【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#178】「お茶の水、大勝軒」
今週は「大勝軒」のご紹介です。ご存じの方も多いでしょう。つけ麺ブームの火付け役となったあの大勝軒なのですが、2024年7月6日に4年の時を経て復活した「お茶の水、大勝軒」は他の大勝軒と大きく違う点があります。それはカレーでも評価され、ファンが多いということ。何しろ日本最大のカレーフェスと呼ばれる「神田カレーグランプリ」で優勝をはじめ各賞を受賞し、他のカレーフェスでも受賞経験があるという、カレーだけで見ても凄まじい経歴なのです。
お茶の水、大勝軒のシェフ・田内川さんは幼少期より東池袋の大勝軒に食べに行き、その味に感銘を受けて通ううちに、自然と働くようになったという大勝軒の申し子的存在。だからこそ大勝軒の山岸さんと共に創業時の復刻メニューの開発を任されたわけですが、カレーライスも創業時のレシピを再現したもの。昔ながらの昭和カレーであり、これも懐かしいおいしさなのですが、僕のおすすめは「スパイシードライキーマ」1,500円。
しっとりとジューシーなキーマカレーの上には卵黄とカスリメティ。ご飯の周りには中東のミックススパイスであるデュカが添えられているというスパイスカレーなのです。スパイスカレーでありながら中華感も失っていない独創的な仕上がり。
黄身を割り、デュカやカスリメティと共に口に運べば、香りも食感も良く立体的なおいしさを堪能できることでしょう。
そして大勝軒名物のもりそばのカレーバージョンも忘れてはいけません。「もりカレー」1,300円に「チャーシュー」400円をトッピング。大勝軒らしい酸味と甘みが特徴のつけ汁の上に復刻版カレーのルウがかかる2層式。
つるっとした食感の麺をカレーにつけて食べ、カレーの下のつけ汁につけて食べていくうちに、カレーとつけ汁が渾然一体となり、味が変化していくのが楽しいです。チャーシューもしっとりとした食感で満足度を高めてくれるトッピング。僕はいつもこれを食べる時は麺にブラックペッパーをしっかりとかけていただくのですが、スパイス好きにおすすめの食べ方です。
どちらも相変わらずのおいしさで懐かしくなりました。相変わらず、というのは、お茶の水、大勝軒は2020年に建物の建て替えにより一時閉店。その後、田内川さんは山岸さんの故郷である長野県山ノ内町に「山ノ内大勝軒」をオープンさせていました。それが4年ぶりに戻って来たというわけです。
以前の店舗は2階にあり、階段を上らないと入れませんでしたが、新しい店舗は1階で入りやすいです。店内は食券制、カウンターでのセルフサービス方式で活気があり、混んでいても回転が速いのは長年人気店を切り盛りしてきたからこそ。ラーメン好きのみならず、カレー好きも要注目の大勝軒。カレーメニューも充実しているお店なので、僕の中ではもはやカレー店なのです。
※価格はすべて税込