食べログ 中国料理 TOKYO 百名店」にも選ばれた人気の中国料理、神楽坂「エンジン」の2号店としてオープンした「take」。営業はなんと19時から深夜2時までと、この数年ではありえない時間。まさにマスク生活から解放され、自由に食事を楽しめるようになった絶好のタイミングでのオープンに、早くも地元住民や仕事終わりの料理人たちが駆けつけています。

営業は19時から深夜2時まで!

上を見ていないと店の場所がわからず迷子に!

食の激戦区、神楽坂エリアに和の食材を使った無化調無添加の優しい味が人気の中華料理店「エンジン」の松下和昌シェフが2号店として「take」をオープン。ちょっと珍しいのがこの店、23時を回った頃からが盛り上がりのピーク。

深夜までワイワイと盛り上がるカウンター席

その理由はコロナ禍で深夜営業する店が激減していたことと、松下さんの店ならおいしいに決まっていると近隣住民はもとより、仕事を終えた料理人たちが駆けつけているからです。

4人までのグループならテーブル席が便利

さらに「エンジン」のディナーはコース料理ですが、こちらはちょっと一杯、1皿もOKなアラカルト。しかも目指すは“大人な居酒屋”と、つまみから〆の食事にデザートまで、1人でも楽しめるボリューム感と気になるものは迷わずオーダーできる価格帯に期待は高まるばかり。

優しくて大らかな人柄でファンが多い阿部 孟シェフ

シェフを任されたのは「エンジン」で6年もの間、松下シェフの下で腕を磨いた阿部 孟さん。松下シェフの味を踏襲しながらも独自の味を創りだしています。阿部さんは北海道士別で中華料理店を営む父親の背中を見て育った根っからの中華料理人。

ホテルで3年の修業を経て上京、「エンジン」に入店しました。「味が想像できないようなメニューばかりでおもしろそうだなと思って面接を受けたのですが、こんなに有名な店とはまったく知らなかった」そう。

お願いするとメガネをかけて「ミニオンズ」の一発顔芸を披露してくれます

「はじめは松下シェフが食材や味をどう構築しているのかわからず、何もできずにいましたが、ワインのペアリングに注力してみたら、だんだんと理解できるようになったんです」と阿部さん。それからは前菜、麺、ランチと徐々に任せてもらえるようになり、「take」オープンに際し、とうとうシェフの座に就いたのです。

自由で楽しい居酒屋風メニュー

お馴染み料理と侮るなかれ!

メニューには中華でお馴染みの料理が並びますが、鶏を塩昆布で和えた「蒸し鶏」、赤酢で〆た鯖を炙り焼きし、山椒のソースをつけていただく「炙り〆鯖」、マヨネーズは使わずに白味噌とラー油で作った「ポテトサラダ」など、“町中華”の父の味で育ち、素材を引き立て洗練させる松下シェフの味を体得した阿部さんが考案したのは、“ひと味違う普通においしい居酒屋中華”です。

柿と大根のサラダ

「柿と大根のサラダ」(800円)

一見、和食かと思いきや口にすると練り胡麻の香りとレモンの酸味が利いたタレがしっかりと“中華味”を演出している「柿と大根のサラダ」。

簡単そうでマネできない味

シャキシャキした大根の瑞々しくさっぱりした味と柿のほんのりした甘みのバランスも絶妙で、味の重ね方や食材の組み合わせは「エンジン」を彷彿とさせます。

餃子

「餃子」(2個 700円)

「餃子」のレシピは阿部さんの父親譲り。肉たっぷりに見えますが実はニラ、タマネギ、白菜が肉の約2倍入った野菜が主役の餡。隠し味は熱したラード。肉と野菜を混ぜてから熱々のラードを注ぎ入れると風味が断然豊かになります。

ジューシーで食べ応えたっぷり

そのむっちりとした餡を、厚みがあるのにやわらかく舌触りがトゥルンとした手作りの皮で包み、味の仕上げに自家製のタレをつける、親子2世代にわたって守られてきたレシピはじんわりとおいしさが後を引きます。

牛肉山椒コロッケ

「牛肉山椒コロッケ」(800円)

「牛肉山椒コロッケ」は紹興酒でしぐれ煮にした牛肉とジャガイモを合わせ、山椒をガッツリ利かせた大人味。煮汁まで入って中はしっとりとやわらかく、衣はカリッと揚げた食感のコントラストが楽しい。

しぐれ煮の甘味がまるで肉じゃがのよう

牛肉のうまみと紹興酒の甘みに山椒の刺激をミックスした中華のコロッケ、これはやみつきになります。

〆の1皿、ラスト1杯に立ち寄れる!

天津飯

「天津飯」(700円)

こちらの〆メニューは、味わいはシンプルで優しく、ボリュームも通常よりちょっぴり抑えていて深夜メシにピッタリ! 「これも実家の味がベースです。『天津飯』は甘酢餡が基本ですが、僕は酢を使いません。具材も余計なものは入れずネギと大葉を卵でとじて醤油の餡かけにしています」と話しますが、卵はふんわり、シャキッとした食感のネギに、大葉の香りが豊かで餡は照りが美しい!

天津飯には珍しく、アクセントにミョウガも使用

この見るからにおいしい顔つきに食欲がそそられ、気づけば完食する満足&罪悪感なしの一皿です。

料理に合うお手軽価格のワインを揃えています

ドリンクも1杯からOKでビール、紹興酒、カクテル、日本酒といろいろありますが、松下シェフの味をペアリングすることで理解した阿部さんセレクトのワインがおすすめ。スペイン、イタリア、フランスなどの飲みやすく、価格もグラス900円〜、ボトル5,000円〜とリーズナブルなものが揃い、料理との相性も抜群。「好みのものがなければ開けます」と太っ腹!

2023年2月23日にオープン!

店名は松下シェフの2号店ということで「松竹梅」の「竹」と阿部さんの名前の読みをかけて「take」に決まったそう。3号店は「ume」なので「梅」がつく名前の人を探さなきゃなって(松下シェフが)言ってましたと笑って話します。いつでも気軽に立ち寄れて「こんな料理が食べたかった」という肌感覚のメニューがある、誰もが“近所にあってほしい”と願う店は神楽坂といえども貴重な存在。メニューになくても材料があれば何でも作ってくれるそうなので、次は修業時代にひたすら作っていたという「たまご炒飯」をぜひ食べてみたい。