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個性的な店が多いとされる中央・総武線沿線の街。東京・西荻窪も美食家が多く集うエリアです。「フレンチカレー スプーン」も西荻窪が誇る人気店のひとつ。2009年のオープン以来、その独自のカレーに魅了されるファンを獲得し続けています。思わず吸い寄せられてしまうような、店の前から漂うおいしそうな香り。
今回、ハウス食品と「食べログ 百名店」がタッグを組んで共同開発したレトルトカレー「選ばれし人気店」シリーズに、今回「フレンチカレー スプーン」監修の新商品〈フレンチカレー〉が新たに加わり、発売されます。
そこで、自身も無類のカレー好きであるという料理家の長谷川あかりさんが、実食レポートしてきました。
なぜフレンチシェフからカレー屋さんに?

キッチンでカレーを仕込んでいるのは、オーナーシェフの和田直樹さん。フレンチレストランで修業した後、独立し「フレンチカレー スプーン」を開きました。
実は長谷川さん、今回この店に来るのは2回目のようで……。
長谷川さん「実は私、はじめましてじゃなくて」
和田さん「そうなんですか!?」
長谷川さん「はい! 実は以前このあたりに住んでいて、ふらっと食べに来たことがあるんです。なので今回、私としては感動の再会で。そのとき、“フレンチカレー”って何!? フレンチってカレーになるの!? と驚いて、スーッとお店の中に吸い込まれるように入ったんですよ。フレンチのシェフがカレー屋さんを開くのって、珍しいことですよね?」
和田さん「そうですね。僕は28歳の頃に独立したのですが、当時周りに聞いてみると、フレンチはハードルが高くて食べに行けないという声が多かったんです。そこで、フレンチの技術を活かして大衆向けの食べ物で何かやりたいな、と思ったのがきっかけでした。フランス料理って7割くらいが煮込み料理なんですよ。カレーも煮込みだから、カレー屋さんを始めよう、と」
確かに、高級レストランに行くのは勇気がいりますが、カレー屋さんなら入りやすいかもしれません。長谷川さんもまさに当時「レストランでフレンチをいただいたことはなかったのですが、カレーなら……!」と思ってお店に足を踏み入れたのだとか。
完成までに5日間! 「フレンチカレー」のおいしさの秘密

ここで、さっそくカレーをいただくことに。店内はすでにおいしそうな香りでいっぱいに……。
「フレンチカレー」の特徴は、なんといってもスパイス。スパイスは通常、カレー作りの序盤で使うのですが、「フレンチカレー」では最初だけでなく、後半でも入れるのです。
和田さん「カレーを煮込むときと、仕上げるときの2回に分けてスパイスを入れるんです。こうすることで奥深く、香り豊かになります」
使っているスパイスは13種類にもわたります。また、牛骨や香味野菜をじっくり炒め焼きにして煮出した「フォン・ド・ヴォー」をさらに煮詰めて作る「グラスドビアン」がベースになっているのも特徴のひとつ。そこに、牛と豚のバラ肉を炒め、6時間ほどゆっくり炒めて水分を飛ばした香味野菜、あめ色玉ねぎを合わせて作ります。完成するまでにはなんと5日もかかるのだとか……!

長谷川さん「ではさっそく、いただきます! ……ふわぁ~! 本当にいい香りですね。ここまで香り豊かなカレーは他にないと思います……! 牛肉もほろほろに軟らかい……。ああ……、もう……すごい……。ちょっと一回、落ち着きますね(笑)。なんと言えばいいのでしょう、奥深い味わいが舌に二重でやってくるんですよ。口に入れた瞬間に牛肉の味がいっぱいに広がって、最後にまた、牛肉のお出汁を飲んでいるような深みがやってきて。ルーも味わいがいっぱいで、ほんのり苦みや酸味が隠れていますよね?」
和田さん「そうですね。酸味、塩味、苦み、コクのバランスを取るようにしていまして。玉ねぎは2パターンに分けて炒めていて、最後に入れるあめ色玉ねぎが苦みを担っています」
長谷川さん「この一皿にいくつもの技が詰め込まれていて、こんなにすごいものを気軽に食べられてしまっていいのだろうか……! と思います」
一口食べるごとにうっとりと顔をほころばせる長谷川さん。まさにフレンチのフルコースをいただいているかのような幸せな気持ちが伝わってきます。
「フレンチカレー」をレトルトで再現するまでの道のり

そして、この「フレンチカレー」を、数々の工夫と試行錯誤の末にレトルトで再現した「フレンチカレー スプーン監修 選ばれし人気店」もこの場で実食!
長谷川さん「そして、こちらが今回発売のレトルトフレンチカレー! こちらもちゃんと、コク深さが再現されていますね~! でも、それでいて軽やかでもあり、酸味や苦みもきちんと感じます」
和田さん「レトルトでも、キレのある酸味を表現してほしかったんです。それを忠実に再現してくださってありがたいですね。それと、フレンチカレーは敢えて“乳化”(油と水分を混ざった状態にする)をしていなくて。乳化するとまろやかな味わいになるのですが、逆に素材感やスパイスが立たなくなるんですよね。だからレトルトでも、油と水分を分離させた状態で、スパイスを際立たせたくて。そこの部分もきちんと再現されています」
長谷川さん「この味がお家で食べられるなんてうれしいです! お店までいらっしゃれない地域の方でも、味わえるのが素晴らしい。私もこれ、常備したいです! たくさんの技術や工夫がこらされていながらも、重たくないんですよね。お子さんでも食べやすそう」
元となるカレーの味に深みがあればあるほど、それをレトルトで再現するのは至難の業。そこもさまざまな技術を駆使し、しっかりと仕上げてあるのです。






