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アメリカ産「ジャックチーズ」の魅力とは?
チーズというとヨーロッパがイメージされがちですが、実はアメリカでは2022年に年間630万t(※)、1000種類以上のチーズが作られている世界最大のチーズ生産国なのをご存じでしょうか。
移民の国アメリカでは、チーズを嗜好する祖先がさまざまなチーズ作りの技術とともに入植。年間を通じて生乳が安定供給される背景も加わり、多様なタイプのチーズが作られるまでに発展。数々の国際コンテストで上位入賞を果たすなど、その質の高さは世界からもお墨付きなのです。
そんなアメリカを代表するチーズが「ジャックチーズ」です。「アメリカの家庭の冷蔵庫に必ず常備してあるほど最もメジャーなチーズで、とりわけハンバーガーとの相性がよいのが特色です」と教えてくれたのは、アメリカ乳製品輸出協会の古山 博さん。
アメリカ生まれのチーズである「モントレージャックチーズ」「コルビージャックチーズ」「ペッパージャックチーズ」は、いずれもクセがなく食べやすいのが特徴で、アメリカのバーガーレストランでも「ジャックチーズ」が使われているところが多いそう。
チーズプロフェッショナル協会前会長の村山重信さんは「モントレージャックチーズ」は、ゴーダチーズのうまみとモッツァレラチーズの伸びのよさ、その両方が楽しめるチーズ。クリーミーでマイルド、万人に愛される味わいと評論しています。
「コルビージャックチーズ」は、「モントレージャックチーズ」に別種のコルビーチーズを混ぜた美しいマーブル(大理石)模様が特徴。「チェダータイプなので、うまみとほのかな苦みが楽しめ、マーブル模様のまま溶けていく様が映えるチーズです」と古山さん。
「モントレージャックチーズ」に数種の唐辛子をアクセントに利かせた「ペッパージャックチーズ」は、チーズ全体にピリッとした風味が行きわたる個性的な味わいが特徴。ビールや肉料理によく合い、ハバネロやハラペーニョの赤や緑の彩りも華やかです。
そんな「ジャックチーズ」をメニューに取り入れ「JACK BURGER FAIR 2023」の参加店でもある二つのお店をご紹介します。
※USDAアメリカ農務省
「コルビージャック」のW使いが贅沢!「3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field」
まずご紹介するのは、清澄白河駅からほど近く、東京都現代美術館の真向かいにある「3000日かけて完成した極上ハンバーガー Field」。累計販売実績13万食超え、行列ができる店として知られるバーガーショップです。
「もともとはハワイアンテイストのカフェでしたが、2018年にインパクトのあるキャッチ―なこの店名に変えました」と話すのはオーナーの岩元 宏康さん。そのきっかけとなったのは、岩元さんが20年前にバックパッカーとして訪れたニューヨークで出合った、本物のグルメバーガー。「そのあまりのおいしさに衝撃を受け、この味を超えるハンバーガーを作り出したい」とカフェを営みながら試行錯誤。「3000日」は、納得がいくハンバーガーの完成までに要した約8年の歳月を意味しています。
季節限定メニューを含め15種類ほどのハンバーガーを提供する同店。その中でチーズを使用しているメニューの全てに使われているのが「コルビージャックチーズ」です。
「5年ほど前までは別のチーズを使っていたのですが、よりおいしいチーズを探して出合ったのが『コルビージャックチーズ』です。2種類のチーズが混ざっていることも興味もそそられました。チーズの存在感を出すために厚切りにスライスしたものを使っています」と岩元さん。
「チーズの味がよくとってもおいしい」と評判は上々で、「『コルビージャックチーズ』ってどんなチーズですか?」と関心を寄せるお客様もいるのだとか。
イチ押しは、厚切りの「コルビージャックチーズ」が2枚使われた「コルビージャックチーズ×チーズバーガー」。ステーキ肉をほぐしたような肉片の歯ごたえが絶妙な自慢のパティ、このパティを上下で挟むように使われているのがコルビージャックチーズです。
「パティの上にはトロトロにメルトさせたチーズ、下には溶けていないチーズを合わせてあり、同じ『コルビージャックチーズ』でも食感や味わいがまったく異なるので、そこも楽しんでいただければ」と岩元さん。濃いオレンジ色の「コルビージャック」と白っぽい色味の「モントレージャック」が混ざり合って溶ける様も実に美しい。
「肉々しい食感の主張の強いパティ、それにもっていかれないよう老舗の『新橋ベーカリー』さんと試作を繰り返し完成させたほんのり甘いオリジナルバンズ、そしてそれらに負けない『コルビージャックチーズ』のコクとうまみ。この全体のバランスには自信があります。ぜひ味わってみてください」(岩元さん)