出世ごはん

デキるビジネスパーソンはこんなお店で食べている! 元銀座のホステス&開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から見極めた「出世する店」を「おいしい理由」とともにご紹介!

No.37 紹介する、される人物になって、仕事のステージを一段上げる

今、紹介制のレストランの人気が高まってますよね。「紹介制」ってある種、特別な響き。排他的でもあり、関係者にとっては安心感、そして優越感が感じられたり。かくいう、わたくしも銀座のクラブという紹介制でしか入れないお店で勤めておりまして、デメリットもあるにはあるんでしょうが、総体的に見れば、メリットの方が大きく勝るように思うんです。

 

まず、客層が保てます。これはすごく大きなこと。紹介でつながっている方というのは、大方、同じような常識やマナーをおもちですから、たとえば、店内で写真を撮られたりするなどの心配が減るんですよね。社会的地位の高い方でも、安心して時間を過ごせるというのは大事です。

 

実際、麻布十番の焼鳥「世良田」さんに伺うと必ず、誰もが知っている芸能人や有名社長さんをお見かけしますから、そういう方々を守るためにも紹介制というシステムがあるのかなと思いますし。

いつ行っても華やかな客層なのは、紹介制ならでは。蝶ネクタイのご主人と着物の女将さんが切り盛りする焼鳥店。何を食べても圧巻のおいしさ。締めのごはんに親子丼をいただくか、塩そぼろにするか、悩ましい。出典:北野良さん

 

それから、紹介制であることで店側への支払いが担保されやすいというのも大きなメリット。つまり、紹介制とはお店とゲストの間、そして紹介する側のゲストと、新たに紹介されるゲスト間にも信頼がないと成り立たないんですよね。このひとなら、という信頼感のあるひとしか、こういうお店には紹介できないんですから。そう、紹介制のお店の核は、信頼。それって、ビジネスの肝じゃないですか。ですから、このコラムをご覧いただいているみなさまには、紹介制のお店に紹介されるようなビジネスパーソンになっていただきたいと思うんです。

 

イノベーティブ・フュージョンの「SUGALABO(スガラボ)」さんなんて、紹介されないと連絡先も教えてもらえませんが、シェフの須賀洋介さんが21世紀フレンチの巨匠、ジョエル・ロブションさんの右腕としてラスベガス、ニューヨーク、台湾、パリなどでも活躍されたこともあってか、外国人ゲストがとても多いんですね。今、海外からの予約が激増した結果、予約当日に姿を現さないノーショウが問題化。でも、こちらは紹介制ゆえ、その懸念も少ないわけです。さらにオープン当初から紹介制ならでは、知っているひとしか来ないがゆえの、こなれた空気感があって、それがまたレストランの魅力にもなっています。

21世紀最高のシェフと称された、ジョエル・ロブションさんの右腕でもあった須賀洋介シェフによる、クリエイティブなお料理がいただけます。紹介者に連れて行ってもらわないと、お店の入り口すら、わからないという仕掛けも、ゲストの優越感をくすぐります。写真:お店から

 

また、そういうお店に紹介された人物=「仲間」ということで、見知らぬ同士でも親しくなりやすく、そこから、新しいビジネスへと発展しやすいということもあります。まあ、マンションの1室で紹介制の懐石料理店を営む「水光庵」さんは、1日1組限定ですから、ほかのお客さまと顔を合わせることもないのですが、プレゼンテーションがすごく茶の湯っぽいので、そういうカルチャーに興味を示してくれるような、ある種の仲間じゃないと誘いにくいんですね。でも、興味や趣味が共通していることって、距離を縮め、絆を深めるきっかけになりやすい。

 

「京都吉兆 嵐山本店」出身のご主人が腕を振るっていらっしゃいます。茶室でお茶を点ててくださいますが、お食事はテーブル席でいただけるので正座が苦手な方もご安心を。心尽くしのおもてなしによって、茶道の心得がなくても十分、楽しめるはず。出典:ジゲンACEさん

出典:毎日外食グルメ豚さん

 

約束を守る、仕事をまっとうするなどのほか、プライベートの趣味によっても、信頼を深めることってできるんですよね。そうやって、ひととのつながりをどんどん強くして、紹介制のお店に紹介されるくらいになれば、仕事でのステージもきっと上がってるんですよね。

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