古くから愛されている歴史ある和菓子

亀屋の「川通り餅小箱」7個入380円

一つ目は、広島で長く愛されている和菓子、県民にも大人気の「川通り餅」。有名な戦国武将・毛利元就の祖先、毛利師親が川を渡ろうとした時、水面に小石が浮かび上がり、鐙(あぶみ)に引っかかったことにより戦に勝利したのだそう。これを祝って、餅を小石に見立てて食べる風習が生まれ、この餅は「川通り餅」と呼ばれるようになり、代々毛利家に伝わるお餅となりました。

一口サイズでやめられないおいしさ!

毛利氏が広島城に移ったことにより、川通り餅も広島の名物に。第二次世界大戦により一時は途絶えたものの、現代風にアレンジを加えられ甦ったものが現在の川通り餅です。銘菓・川通り餅は香り高いきな粉となめらかなお餅、そこにくるみのアクセントが加わった和菓子。一口サイズで食べやすいのもポイント。このおいしさと大きさで、何本でも食べられそうです!

二つ目は、江戸時代から続く「虎屋本舗」の「虎焼」5個入810円。名前の通り、虎柄の生地で包んだどら焼きには、はちみつをたっぷり使ったしっとり生地にとろっとしたあんこが包んであります。

虎屋本舗の「虎焼」

虎屋は福山藩の御用達として江戸時代に始まりました。虎焼の他にも、創業当時から作られている「とんど饅頭」という古い歴史を持つ饅頭もあります。歴史好きの人はぜひ一度食べてみてください。

広島のフルーツ和菓子

広島のレモン生産量は全国第1位。そのため、最近ではレモンを使ったお土産やお菓子が増えてきました。今回紹介するレモンの和菓子は「平安堂梅坪」の「銘菓 安芸れもん」5個入864円。同店は大正時代に創業した老舗の和菓子屋です。

平安堂梅坪の「銘菓 安芸れもん」

レモンが描かれたかわいいパッケージには「この果物が主役です!」という思いが込められているのだそう。安芸れもんは2005年に発売され、広島レモンを使った先駆けにもなった饅頭で、レモンの果実感と爽やかさを楽しむことができます。

そして、レモン以外にも広島は柑橘系が有名です。瀬戸内海に浮かぶ因島(いんのしま)ははっさく発祥の地。そんなはっさくが和菓子として楽しめるのが「もち菓子のかしはら」の「はっさく大福」172円です。なかなか主役になることがないフルーツなので、はっさく好きの私としてはうれしい限り!

もち菓子のかしはらの「はっさく大福」

はっさくの酸っぱさがちょっと苦手、という人でも大丈夫。白あんが酸味や苦味をまろやかにしてくれるので、安心して食べてみてください。また、同店では「餅れもん」や「甘夏大福」など、広島の柑橘を使った大福もお取り寄せで楽しむことができます。

教えてくれた人

せせなおこ

福岡出身。あんこが大好きな和菓子女子。和菓子を好きになったきっかけはおばあちゃんと作ったおはぎ。小さな和菓子に日本の文化や歴史が反映されていることに魅力を感じ、和菓子を発信すべくライターやコーディネーターとして活動中。和菓子メディア「せせ日和」も運営。https://sesebiyori.com/

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文:せせなおこ、食べログマガジン編集部 写真:せせなおこ