新店も人気店もここに! 電車でGO! ラーメン沿線MAP

普段はなかなか下車することのない駅にこそ多く存在するのが、人気のラーメン店。行列店やオープン直後から注目の新店が存在するラーメンスポットを、電車や地下鉄の沿線ごとに、ラーメンのプロである小林孝充さんが紹介する人気連載。第6回は、京浜東北線にある注目店から食べるべき一杯をピックアップ!

Vol.6 京浜東北線(王子~赤羽)

東京を縦断する背骨的な役割を果たしている京浜東北線。その中でも埼玉に入る手前、今回紹介する王子〜赤羽のエリアは赤羽駅付近を中心としてラーメン店が数多く、老舗が多い中に新店も年々割って入り見事に融合しています。このエリアは最近の都内では珍しく、清湯系のラーメンが根強く人気なのも特徴的です。

京浜東北線(王子〜赤羽)で必食の3大ラーメン

キング製麺(王子)の「ちょっとずつワンタン麺 白だし」

出典:ぼぅ10009さん
出典:「一期一食」さん

上北沢にある名店「らぁめん小池」。その「らぁめん小池」が2号店の「中華蕎麦にし乃」に続いて2019年3月に王子にオープンさせた3号店がこの「キング製麺」です。スープは煮干しや昆布などで取った、うどんのスープのような透明であっさりとした出汁がベースに。それに合わせる麺は店内にある製麺室で作っている自家製麺。柔らかさのある平たい縮れ麺があっさりとしたスープに絶妙にマッチします。海老ワンタンと肉ワンタンの2つの味が楽しめる「ちょっとずつわんたん麺」がまず食べるべき一杯です。

机上の空論(東十条)の「中華そば」

出典:面食いcloverさん
出典:デイルス・マイビスさん

東十条駅付近は駅の西側の埼京線十条駅方面に向かって実力店が立ち並ぶエリアなのですが、そこをあえて東に向かい、東十条銀座商店街を歩いたところにあるのがこちらの「机上の空論」。2017年にオープンしたこちらの店主は足立区に本店がある人気店「田中そば店」などで修業した実力派。濃い醤油色にチャーシューやナルトなどがのったスタンダードな見た目ですが、じんわりと出汁の良さを感じる滋味深さと醤油のキレが同居したスープに、それをよく持ち上げるストレートの麺の取り合わせがお見事。まさに“机上の空論”には終わらない旨さを実現しています。

麺 高はし(赤羽)の「半肉入りつけそば」

出典:シナさん
出典:ノバンディさん

この界隈で一番ラーメン屋さんが集中しているのが、赤羽駅周辺のエリア。お店の入れ替わりも激しいですが、その中でも長年にわたり人気を博しているのがこちらの「麺 高はし」。今年で創業20年。現在のようにつけ麺がブームになる以前からつけ麺を提供しつづけています。つけダレは動物系+魚介系ですが、最近流行している極端な濃度ではなく、バランスよく食べられるように計算されたもの。今では広く知られるようになった浅草開化楼の麺を合わせています。私はここのつけそばを食べて、つけ麺のおいしさに改めて目覚めることができました。

教えてくれたのは

小林孝充さん

TVチャンピオンラーメン王選手権第8回・第10回優勝。歴代ラーメン王によるラーメン大王決定戦で優勝し初代ラーメン大王に。ラーメンの食べ歩きは全都道府県に及び、これまでに食べたラーメンの杯数は14,000杯を超える。ラーメンに限らず美味いもの好きで他のジャンルも積極的に食べ歩く。ラーメンWalker百麺人。TV・雑誌登場多数。

 

文:小林孝充、食べログマガジン編集部