【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2023年6月を振り返る

最近都内のカレー店は人気店でも様々な事情で閉店してしまったり、移転を余儀なくされたりすることが続いています。移転先がスムーズに見つかれば良いのですが、そうではない場合も少なからずあるようです。時間がかかっても移転完了するお店もあれば、良い場所を探すのに時間のかかっているお店も現在進行形で存在しています。そんな中で今月は、移転オープンした人気店をまとめてみました。

  1. すぐ近くに移転して入りやすくなったカレーもおいしいカフェ
  2. 惜しまれつつ一時閉店していた濃厚カレーのお店が同じ街で復活!
  3. 令和を代表する大人気カレー店が隣のビルに移転
  4. 人気ビリヤニ店が雰囲気と店名を変えて移転リニューアル
  5. 連日満席が続いていた目黒の人気間借りカレー店が渋谷に移転

以上5店舗、僕が大好きなお店ばかりです。

どのお店も移転して以前よりも良くなったと感じる部分が多く、大成功の移転だと個人的に思っています。移転前からのファンの方、新しいお店にも是非! そして気になっていた方は移転を機にこちらも是非!

【第1週のカレーとスパイス】ランチはもちろん、モーニングも最高! カレーのおいしい北参道の人気カフェが移転リニューアル「ブラッスリー・サリュー」

代々木の知る人ぞ知る隠れ家的な人気カフェ「サリュー」が移転しました。元々は小さなビルの3階で営業していたのですが、そこから北参道駅寄りに歩いて3分程の場所にお引越し。外からもわかりやすい路面店となり、店内の広さも3倍ほどになったのですが、早速人気となってランチタイムは満席の大盛況です。

ランチの「カレーセット」2,200円は、サラダ、日替わりカレー、ドリンクという構成。まず最初に出てくるサラダが素晴らしいです。

カレーセットのサラダ

色とりどりの野菜にクスクスものり、自家製ドレッシングに加えてインド料理のライタが濃厚になったようなヨーグルトサラダも上にちょこんと。みずみずしくフレッシュな味わいで体が喜ぶおいしさ。

カレーセットの日替わりカレーとライス

この日のカレーは姉妹店である参宮橋「キュマン」のキーマカレー。シャープでスパイシーなキーマに黄身がとろとろの半熟卵。そのまま食べて良し、卵と合わせて尚良しのカレーで、カフェのカレーとしてはかなり攻めているわけですが、それもそのはず。キュマンはマニアにもファンの多いカレー専門店ですから。

ちなみにオーナーにうかがったところキュマンは現在不定期営業で、サリューがもう少し落ち着いたら営業を増やす予定とのことなので、キュマンファンも夏くらいまではサリューに行けば確実にその味を楽しめるということになります。

ほっとちゃい

食後に「ほっとちゃい」。刺激的なカレーの後に癒やしをもたらすような優しく自然な甘味で、心が柔らかくほぐれていきます。

モーニングセット「あつあつ!ベーグルにちょい盛りキーマを添えて」

ランチも素晴らしいのですが、僕のおすすめは朝。モーニングセット「あつあつ!ベーグルにちょい盛りキーマを添えて」1,450円は、スープ、サラダ、ギリシャヨーグルトと自家製グラノーラ付き。

モーニングセットのスープとサラダ

まずスープからいきなり最高です。内容は日替わりですが僕が一番気に入っているのがカリフラワーのスープ。優しい味わいのポタージュ的なスープでふんわりとしたスパイス感もあり、寝起きの胃袋が程よく目覚めるような感覚にさせてくれます。

メインのベーグルはもちもちのあつあつ。キーマは先述したキーマと同じなのですが、ご飯と食べるのとはまた違う表情を見せ、ちょい盛りと言いつつたっぷりベーグルに挟んでも少し余るくらいの量がうれしいです。

ヨーグルトとグラノーラ、ドリンクでしめくくれば完璧なモーニング。「よし、今日も一日頑張るぞ!」という気持ちにさせてくれるのです。

「ローストポークのランチセット」

カレー以外にも「ローストポークのランチセット」2,400円などさまざまな料理があり、夜は夜でまた色々なものを楽しめます。オーナーは「朝から夜まで色んなシチュエーションで人が集い、賑やかに食事を楽しんでいただける店にしたい」と語ってくれました。

