信州新町産サフォークを丸ごと楽しめる!? 嘉門タツオさん推薦の羊料理

まずは「特選ひつじ焼肉セット」からスタートするべし!

「特選ひつじ焼肉セット」2,970円。入荷状況により内容は異なる

嘉門さんが言う「システム」とは、信州新町産サフォークの魅力を最大限に楽しむための食べ進め方だ。以前の店舗より席数が増えたこともあって、肉の各部位にロースやシンシンといった名称をつけるなど、より分かりやすい提供方法が確立されている。

焼肉セットの場合は、赤身のロースから時計回りで焼くのが基本。片面を直火で炙るように焼き、ひっくり返したら5秒で食べごろ。レアでいただくロースは、肉刺しのように水分量が豊富で、筋繊維が絹のようになめらか。屠畜してから一度も冷凍を挟んでいない、最高のコンディションだからこその味わいと食感だ。

羊肉をのせるのは火の真上だけ。野菜は焼きアミの真ん中で焼くのが好ましい

誰もが絶妙な焼き加減をコントロールできるよう、焼肉ロースターも考え抜かれたもの。既製品はプレート部分が分厚く、金属部分から余計な熱が伝わってしまうため、あえて熱伝導率の低い焼きアミを特注しているそう。直火の放射熱だけで火を入れれば、中心部分のみずみずしさはそのままに、羊肉や野菜の香りを引き出すことができる。

 

嘉門さん

味と歯応えの変化をお楽しみください。ジンギスカンではなく、あくまでも羊の「焼肉」です。当然ワインにも合います。3種類の塩や胡椒の変化も楽しいです。 

塩胡椒、岩塩、ガーリック塩のほか、フルーツたっぷりの秘伝のタレも用意

信州新町産サフォークは穀類のほか、リンゴ、おから、ビール粕などを餌にして育っているため臭みは一切ない。赤身の場合、純粋な肉の風味を塩だけで楽しむのが良いだろう。皿を時計に例えた場合の7時ごろ、バラ肉に差し掛かると徐々にタレとの相性が高くなる。

「特選ひつじ焼肉セット」には各種野菜がつく。黄色いマイクロズッキーニは三浦野菜だ
 

嘉門さん

肉の合間にいただく、椎茸、ピーマン、キャベツなどが肉を更に引き立ててくれます。

ナスは焼いた後でバラ肉に軽くのせて羊の香りを染み込ませると良い

追加で注文するなら香りの高い「ひつじ肉切り落とし赤ワイン漬け」がおすすめ

「ひつじ肉切り落とし赤ワイン漬け」1,690円

焼肉セットに追加する定番メニューが、赤ワインにじっくりと漬け込んだ切り落とし肉。さまざまな赤身の部位を使用しており、こちらも切り身によって異なる食感や風味を堪能できる。赤ワインとのペアリングによっても肉の印象はがらりと変化するはず。3,300円のリーズナブルなピノ・ノワールから、ボルドー五大シャトーまで、ボトルの選択肢の幅が広いのもうれしい。

赤ワイン漬けは肉の中心部分まで火を通す方が、より風味が華やかになる
 

嘉門さん

こちらはマスタード醤油で!

酸味と辛みの利いたマスタード醤油をつければ、さっぱりとした味わいに

羊の力強いだしが染み渡る「ひつじの味噌煮込み」は焼肉の後に

「ひつじの味噌煮込み」980円

一匹まるごと食べ尽くすなら、煮込みも外せない。こちらは焼肉には適さない少し硬めの部位を、じっくり柔らかく煮込み、信州みそで味つけしたものだ。コクと旨みの強い味わいは、赤ワインの熟した果実感と相性が良い。芋焼酎などと合わせても良いだろう。

ご飯400円は新潟産コシヒカリ。七味唐辛子は信州名物の八幡屋礒五郎
 

嘉門さん

最後にご飯を入れると抜群の締めに。

ほかにも移転後から「ひつじ脂のフライドポテト」や「パリッと冷やしピーマン肉味噌ディップ」など新メニューも増えている。和風の味付けもあれば、中華風やイタリアンもあり、ジャンルにはとらわれていない。その根底にあるのは「羊が一番偉い」という、先代から受け継がれている哲学だ。信州新町産サフォークの魅力をあますところなく引き出すため、羊を中心にしながら店は進化を続けている。

※価格は税込。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:佐藤潮 文:佐藤潮、食べログマガジン編集部