないから、飲みたい人、食べたい人が自由にできるのもいいんです。バーとかではなかなか本当においしい料理は食べられないので、ちゃんと食べられておいしい飲み方ができるこちらは大好きです」。本格的なタイ料理をつまみながら昼飲みできる、新宿の名店へ足を運んでみては?