そんな意図もあってか基本的に通し営業。

「サリューのプリン」と「アイスコーヒー」

おやつに「サリューのプリン」550円と「アイスコーヒー」700円というのも良いでしょう。チョコスポンジを土台にしてあえて苦味を立たせた大人のプリンに「堀口珈琲」のブレンドのバランス良い苦味が調和して気分転換にもってこいです。

料理も営業時間も日によって変わるので、詳しくはお店のSNSをチェックしてください。

いずれにしてもただのおしゃれカフェではありません。専門店に負けないレベルの高い料理が味わえるスペシャルなカフェ。店員さんも気さくな方が多く、皆さん楽しそうに働いているのも素敵だなと感じます。天気の良い日は混み合うことも多いですが、雨の日はお客さんも少ないことがあるそうで、これからの梅雨の時期は狙い目かもしれません。

覚えておいて損は無いですよ!

【第2週のカレーとスパイス】濃厚ルウを自家製スープで割って楽しむ至福の味を再び。創業25周年の「トリコカレー」が中野に帰ってきた!

1998年に、九州は福岡でカレーのみならず和定食などさまざまな料理を提供する飲食店「トリコ」として創業。その後東京・新代田に移転してカレー専門店「ピピカレー」に変化し、さらに中野に移転して店名を「トリコカレー」と変え、どの場所でもどの時代でもファンを増やしてきたお店があります。地域再開発の影響で一時閉店となりましたが、創業25周年となる2023年5月に、同じく中野の町に移転して再スタートを切りました。

場所は元々「カレー独歩ちゃん」(「久遠の空」)があった場所の跡地ですが、外観も内装もかなり雰囲気が変わりました。また、以前のトリコカレーと比べても非常に広くなり、居心地の良い空間となっています。

トリコカレーの特徴は何と言ってもその濃度。もったりとしたオリジナルのルウは非常に濃厚で粘度が高いのですが、これをチキンスープで割りながら好みの濃度に変えて食べるという楽しさがあります。

サラダがついてくるのもうれしいポイント。ライスの量を半分で頼めばサラダ大盛りサービスがあるのが、野菜好きにはさらにうれしさを重ねてくれます。ご飯も白米か玄米か選べ、ルウカレーでありながらヘルシーに食べられるのがとても良いのです。

「絢爛やさいカレー」

ひときわ目を引く「絢爛やさいカレー」1,600円は色とりどりの野菜。10種類以上の野菜がのるだけではなく、フルーツもカレーの中に隠されており、この意外性がおいしさにもつながっています。

「カツカレー」

また「カツカレー」1,600円も忘れてはいけません。サクサクな食感が楽しめる薄くて大きなカツ。濃厚なカレーにはこの形のカツが一番合います。食べ応えも十分です。

「タコカレー」

そして「タコカレー」1,200円がまた良いのです。こちらはタコライスのカレーバージョンで、キャベツとサルサソースの下に隠されたタコミート的なミンチとチーズ、そしてカレー。ほぐしチキンものって肉も野菜もバランスよくとれる一皿なので、肉か野菜か悩んだらこちらが良いでしょう。

トッピングの「半熟ゆでたまご」

黄身がとろとろの「半熟ゆでたまご」150円もトッピングすれば満足度もさらに高まります。

こちらのカレーを食べていつも感じるのは、食べた量以上の満腹感。ルウが濃厚だということもありますが、栄養価が高くスパイスの薬効も感じられて体が喜ぶようなカレーだからかもしれません。食べ終わると満腹感と共にじんわりと汗もかいて心地よさもあり、活力がわいてくるような気持ちになります。

カレーにも色々ありますが、今どき流行りのスパイスカレーよりも濃厚なのが好きだという方もいるでしょう。そんな方におすすめであり、スパイスカレー好きにも刺さる、彩り野菜のヘルシー感とスープで薄めれば重くならないという形を兼ね備えた希有なカレー。時代も流行も問わないおいしさがここにありますよ。

【第3週のカレーとスパイス】開業時から通う魯珈マニアが攻略法を伝授! 令和を代表する人気カレー店「SPICY CURRY 魯珈」が移転

令和の日本のカレー人気店はどこかと問われたら、多くの方が真っ先に「SPICY CURRY 魯珈」の名前を挙げることでしょう。2016年12月に開店して以来、食べログを検索しても常に日本のカレー部門で上位に居続け、ミシュランビブグルマン掲載、TVなどのメディア出演も頻繁に、さらには大手企業とのコラボも積極的に手掛けるなど、文字通り日本を代表するカレーの名店なのですが、そんな魯珈が2023年6月に移転しました。

移転したのは文字通り隣のビルの地下。店内の雰囲気は移転前のお店と同じ壁紙、同じ色合いにこだわり、以前と全く違和感の無い雰囲気。

広くなったのですが席数は逆に1席減らした6席となり、全席がキッチンを囲む形のカウンター席となりました。移転前の店舗から持ってきた暖簾もキッチンの奥に健在です。

魯珈については多くの方がその存在は知っているものの、どのようにして行けば食べることができるのかわからないという意見も多いでしょう。今回は改めて、開店時から足繁く魯珈に通っている僕が魯珈攻略法をここで伝授したいと思います。

まず、現在の魯珈は記帳制です。朝は9:30、夜は16:00が記帳開始時刻。記帳にも並びができるのですが、その並び具合によっては多少記帳開始時間が早まることもあります。

記帳台

店頭に用意された記帳台にある枠から、希望する時間帯に名前を書き込みます。時間は10:50から40分刻み(夜は16:50から40分刻み)。希望の枠が埋まっていた場合は空いている枠に書き込むことになるので、どうしてもこの時間じゃないと難しいという時は早めに並ぶのが良いでしょう。

ちなみに水曜日は週替わりの限定メニューが入れ替わる日であり、特に並びが増えるのでいつもより早めに並ぶことをおすすめします。また、TVなどに出た翌日は並びが増えますし、周年などの記念イベントの際は始発でも間に合わないことが多いので初めての方はそこは避けた方が良いでしょう。

時間を書き込んだらその時間の3分程前にお店に戻り、声をかけられるまでまた並べば良いです。それまでの時間は自由なのでどこへ行っても構いませんが、枠内で食べ切れる時間に戻れなかった場合はキャンセルとなるので注意しましょう。

記帳制についてはさまざまな意見がありますが、記帳制導入以前の魯珈は並びで4時間待ちということもあり、急いで食べてすぐに出ないといけない雰囲気だったのですが、今は記帳さえ完了すれば一度お店から離れることができますし、40分の枠内でゆっくり食べることができますから個人的には今の方が良い状態だと感じています。さらに移転したことにより、地下の長い廊下に並べるので直射日光や雨風をしのげるようになったことも以前より良くなった点だと言えるでしょう。

「ろかプレート」と「ぷちカレー」

お店に入ったら順番に注文を聞かれます。初めての方は看板メニューの「ろかプレート」1,050円(ラムのみ1,150円)がおすすめ。魯肉飯とカレーのあいがけです。レギュラーのカレーはチキン、ラム、野菜コルマ。週替わりの限定カレーもあります。ろかプレートのカレーはひとつしか選べませんが「ぷちカレー」300円(限定カレーのみ400円)を追加することもできます。

今回はろかプレートでラムカレーを選択、ぷちで限定のあさりミントを追加しました。限定カレーには辛さ表記がありますが、魯珈のカレーは野菜コルマを除いて基本的に辛いです。その上激辛好きなシェフの気合いが入ると辛さが増すこともしばしばあるので辛さ表記2でも注意が必要。しかし、どれだけ辛くてもおいしいのが魯珈の凄さでもあります。

実際僕のまわりでも「辛いものが苦手だったけど、魯珈のカレーを食べて生まれて初めて辛くておいしいという意味がわかり、辛いものも食べられるようになった」という意見をしょっちゅう聞くほど。とにかくバランスが良いのです。

攻略法の最後に、意外と気づかれていないのですが魯珈はテイクアウトも可能です。テイクアウトなら並ばずに食べることができますが、電話で事前予約制となります。テイクアウトの受付は朝8:30から。こちらの電話も混み合いますし、ワンオペで営業しているので営業時間中は電話に出られないことがほとんどなのですが、狙い目は受け取り前日の営業時間が終わった頃。電話が繋がる可能性が高いです。

注文する内容と、受け取り時間を予め決めた上で電話をしましょう。受け取り時間は営業時間内であれば基本的に何時でも大丈夫です。

今回はあえて味についてはほとんど触れず、お店の攻略法をまとめました。味についてはご自身の舌で確かめてください。また、今後もさまざまな企業コラボが決まっており、全国で魯珈の片鱗を味わうチャンスもありそうなのでそちらを楽しむのも良いでしょう。

とはいえ魯珈の魅力は味のみならずその接客の素晴らしさにもあります。連日行列を作っている人の多くが常連であることがそれを証明していると言えるでしょう。これから魯珈に行ってみようと思っている方にとって、この記事が役に立てば幸いです。